製薬会社ランキングのまとめ|世界と日本の製薬会社の将来性、価値、売上、時価総額、年収がわかるランキング

製薬会社ランキング|わかる世界と日本の製薬会社の売上・将来性・年収・時価総額おすすめランキングまとめ

このような方におすすめ

  • 日本と世界の大手製薬業界の様々あるランキングを効率よく調べたい
  • 最新の製薬会社の売上、将来性、年収、勢力図をまとめて把握したい
  • これから伸びる製薬会社は?転職先の製薬会社どこがいい?

製薬業界の転職で希望する会社の選択などに便利なランキング情報

ランキング情報を正しく活用することで、業界の勢力図や将来性もしっかりと見ることが出来ます。様々な角度から出される製薬業界のランキング情報の種類やメリットをわかりやすく解説します。

この記事では、転職の際の情報収集や会社選定にも便利に活用できるランキング情報を解説、ご紹介します。

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Contents
  1. 日本の大手製薬会社の売上ランキング
  2. 世界の大手製薬会社売上ランキング
  3. これから伸びる製薬会社は?世界と日本の製薬会社の将来性
  4. 2028年世界の売上予測ランキングでみる製薬会社の将来性
  5. 株価時価総額ランキングでみる製薬会社の将来性
  6. 医薬品の売上ランキングでみる製薬業界
  7. 日本国内の売上ランキング|日本市場での勢力図は?
  8. 製薬業界の年収に関するランキング
  9. 海外市場調査会社発表のデータで見る製薬業界
  10. ランキングでみる製薬業界まとめ

日本の大手製薬会社の売上ランキング

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製薬業界のランキング、まずはもっとも活用される機会が多い日本の製薬会社の売上ランキングです。

製薬会社が発表する決算情報など公式な情報が元になっており、会社規模や業界内での勢力分析などに幅広く活用されています。

日本の製薬会社売上ランキング活用のメリット

日本の製薬会社の規模を比較

業界動向の理解を深める

興味がある会社、転職先候補検討に参考になるデータ

まえだ
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日本の製薬会社の売上ランキング、全世界での売上から、総合的なつよさを比較出来ます。

日本の大手製薬会社売上ランキングトップ10(2022年度)

ランク会社名2022年度売上海外売上海外売上比率21年度売上
1(-)武田薬品工業4兆275億円 (+12.8%)3兆5,154億円87.3%3兆 5,690 億円
2(-)大塚HD1兆7,380億円 (+16.0%)1兆833億円62.3%1兆 4,983 億円
3(-)アステラス製薬1兆5,186億円 (+17.2%)1兆2,563億円82.7%1兆 2,962 億円
4(-)第一三共1兆2,785億円 (+22.4%)7,450億円58.3%1兆 449 億円
5(-)中外製薬1兆2,599億円(+26.0%)6,027億円47.8%9,998 億円
6(-)エーザイ7,444億円 (▲1.6%)4,943億円66.4%7,562 億円
7(-)住友ファーマ5,555億円  (▲0.8%)3,854億円69.4%5,600 億円
8(-)田辺三菱製薬5,354億円 (+38.8%)2,164億円40.4%3,859 億円
9(-)小野薬品工業4,472億円 (+23.8%)1,590億円35.6%3,614 億円
10(+1)塩野義製薬4,267億円 (+27.3%)2,172億円50.9%3,351 億円
11(▲1)協和キリン3,984 億円 (+13.1%)3,522 億円
出典:アンサーズ「【2023年版】国内製薬会社ランキング 武田、円安追い風に売上4兆円突破…2位大塚HD、3位アステラス」カッコは前年比

日本の製薬会社の売上のランキングトップは、武田薬品工業がダントツ。世界での売上は4兆円を超えます。

総売上で1兆円を超える製薬会社は全部で5社。

前年の2021年度には第一三共が久しぶりに1兆円を突破22年度には中外製薬が1兆円突破企業の仲間入りを果たしています。

なお、トップ5の21年度と22年度では順位の変動はありませんでした。

日本の製薬会社の売上に関しては、別途記事「日本の製薬会社売上ランキングトップ40|5年間で製薬業界はどう変化したのか?」で、40位までのランキングと過去5年間のランキング推移を分析をしています。

