IQVIAの医薬品市場統計の国内売上ランキングトップ10でみる国内の本当の勢力図|外資系製薬会社を含む

国内市場ランキング、このような声を聞きます

  • IQVIAの医薬品市場統計をしっかり理解したい
  • 販売会社別と販促会社別売上、なぜ2つある?
  • 国内市場で本当に強い会社はIQVIAの医薬品市場統計でわかる?

製薬業界独特の販売方法と流通経路から、国内の売上データには「販売会社ベース」と「販促会社ベース」の2種類あります。

2つの売上を比較することでで、製薬会社の日本市場での本当に強い会社を理解することが出来ます。

この記事では、国内市場売上ランキングを発表するIQVIA社の医薬品市場統計の収集方法と売上情報がなぜ2つあるのか理由を解説します。

MRをはじめとした国内市場での活動が求められる職種への就職や転職を考える方々にとって、製薬会社の国内市場でのポジションや競争力を正確に把握するための重要な情報源として活用してください。

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IQVIAの医薬品市場統計データの理解:独特の販売方法と流通経路

国内の医薬品の売上、IQVIAの医薬品市場統計では、以下2つのデータを提供します。このデータが国内ランキングの元データとなります。

  • 販売会社ベースの売上
  • 販促会社ベースの売上

なお、決算発表に基づく売上ランキングは、決算報告の売上をもとにしているため、国内の売り上げランキングとは情報源もランキングも異なっています。

販売会社ベースの売り上げ

販売会社ベースの売上は、IQVIA医薬品市場統計のカテゴリーでは「Distributor」に分類され、医薬品の流通を理解することでわかります

日本国内の医薬品は、医薬品卸業者から病院や薬局といった医療機関を通じて患者さんに届けられます

医薬品卸業者は、医療機関から代金を得て、医薬品を納入した販売会社へ代金を支払います。

製薬会社は医薬品卸業者から納入した医薬品の売上をまとめて回収、それぞれの製薬会社が卸業者から支払われた金額が「販売会社の売上」です。

販促会社ベースの売上

一方、販促会社ベースの売上は、製薬業界の独特の医薬品の販促方法の理解が必要です。

医薬品は、複数の会社が共同で販売促進をするケースが多くあります。

COMPANY1は、医薬品の開発や承認申請、製造の権利をもち、医薬品のオリジネーターまたはオリジネーターに近い位置にいます。

その他の販促提携会社は、COMPANY 1と、マーケティングやプロモーションで他の製薬会社と提携「販促のサポート」をします。

「販促会社ベースの売上」は、販促のサポートをする会社の売上も含めて、すべて「COMAPANY1」の売上として計上します。

医薬品の売上が1社にまとめられることで個々の医薬品の売上を的確に把握が可能です。

それでは、2つの売上ランキングを見てみましょう。

販売会社ベースの売上ランキング

ランク会社名国内売上販促ベース順位世界ランク内資系ランク
武田薬品工業7401億4300万円11
第一三共5866億6300万円25
中外製薬5323億5200万円2(ロシュ)
アストラゼネカ3902億7300万円
MSD3779億5700万円
小野薬品工業3449億4500万円11
大塚製薬3442億8000万円22
田辺三菱製薬3366億8300万円17
アステラス製薬3263億7400万円1523
10ファイザー2914億400万円12
出典:22年度 IQVIA医薬品市場統計

この表では販売会社ベースのランキングに加え、販促会社ベース、製薬会社の売上高ランキングも比較対象として掲載します。

日本の製薬会社の占める割合が高い

販促ベースと比較すると、販売会社ベースのランキングでは、日本の製薬企業が多いことがわかります。販促ベースでは4社のところ販売会社ベースでは7社が日本の製薬会社です。

日本の製薬会社は、国内で広く販売網を有し、MRの数も多い特徴が反映されています。

製薬会社ベースの売上ランキングでは、国内での「営業力が強い」日本企業が上位を占めています。

日本の売上高ランキングとの相関性

日本の製薬会社の売上高のランキングと比較します。

販売会社ランキングと日本の製薬会社の総売上のランキングには相関性が見られます。

ランキング上下の違いはあるものの、日本の製薬会社の売上高上位の企業が、販売会社ベースのランキングでもトップ10に入っています

なお、海外での売上比率が高い売上高2位の大塚ホールディングスと3位のアステラス製薬はトップ10には入っているものの、国内の販売会社ベースランキングの順位は下位に位置しています。

販売会社ベースのランキングでは外資系企業の存在感は薄い

グローバル大手の外資系製薬会社はどうでしょうか?

