2022年下半期、FDAの承認が期待される注目の新薬5選まとめ

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新薬の承認は業界全体に大きな影響を与えます。今日は、2022年下半期にFDAが承認する見込みの中で、影響が大きい新薬5つを選んでご紹介します。パンデミックの影響もあったのか、上半期の承認数は16品目にとどまってます。下半期は製薬業界は活気を戻すことできるのでしょうか?
今回注目する5品目はこちらです。

1.  デュクラバシチニブ/ 尋常性乾癬 / ブリストル・マイヤーズ・スクイブ
2.  ベティセル、エリセル / 希少疾患への遺伝子治療 / ブルーバードバイオ
3.  tislelizumab / 食道扁平上皮癌 /ノバルティスとBeiGene
4.  AMX0035/筋萎縮性側索硬化症(ALS) /Amylyx Pharmaceuticals
5.  AT-GAA (cipaglucosidase alfa/miglustat)/アミカス社/ポンペ病

2022年下半期、米FDAが承認する見込みの注目新薬5選

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1. デュクラバシチニブ/尋常性乾癬/BMS

ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)の、経口TYK2阻害薬デュクラバシチニブ(deucravacitinib)の審査結果が9月10日までに判明します。なお、同剤は、欧州医薬品庁(EMA)、日本においても申請中です。

デュクラバシチニブは、アムジェンのオテズラ(アプレミラスト)の競合薬と見られていますが、第3相POETYK PSO-2試験でオテズラを凌駕する試験結果を示しています。デュクラバシチニブは、ファーストインクラスの治療薬となる可能性があり、BMSは、ピーク時の売上を40億ドルと予測しています。

BMSは、第1四半期の業績発表では、レブロジルのジェネリック侵食速度速く、今年の売上横ばいの見通しと述べておりました、4月には、ファースト・イン・クラスのミオシン阻害剤Camzyos(マバカムテン)が閉塞性肥大型心筋症の治療薬として、3月には、第3の免疫チェックポイント阻害薬として、転移性メラノーマに対して抗LAG-3抗体レラトリマブとオプジーボとの配合剤、Opdualagがアメリカで承認されています。同社の株価は年初から20%上昇しております。

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2.ベティセル、エリセル/希少疾患への遺伝子治療/ブルーバードバイオ

genetherapyブルーバードバイオ社は、下半期に判断される同社の2つの遺伝子治療の承認結果を待っています。6月のFDAの諮問委員会が、β-サラセミアへの遺伝子治療ベティセル(beti-cel)と脳損傷副腎白質ジストロフィー(CALD)への遺伝子治療エリセル(eli-cel)に対して二日間にわたってそれぞれ支持を致しました。

発がん性が指摘されていましたが、期待しうる効果が生じうる害に勝るとの判断でした。それぞれ、ベティセルは8月19日、エリセルは9月16日にFDAから承認の判断がされます。委員会が支持をしているため、承認の見込みは高いといえます。ピーク時の売上はそれぞれ1億ドルに達する可能性があります。

3. tislelizumab/ノバルティスとBeiGene/食道扁平上皮癌

ノバルティス/Beigeneのモノクローナル抗体Tislelizumabは、多くの適応症で試験中ですが、食道扁平上皮癌のセカンドラインでの申請について、米国FDAは7月12日までに決定を出すことが予想されています。

多くの癌腫で臨床試験がされています。再発・転移性上咽頭がんでは、第3相RATIONALE-309試験での無増悪生存データに対して期待がかけられています。また、非小細胞肺がんでも開発中です。tislelizumabは、ノバルティス社に多くの利益を提供する可能性を持っています。

4. AMX0035/Amylyx Pharmaceuticals/筋萎縮性側索硬化症(ALS)

Amylyx Pharmaceuticals社の筋萎縮性側索硬化症(ALS)対象の治療薬AMX0035の承認判断が今年の9月末に控えています。

7月5日、FDAがAMX0035に関して諮問委員会を招集する予定であることが伝えられました。AMX0035は、フェニル酪酸ナトリウムとタウルソジオールの経口の合剤で、米国および欧州で申請中です。カナダではALS治療薬ALBRIOZAとして条件付きで承認されています。

AMX0035に関して、3月に開催されたFDA諮問委員会でも取り上げられましたが、ALSの進行を遅らせる効果についてより多くの証拠を提供する必要があると考える意見から、賛成多数には至りませんでしたが、今回の諮問委員会招集は、承認に向けて肯定的にとらえています。

5. AT-GAA (cipaglucosidase alfa/miglustat)/アミカス社/ポンペ病

アミカス社は、ポンペ病を対象としたAT-GAAと呼ばれる併用療法の承認を求めています。第3相試験の失敗にもかかわらず段階的承認申請が押し通されました。

AT-GAAは、サノフィのLumizyme(アルグルコシダーゼ・アルファ)およびNexviazymeと競合する可能性があります。アミカスは、AT-GAAのピーク時の売上ポテンシャルを11億ドルと予測しています。

AT-GAAはポンペ病で欠乏する酸性αグルコシダーゼ(GAA)の人工品・cipaglucosidase alfaとその安定化剤miglustatを成分とします。Miglustatは、ゴーシェ病ではZavescaの名称で既に承認されていますが、アミカス社はポンペ病の適応で新薬承認申請を提出しました。

5月にAT-GAAの米国FDA審査が3か月間延長されましたが、審査期間はそれぞれの成分毎に設定されており、miglustatが、8月29日まで、cipaglucosidase alfaはその2か月後の10月29日までと延期となっています。

2022年下半期の新薬承認は増加するのか?

questions通年では21年に50品目、20年には53品目が米FDAにより承認されています。2022年上半期に承認された新薬はわずか16品目でした。

2022年上半期は、製薬業界では、厳しい結果となったが、製薬企業、投資家そして医療従事者や患者は新たな治療薬が多く承認され、業界も好転することを期待しています。下半期に期待されている新薬候補品の中から、影響が高いであろう5品目をご紹介いたしました。

長い期間と患者のエンロールメントが必要な新薬の承認までの長いプロセスは、コロナによる治験の治験や縮小の影響を大きく受けたものとも考えられます。株価や企業の業績に大きく影響を与える新薬の承認ですが、多くの新薬が、治療を待ちもぞむ患者への恩恵を与える、業界も活気づいてほしいと思います。

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