失敗しない製薬業界の転職のヒント
売上ランキング上位の製薬会社への転職には準備とタイミングが大切。製薬業界で実績のある転職エージェント複数登録するなどして自分にあったコンサルタントとじっくり相談しましょう。

世界の大手製薬会社売上ランキング

日本の製薬会社のランキング同様に、世界の製薬業界の動向を理解するために活用されている世界の製薬会社の売上ランキング。

この記事では、22年度の売上トップ5社のランキングに加えて研究開発費もご紹介します。

グローバルの製薬業界、どの製薬会社が業界を牽引しているのでしょうか?

世界の製薬会社売上ランキング活用のメリット

全世界での製薬会社の規模を比較

全世界の製薬業界の動向を理解

日本企業の順位をグローバルで把握できる

まえだ
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ダントツトップの武田薬品でも難しいトップ10。過去のM&Aを通じても世界の製薬会社の規模はどんどん大きくなっています

世界の大手製薬会社売上ランキングトップ5(2022年度)

ランク会社名売上研究開発費研開費%
ファイザー1,003.3億ドル114.28億ドル11.3%
ロシュ663.2億ドル167.92億ドル25.3%
米メルク592.8億ドル135.48億ドル22.8%
アッヴィ580.5億ドル65.10億ドル11.2%
J&J(医薬)525.6億ドル116.22億ドル22.1%
出典:アンサーズ【2023年版】製薬会社世界ランキング」および「【2023年】国内製薬企業ランキング

22年のトップは2年連続でファイザー業界ではじめて1000億ドル突破しました。

1000億ドルの売上は記録的な数字です。日本企業でダントツ1位の武田薬品工業が330億ドル(4兆円)なのでとてつもない金額であることがわかります。

ただ、ファイザーの半分以上の売上が新型コロナ関連

つまり、コロナ関連の売上を除くとランキングでは5位以下になってしまいます。

別記事「世界の製薬業界は5年間|トップ25社のランキング分析でわかった3つの要素とは?」では、世界の売上ランキング25位までのランキングを5年間比較、コロナ前、コロナ禍の最中の5年間で世界の製薬業界にどのような要素が影響をしているのか分析をしています。

ファイザーがコロナ特需でトップになる前には7年連続で首位だったロシュをはじめランキング上位の製薬企業も着実に成長しています。「2028年の将来予測」ランキングとの比較もおもしろいでしょう。

失敗しない製薬業界の転職のヒント
全世界の製薬トップ企業は日本の製薬会社の規模を遥かに凌ぐ規模。これらのトップ企業の多くが日本市場に進出しています。外資系製薬会社への転職は人気が高く、自分のスキルや経験を活かすことと外資系に強い転職エージェント複数登録するなどしっかりとした対策が大事です。

これから伸びる製薬会社は?世界と日本の製薬会社の将来性

世界と日本の製薬会社の売上ランキング、製品である医薬品の売上ランキングをご覧いただきましたが、製薬会社の将来性はどうでしょうか?

製薬会社の将来性を見てみるために2つのランキング情報を紹介します。

まずは、世界の製薬会社が活用している調査会社Evaluate Pharmaが5年後の2028年の売上と医薬品のランキングを公開しています。

これから伸びる製薬会社を含めて、それぞれの製薬会社の将来性と売れる医薬品がわかります。

2028年世界の売上予測ランキングでみる製薬会社の将来性

製薬会社の将来性に関して、製薬会社が活用している調査会社が分析、発表している予測データから将来性を見ることができます。

これから伸びる会社として、トップ10入りを果たす「ノボノルディスクファーマ」と「イーライリリー」に注目したいと思います。

まえだ
まえだ

売上予測は必ずしも100%あたるわけではないものの、将来の製薬業界の勢力図やこれから上市、売上を伸ばす医薬品の把握には便利な情報です。

2028年の世界の製薬会社売上ランキングトップ10

会社名2028年ランキング2028年売上予測2022年売上2022年ランキング
ロシュ650億ドル663.2億ドル
メルク640億ドル592.8億ドル
アッヴィ630億ドル580.5億ドル
J&J(医薬)600億ドル525.6億ドル
ファイザー590億ドル1,003.3億ドル1
ノバルティス580億ドル505.5億ドル
アストラゼネカ550億ドル443.5億ドル
サノフィ540億ドル453.5億ドル
ノボノルディスク500億ドル251.3億ドル16
イーライリリー10480億ドル285.4億ドル12
出典:ワールドプレビュー 2023|Evaluate Pharma

