筋萎縮性側索硬化症の新たな治療薬AMX0035、米で2022年下半期の承認に近づく

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米国内で今年下半期に新薬として注目されているアミリックス(Amylyx Pharmaceuticals)社の筋萎縮性側索硬化症(ALS)対象の治療薬AMX0035が承認に一歩近づきました。市場では承認に対しての楽観的な観測から同社の株価は16%上昇しています。

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FDA諮問委員会を9月7日に招集。AMX0035、米で2022年下半期の承認に近づく

アミリックスが、7月5日火曜日、FDAから、筋萎縮性側索硬化症(ALS)対象の治療薬AMX0035について、9月7日に新たな諮問委員会を招集する予定であることが伝えられたことを明らかにしました。このことで同社の株価は16%向上しました。

今回の発表で、アミリックス社は、「AMX0035の審査プロセスを可能な限り効率的に進めるため、引き続きFDAと連携していきます」とも述べています。

筋萎縮性側索硬化症(ALS 英語ではAmyotrophic Lateral Sclerosis)は、運動神経細胞が変性して筋萎縮と筋力低下を来す進行性の疾患で、治療薬としてラジカット(エダラボン)やリルゾールがありますが、それらの治療薬を用いてもALSは根治が難しい難病です。そのため、新たな治療薬の開発が求められています。バイオジェンのアンチセンス薬であるトフェルセンも第3相試験段階にあり早期アクセスプログラムも拡大しています。

AMX0035とは?

AMX0035は、フェニル酪酸ナトリウムとタウルソジオールの経口の合剤で、米国および欧州で申請中です。カナダではALS治療薬ALBRIOZAとして条件付きで承認されています。

フェニル酪酸ナトリウムとタウルソジオールの併用で、小胞体ストレスとミトコンドリア機能障害を同時に緩和し、神経細胞死を減少させる可能性が期待されています。また、AMX0035は、他の神経変性疾患の治療薬としても利用が検討されています。 最近カナダでは条件付きで、Albrioza(フェニルブチレート/ウルソドキシコルタウリン)として世界で初めて承認されました。

今年3月の諮問委員会では賛成多数にならず

AMX0035に関して、3月に開催されたFDA諮問委員会でも取り上げられたが、ALSの進行を遅らせる効果についてより多くの証拠を提供する必要があると考える意見から、賛成多数には至らなかった。

新たなデータへの追加分析に焦点

アミリックス社によると、新たな会議は、最近発表された分析結果を含む同社の臨床試験からのデータの追加分析に焦点を当て、FDAが販売申請に対する「主要な修正」に該当すると考えているものである。

この申請は、第2相CENTAUR試験と非盲検延長試験に基づいて、昨年末に優先審査に付されました。3月に開催された諮問委員会に先立って、FDAの科学者は独自の分析を発表し、AMX0035は比較的安全で忍容性が高いと思われるが、データは機能的または生存的な利益を明確に示していないと結論付けている。

24年には第3相データが発表予定

同社は現在、2024年にトップライン結果を出す予定の第3相臨床試験を実施している。PHOENIX試験と呼ばれるこの試験では、600名のALS患者が登録され、AMX0035またはプラセボにランダムに割り付けられ、改訂版ALS機能評価尺度(ALSFRS-R)および48週間の生存率で測定される機能低下を遅らせることができるかどうかが評価される予定です。
また、遅発性生命維持能力、QOL、血漿中ALSバイオマーカーに対する治療効果も評価される予定です。

9月29日までに承認の結論を見込むも判断に苦しむ可能性も

最近延長された9月29日の期限までに、FDAが依然として決定を下す見込みであることを同社は示しています。先月初めに発表されたときには、この治療法がFDAによって却下される方向にあると考える人もいたため、この決定時期の遅れは投資家の間に楽観的な見方を呼び起こした。しかし、SVB証券のアナリスト、マーク・グッドマン氏は、「FDAはまだ判断に苦しんでいるようだ」と述べた。

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