2028年の売上予測データをみることでこれから伸びる製薬会社や将来性を見ることができます。

22年度の売上で首位だったファイザーは5位に後退ロシュ、メルク、アッヴィが上位3社に食い込む見込みです。

それぞれの企業の売上予測値は拮抗、どの企業が最終的に1位になってもおかしくない状況で、確実に将来性が期待されています。

あらたにトップ10入りするノボノルディスクとイーライリリーですが、将来性の潜在性が非常に高いことが言えます。

2028年の世界の医薬品売上予測とランキングでみる製薬会社の将来性

医薬品名順位28年売上予測製薬会社疾患・領域22年順位22年売上
キイトルーダ1309メルクオンコロジー3238
デュピクセント2190サノフィアトピー性皮膚炎10100
オゼンピック3180ノボノルディスク2型糖尿病ランク外87
マンジャロ4170リリー2型糖尿病ランク外
ダラザレックス5165J&J多発性骨髄腫ランク外79
オプジーボ6157BMS
小野薬品
オンコロジーランク外99
スキリージ7150アッヴィ乾癬ランク外13
ビクテグラビル8120ギリアド・サイエンシズHIV8134
ガーダシル9100メルク・CSLHPVワクチンランク外60
トライカフタ1095バーテックス嚢胞性線維症治療薬ランク外60
GLP-1受容体作動薬セマグルチド参考値330ノボノルディスク2型糖尿病、肥満オゼンピック
リベルサス
ウゴービ
同成分で3剤をまとめた場合
売上単位:億ドル|ソース:アンサーズニュース、Statistia Projected best selling pharmaceutical drugs worldwide in 2022、Evaluate Pharma ノボノルディスク社HP ◎は2022年でランク外だった医薬品

医薬品の将来予測から、製薬会社それぞれの将来性が更に詳しく予測できます。

5年後、キイトルーダが最も売れている医薬品で300億ドルもの売上と予想されています。

ほとんどのトップ10にランクインしている医薬品は23年にはランク外にあった医薬品ですが、その中でも特に注目は、ノボノルディスクの「オゼンピック」、イーライリリーの「マンジャロ」という2型糖尿病治療薬の「持続性GLP-1受容体作動薬」です。

2028年には、どちらの医薬品も150億ドル以上の売上が見込まれており、新たに売上ランキングでもトップ10入り原動力となりそうです。

別の記事「【2028年】5年後の製薬業界|製薬会社の売上ランキングと最も売れる医薬品は?」では、医薬品の売上予測で上位に食い込むノボノルディスクとイーライリリーの動向も含めた製薬会社と医薬品のトップ10と将来性をさらに詳しく解説しています。

失敗しない転職のヒント
製薬会社の将来性は転職をする人にとってもとても関心が高い情報。将来性はあくまでも予測ですが、転職を考える際は、最新の情報を把握しつつ、業界に詳しい特化型外資系に強いエージェント複数登録してじっくりと転職活動をすることが大事です。

株価時価総額ランキングでみる製薬会社の将来性

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もう一つの製薬会社の将来性を見るランキングとして、株価の時価総額ランキングを紹介します。

投資家は現在のランキングや売上だけではなく、現在のパイプラインを含めた将来性を見込んで投資する製薬会社を決定します。

投資家はパイプラインや戦略を含めた製薬会社の将来性を含めて投資をします。株価の時価総額を見ることで企業価値と製薬会社の将来性を見ることも出来ます。

2023年11月時点での日本と世界の製薬会社の株価時価総額をランキングにしました

日本の製薬会社:株価時価総額トップ10

時価総額順位会社名時価総額売上順位研開費順位海外売上
中外製薬8兆1,938億円5位6位5位
第一三共7兆6,849億円4位2位4位
武田薬品工業6兆6,301億円1位1位1位
アステラス製薬3兆2,727億円3位3位2位
大塚HD3兆541億円2位4位3位
エーザイ2兆2,897億円6位5位6位
塩野義製薬2兆1,815億円10位8位9位
小野薬品工業1兆4,236億円9位9位11位
協和キリン1兆3,181億円11位11位8位
10田辺三菱製薬1兆1,262億円8位10位10位
住友ファーマ7位7位7位
出典:アンサーズ

売上高とは若干異なる時価総額でのランキングを、研究開発品、海外売上のランキングとあわせてまとめています。

世界の製薬会社:株価時価総額トップ10

ランク会社名時価総額グローバル売上ランキング
イーライリリー5,583億ドル12
ノボノルディスク4,586億ドル16
J&J・ヤンセンファーマ3,824億ドル
メルク2,691億ドル
アッヴィ2,552億ドル
ロシュ2,266億ドル
ノバルティス2,027億ドル
アストラゼネカ2,006億ドル
ファイザー1,653億ドル
10アムジェン1,458億ドル14
21中外製薬609億ドル
22第一三共543億ドル25
23武田薬品工業440億ドル11
2023年12月6日時点での時価総額 売上ランキングは22年度

23年の12月時点では、トップがイーライリリーが2位に1000億ドルほどの差をつけてのダントツトップ、それに続くのがノボノルディスクファーマでした。

2028年の予測売上のランキングでトップ10入りが予測されているイーライリリー社とノボノルディスクが株価がベースとなる時価総額の価値でトップ2にランクインしているのは非常に興味深いところです。

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医薬品の売上ランキングでみる製薬業界

世界と日本の製薬会社の売上を見てきましたが、製薬会社の製品である「医薬品」のランキングからも製薬業界を見てみたいと思います。

日本と世界の医薬品売上ランキング活用のメリット

日本と世界で売れている医薬品の比較ができる

医療ニーズ、患者数の高い医薬品が上位を占める

医薬品の高い売上が、各製薬会社の動向や評価につながっている

まえだ
まえだ

製薬会社を支える大型の医薬品。日本国内では1000億以上の売上を上げる医薬品が上位を占めます。なお、全世界では1兆円を超えてもトップ10に入れません。

日本の医薬品売上ランキングトップ10 【2022年】

順位ブランド領域会社名売上(億円)
1オプジーボオンコロジー小野薬品工業1,662
2キイトルーダオンコロジーMSD1,592
3リクシアナ循環器系疾患第一三共1,316
4タケキャブ消化器系疾患武田薬品工業1,155
5イミフィンジオンコロジーアストラゼネカ1,098
6タグリッソオンコロジーアストラゼネカ1,087
7アイリーア眼科バイエル薬品888
8フォシーガ糖尿病アストラゼネカ821
9テセントリクオンコロジー中外製薬813
10デュピクセント自己免疫疾患サノフィ777
出典:調査会社エンサイス、【2023年国内医薬品売り上げトップ10】前年に続きオプジーボが首位、イミフィンジやフォシーガなど急成長アンサーズ

日本で2022年に最も高い売上を上げた医薬品は小野薬品工業のオプジーボですが、2位のMSDのキイトルーダとの差は僅差です。

医薬品トップ10の中で5品目がオンコロジー領域。これらすべてが免疫チェックポイント阻害薬です。

5位と6位に位置するイミフィンジとタグリッソはオンコロジー領域の治療薬で、いずれもアストラゼネカの医薬品で、2品で2000億以上の売上を上げています。

なお、このランキングでは、新型コロナウイルスワクチンと再生医療等の治療薬の売上は含んでいません。

なお、製薬会社の売上ランキングにも影響する主力製品の売上、国内での後期開発品の情報は別途記事「日本の製薬会社売上トップ10の主力製品と後期開発品」でまとめています。

世界の医薬品売上ランキングトップ10【2022年】

順位ブランド治療領域会社名売上(億ドル)
1ヒュミラ炎症性疾患アッヴィ349.66
2エリキュース循環器系疾患BMS
ファイザー
240.55
3キイトルーダオンコロジーメルク238.89
4オゼンピック糖尿病ノボノルディスク211.62
5ステラーラ炎症性疾患J&J179.36
6トルリシティ炎症性疾患イーライリリー171.94
7ジャディアンス糖尿病BI
イーライリリー
139.62
8ビクタルビ抗HIVギリアド134.76
9イグザレルト循環器系疾患バイエル129.41
10デュピクセント自己免疫疾患サノフィ
リジェネロン
100.62
出典:IQVIAデータ、2022年に世界で最も売れた薬は?アンサーズ

それでは世界ではどうでしょうか?

世界の医薬品ランキングトップ10に入る医薬品はすべてが100億ドル以上の売上を上げています。つまり為替の影響を受けますが円換算だと1兆円を軽く超える売上を全世界で上げていることになります。

日本のトップ10では5品目がオンコロジー、免疫チェックポイント阻害薬でしたが、世界のトップ10では、米メルクのキイトルーダのみがランキング入りしています。

世界で2022年最も高い売上を上げた医薬品はアッヴィのヒュミラで約350億ドルの売上を上げています。TNFαモノクローナル抗体であるヒュミラは、関節リウマチ、乾癬、強直性脊椎炎などの炎症性疾患を対象として長い間世界で最も売上の高い医薬品の地位を維持しています。

なお、ヒュミラの主要な特許は2016年に失効しています。しかしながら、アッヴィによるパテント対策もあり、米国では23年までバイオシミラーとの競争に直面はしません

特許対策は、製薬会社の大きな戦略です。ヒュミラを含め2023年には多くのブロックバスターが特許切れをむかえます。詳しくは、別記事「【2023年版】米国で特許切れの大型医薬品ランキングTOP10|ヒュミラだけではない!」を御覧ください。

日本国内の売上ランキング|日本市場での勢力図は?

次は、日本市場に限っての売上ランキングに注目しましょう。実は、日本市場の売上ランキングは、世界の売上ランキングとは異なります

例えば、世界ランクトップのファイザーは日本市場では販売会社ベース、販促会社ベースいずれのランキングトップ5にすら入ってきません。

まえだ
まえだ

日本市場のみに注目した製薬会社の勢力図。世界とは異なります。

なお、日本市場での売上ランキングには、IQVIA社が、医薬品市場統計として2種類のランキングが発表されています。

  • 【販売会社ベース】:製薬会社が卸に製品を販売し、卸から回収した金額
  • 【販促会社ベース】:販促会社が2社以上の場合オリジネーター企業に売上をまとめる

日本市場での2つの製薬会社売上ランキング比較

販売会社ベース
ランキング
会社名売上販促会社ベース
ランキング
会社名売上
武田薬品工業7401億4300万円中外製薬5323億5200万円
第一三共5866億6300万円武田薬品工業4976億3900万円
中外製薬5323億5200万円アストラゼネカ4544億6500万円
アストラゼネカ3902億7300万円第一三共4288億1900万円
MSD3779億5700万円ヤンセンファーマ4020億6200万円
出典:22年度 IQVIA医薬品市場統計

IQVIAが毎年発表している2つの国内売上ランキングを一つのテーブルにまとめました。ランキングにはかなりの違いがありますので比較してみてください。

なお、国内の売上データのランキングの見方とトップ10ランキングデータは、別記事「【徹底解説】製薬会社の販売力と製品力を明らかにするIQVIAの2つの国内売上ランキング」で詳しく解説しています。

販売会社レベルの売上ランキングでは、武田薬品工業がトップ、第一三共がそれに続き、3位に中外製薬が入っています。

実は、販売会社ベースのランキングは販売力の強い会社が有利です。武田薬品、第一三共といった日本の製薬会社のつよさが発揮されます。

一方で、販促会社ベースは、協力している販促会社の売上もオリジネーター(もしくはオリジネーターに近い会社)の売上に一括して計上します。そのため、販促会社ランキングでは製品力に強い会社が上位を示す傾向があります。

注目は、販売会社ベースでは3位、日本企業の売上高では5位の中外製薬が販促会社ランキングではトップとなり武田薬品工業を超えています。

中外製薬ロシュグループとしての充実した医薬品のパイプラインの強さを示した結果と言えます。

販促会社ベースの売上で強い外資系製薬会社がわかる

販促ベースの売上ランキングから日本市場で強い外資系製薬会社がわかります。

オリジナルの医薬品を保有する外資系製薬会社はパートナー会社と独自の営業力を通じて国内で販売する医薬品の売上が「販促ベースの売上」では反映されます。

そのため、販促ベースでの売上だと外資系製薬会社がランキングでも上位をしめます。

22年の売上ランキングでは、アストラゼネカ、MSD、ヤンセンファーマノバルティス、バイエル、ブリストル・マイヤーズスクイブと6社がトップ10に入っています。

以下は、販促ベースでの日本国内の外資系製薬会社のみをピックアップした売上ランキングトップ10です。

世界の売上ランキングと異なることも注目ですが、どの外資系製薬会社が日本市場において強いか?という質問には、販売力、製品力の総合力を反映するこのランキングが現状を表していると言えます。

国内ランキング会社名販促会社ベース国内売上
アストラゼネカ4544億6500万円
ヤンセンファーマ4020億6200万円
MSD3954億6000万円
ノバルティス3187億8900万円
バイエル薬品2929億8800万円
ブリストル・マイヤーズスクイブ2728億500万円
ファイザー2375億2300万円
日本イーライリリー2366億400万円
GSK2340億9700万円
10日本ベーリンガーインゲルハイム2195億6300万円
出典:22年度 IQVIA医薬品市場統計【販促会社レベル】

別途記事では、医薬品も含めて更に日本国内でつよい外資系製薬会社を解説しています。

別記事「外資系製薬会社の販促会社ベース売上比較|日本国内で本当に強い製薬会社は?」もご活用下さい。

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製薬業界の年収に関するランキング

日本の製薬業界を牽引する新薬大手の製薬会社は、就職先、転職先としても大変人気で、狭き門となっています。このような新薬大手の製薬会社にしぼって平均年収をランキングでまとめました。

製薬会社の年収どこがいい?|「新薬大手」平均年収ランキング

ランク会社名平均年収平均年齢勤続年数
中外製薬1,214万円43.4歳16.8年
第一三共1,112万円45.3歳20.3年
武田薬品工業1,097万円42.8歳14.0年
アステラス製薬1061万円42.4歳16.2年
エーザイ1,050万円43.6歳17.9年
大塚HD1,041万円43.6歳4.1年
小野薬品工業962万円43.5歳16.8年
あすか製薬958万円47.3歳21.0年
塩野義製薬910万円42.1歳16.5年
10住友ファーマ904万円43.8歳18.3年
ランク会社名平均年収平均年齢勤続年数
そーせいG1,344万円43.0歳2.9年
モダリス1,340万円47歳3.9年
ソレイジア・ファーマ1,310万円52.2歳5.5年
出典:アンサーズ

興味深いのがトップ3が、時価総額のトップ3と一緒ということです。また、売上トップの武田薬品工業は、平均年収のランキングでは3位となっています。

公表されている平均年収にあわせて、同様に公表の平均年齢、勤続年数もまとめています

製薬業界で最も平均年収が高い製薬会社は、これらの新薬大手ではなく、より小規模の創薬ベンチャー企業です。業界内の平均年収のトップ3も比較としてテーブル下部に入れています。ご参照ください。

年収は転職やキャリアップの参考とする情報としてとても重要です。一方で、年収だけで候補先を選ぶのは危険です。

年収以外の情報収集や製薬業界で実際に実績のある転職エージェントの活用も転職で失敗しないためには重要です。

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外資系製薬会社の年収はどこがいい?|国内大手外資系製薬会社の平均年収は?

国内ランキング会社名平均給与回答数平均年齢
アストラゼネカ787万円111人37.2歳
ヤンセンファーマ1083万円86人41.8歳
MSD932万円53人43.9歳
ノバルティス975万円113人42.2歳
バイエル薬品964万円94人41.9歳
ブリストル900万円77人40.3歳
ファイザー1069万円19人46.3歳
日本イーライリリー862万円126人38.7歳
GSK975万円56人44.7歳
10日本ベーリンガーインゲルハイム900万円75人38.9歳
参考アッヴィ946万円41人39.1歳
出典:22年度 IQVIA医薬品市場統計【販促会社レベル】、平均年収はライトハウスの口コミデータ 平均年齢は回答をした人の平均年齢

国内売上外資系トップ10の中で平均給与が最も高いのがヤンセンファーマです。ヤンセンファーマは、国内の販促会社ベースの売上で外資系製薬会社の中で2位にランクインしています。

一方で、1000万円を超えているもう1社がファイザーです。ファイザーは、日本において販促会社ベースの売上で総合で10位、外資系製薬会社では7位の位置にいます。

ファイザーのランキングから見る平均給与は他のランキング企業に比べるでも相対的に高いと言えます。

外資系製薬会社は国際的な競争において高い地位にあります。このグローバルな競争環境では、優秀な人材を引きつけ、維持するために高水準の給与を提供する必要があります。

国際的な市場で競争するためには、高度なスキルや経験を持つ従業員が不可欠です。

外資系製薬会社は多国籍であり、異なる国や地域でのビジネス展開をしています。異なる文化や法制度に対応できる人材を確保するためには、高い給与が必要なことから給与水準も高いと考えられます。

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製薬業界役員報酬トップ10|日本国内

ランク氏名報酬会社名役職年齢国内順位
クリストファー・ウェバー17億2300万円武田薬品工業CEO56歳4位
アンドリュー・プランプ9億7300万円武田薬品工業取締役57歳12位
コスタ・サルウコス6億9100万円武田薬品工業CFO52歳24位
安川 健司4億5200万円アステラス製薬会長63歳60位
眞鍋 淳4億200万円第一三共会長69歳76位
田村 眞一3億3200万円そーせいG会長73歳114位
奥田 修2億9900万円中外製薬社長60歳141位
手代木 功2億9200万円塩野義製薬社長63歳151位
クリス・カーギル2億9200万円そーせいG社長39歳151位
10樋口 達夫2億8400万円大塚HD社長73歳161位
出典:東洋経済ONLINE「年収1億円超」の上場企業役員ランキングTOP500」(国内順位は、上場企業役員ランキングでの順位)

日本の上場企業役員の役員報酬は公開されています。実は、2億円以上の報酬を得ている人は200人以上います。

その中から、製薬会社にしぼって役員報酬額トップ10をランキングにまとめました。

役員報酬のランキングでは、武田薬品工業の3名がトップ3でもあり金額も突出しています。

武田薬品工業のCEOであるクリストファー・ウェバー氏の役員報酬は17億円強と大きく2位を引き離していますが、この報酬金額は日本全体のランキングでも4位と高いランクに位置します。

そのほか、トップ10に入る方々ですが、さすがに、日本国内の製薬トップ企業の社長、会長レベルの方々ばかりですね。

なお、規模的にも更に大きな会社がある世界の製薬業界ですが、世界で最も年収が高いのがファイザーCEOである「アルバート・ブーラ氏」です。

ブーラ氏の2022年のベースサラリーは、$173万ドル(約2億5950万円)ですが、ボーナス、株式などの報酬が加わり総額で3,300万ドル(約50億円)もの報酬に跳ね上がります。上には上がいるものです。(出典:Salary.comから)

海外市場調査会社発表のデータで見る製薬業界

製薬業界を研究するデータとして、海外の市場調査会社が発表している情報も活用ができます。

その中でも製薬会社の方々も興味がある内容のまとめ記事をご紹介致します。

2023年「注目するべき医薬品15選」|クラリベイト発表

医薬品名開発会社疾患名作用機序
ビメキズマブ
Bimekizumab (BIMZELX®)
UCB中等度から重度の乾癬IL-17A/Fの双方を抑制する最初の医薬品
カピバセルチブ
Capivasertib (AZD5363)
アストラゼネカ乳がんAKTキナーゼの阻害剤
ダプロデュスタット Daprodustat (GSK1278863/Duvroq)GSK慢性腎臓病関連の貧血HIF-PHI
デュークラバシチニブ Deucravacitinib (SOTYKTU™/BMS-986165)BMS乾癬TYK2の選択的阻害剤
ヴィアレブ Foscarbidopa/foslevodopa (ABBV-951)アッヴィ進行性パーキンソン病カルビドパ/レボドパの新しい投与法
レカネマブ
LEQEMBI™ (BAN2401)
エーザイ
バイオジェン
早期アルツハイマー病Aβモノクローナル抗体
ドナネマブ
Donanemab (LY-3002813)
イーライリリー早期アルツハイマー病Aβモノクローナル抗体
Lenacapavir (Sunlenca®/GS-6207)ギリアドHIV感染症HIVカプシド阻害剤
ミリキズマブ
Mirikizumab (LY-3074828)
イーライリリー潰瘍性大腸炎、クローン病IL-23のp19サブユニットを標的とするモノクローナル抗体
Pegcetacoplan (EMPAVELI®/ASPAVELI®/APL-2)アペリスファーマシューティカルズ非典型的溶血性貧血、地理的萎縮C3変換酵素阻害剤
リトレシチニブ Ritlecitinib (PF-06651600)ファイザー脱毛症JAK阻害剤
スパルセンタン
Sparsentan
Travere TherapeuticsIgA腎症、FSGSETAとAT1の二重アンタゴニスト
テクリスタマブ
Teclistamab
ヤンセンファーマ多発性骨髄腫B細胞成熟抗原(BCMA)に結合して、腫瘍細胞を認識・攻撃
テプリズマブ
Teplizumab
プロヴェンション・バイオ1型糖尿病抗CD3モノクローナル抗体
ロクタビアン
Roctavian, Valoctocogene roxaparvovec
バイオマリン血友病AファクターVIIIの遺伝子を欠損している患者に対して、ファクターVIIIを生産するための正常な遺伝子を導入
出典;クラリベイト

クラリベイトが毎年発表している「注目するべき医薬品」(Drugs to Watch) は、今後数年をふくめ将来の製薬・医薬品業界に影響を及ぼす開発品を発表しています。

2023年米国で特許切れの大型医薬品」トップ10

医薬品名疾患会社US Sales 2022Entry of Generic/Biosimilar
ヒュミラ Humira (adalimumab)関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、クローン病、乾癬アッヴィ186.2億2023年1月
ステラーラ Stelara (ustekinumab)乾癬、乾癬性関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎J&J63.9億2023年下半期
ビバンセ Vyvanse (lisdexamfetamine)注意欠陥多動性障害武田薬品工業25.3億2023年8月
オーバジオ Aubagio (teriflunomide)多発性硬化症サノフィ15億2023年3月
アクテムラ Actemra (tocilizumab)関節リウマチ、巨細胞性動脈炎、若年性特発性関節炎、サイトカイン放出症候群、COVID-19ロシュ12億2023年下半期
Xyrem (sodium oxybate)ナルコレプシーJAZZ10.2億2023年1月3日
シムビコート Symbicort (budesonide/formoterol)喘息、慢性閉塞性肺疾患アストラゼネカ9.73億2023年7月
レキスキャン Lexiscan (regadenoson)心機能検査補助剤アステラス製薬
ギリアド
7.2億2023年中
レベスティブ Gattex (teduglutide)短腸症候群武田薬品工業5.4億2023年3月
トピラマート Trokendi XR (topiramate)癲癇、片頭痛予防Supernus2.61億2023年1月
出典:Fierce Pharma

2023年、アメリカで特許切れとなる注目の医薬品TOP10をまとめています。

ランキングでみる製薬業界まとめ

製薬業界がよくわかるランキング情報をまとめましたがいかがでしょうか?

世界の製薬会社、日本の製薬会社の売上ランキングからはそれぞれのトッププレーヤーを売上ベースでランキングと売上高をまとめています。

日本の製薬会社、日本市場に関してはさらに詳細なランキング情報も提供しました。

売上ランキングのみならず、時価総額や年収、そして役員報酬のランキングなどは更なる業界の理解をサポートします。

外資系企業の日本法人の売上も市場での比重は高く、存在感を増しています。ランキングに合わせて売上高も関心が高いことでしょう。

海外の市場調査会社ではさらに異なるアングルでランキング情報やデータも発表しておりますので、これらの情報も製薬業界を知る上でご利用いただけましたら幸いです。

世界と日本の製薬業界に関するランキング情報をまとめてみましたので、業界の更なる理解にご活用ください。

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