全世界での売上高ランキング9位のアストラゼネカがランキング4位と検討していますが、5位にMSD、10位にファイザーとトップ10には3社のみと販売会社ランキングでは外資系製薬会社の存在感は薄いと言えます。

なお、政府買い取りの新型コロナ関連の医薬品、ワクチンは卸を通さないのでIQVIAの国内売上データには含まれていません。新型コロナ関連の医薬品も公定薬価がつき、通常の流通が開始された場合には、IQVIAのデータにも反映されます。

ただし、世界ランキングトップ3にはいるロシュはグループ会社の中外製薬が、販売会社ベースでも3位と高い位置を示しています。

販促会社ベースの売上ランキング

ランク会社名国内売上販売ベース順位世界ランク内資系ランク
中外製薬5323億5200万円2(ロシュ)
武田薬品工業4976億3900万円11
アストラゼネカ4544億6500万円
第一三共4288億1900万円25
ヤンセンファーマ4020億6200万円12
MSD3954億6000万円
大塚製薬3227億6500万円22
ノバルティス3187億8900万円11
バイエル薬品2929億8800万円1917
10ブリストル2728億400万円
出典:22年度 IQVIA医薬品市場統計

販促会社ベースの売上ランキングを見てみましょう。

このランキングでも、日本と世界の売上高、日本国内の販売会社ベースの売上ランキングも掲載をしています。

日本の総売上高ランキングでは5位の中外製薬が1位

日本の売上高ランキングと比較します。

際立っているのが販促会社ベースでトップの中外製薬。日本企業の総売上ランキングでは、1兆円は超えるものの全体では5位です。

中外製薬自身の自社品の開発力に加え、ロシュグループとして、ロシュ、ジェネティックの開発した医薬品を日本での販売する権利を最優先で保有することが大きく貢献しています。

ロシュグループとして、日本市場は、グループの医薬品の開発力を中外製薬に集中、中外製薬は、グループ全体の開発力と日本国内の強い営業力が支えています。

さらに中外製薬は、日本のトップ企業が挑戦し続けている海外市場での販売拡大への注力は最小限で済みます

グループとしての製品力を日本市場において中外製薬が生かすという好循環によって販促会社ベースで1位という結果に繋がっています。

製品力が強く反映される販促会社ベースの売上

販促会社ベースの売上は、複数の会社で販売をしていてもすべてがオリジネーターの売上として計上されます。

販促会社ベースの売上ランキング上位の製薬会社は販売力に加えて製品力で強い会社であると言えます。

具体的に、販売会社のランキングと比較して順位を上げている会社をピックアップしてみます。

  • 中外製薬 3位 → 1位
  • アストラゼネカ 4位 → 3位
  • ヤンセンファーマ 12位 → 5位
  • ノバルティス 11位 → 8位
  • バイエル薬品 19位 → 9位
  • BMS ランク外 → 10位

販売会社ベースのランキングより販促会社で順位を上げている会社は多くが外資系製薬企業となります。

一方で、国内での販売力が強いものの、製品力が相対的に弱い製薬会社はランクを落としている傾向も無視はできません。

世界のトップランキング企業の存在感が際立つ

国内の販促会社ベースのランキングトップ10の中の5社がグローバルでの売上高トップ10の製薬会社、中外製薬をロシュグループとして見た場合には、10社中6社が日本国内の販促会社ベースでのトップ10に入っています。

販促会社ベースのランキングと世界の製薬会社売上高ランキングをまとめてみます。カッコ内は22年度の世界の売り上げランキングです。

  • 1位 中外 ロシュグループ(2位)
  • 3位 アストラゼネカ(9位)
  • 5位 ヤンセンファーマ(5位)
  • 6位 MSD(3位)
  • 8位 ノバルティス(6位)
  • 9位 ブリストル(7位)

販促ベースの売上ランキングですが、世界のトップ企業の日本国内での製品力も反映されていると言えます。

なお、武田薬品は国内の販促会社ベースでは2位ですが、世界の売上高では11位とわずかに世界ではトップ10入はしていません。

ファイザーは、世界ではトップ10入り(コロナ関連を含むと1位) をしていますが、国内の販促会社ベースでは11位です。

なお、国内の売上データはコロナ関連の売上は含んでおりません。

また、世界の売上高のランキング8位のサノフィは国内で18位、10位のGSKは14位とあまり存在感を示せていません。

なお、世界4位のアッヴィはIQVIAの売上ランキングではデータも含めて掲載がありませんでした。

国内の売上ランキングでよくある質問

新型コロナワクチンのワクチンや治療薬は含まれていますか?

含まれていません。

IQVIAのデータは卸業者からのデータをソースとしているからです。

政府一括購入対象の医薬品は、卸業者を通さないためこの記事で取り上げている売上データには新型コロナ関連の売上は含まれていません。

日本国内の売上と会社発表の売上とは異なりますか?

決算時の会社発表の売上が売上高のランキングのデータソースです。医薬品の売上に加えて、販売提携によるマージンやロイヤリティの収入や支払いも入っています。

国内の医薬品の売上を見たい場合には、IQVIAの売上データがより正確な数値と言えます。国内での販売された医薬品の売上とは異なります。

国内の医薬品の売上のデータを提供しているIQVIA社とはどのような会社ですか?

IQVIA社は、ヘルスケア業界むけに、医薬品や医療機器の開発からマーケティング、販売、製造販売後までのライフサイクル全般を支援しています。

1982年にアメリカで創業、2016年にCRO、CSOのQuintiles社と調査会社IMS Health社が合併、IQVIA社が誕生しました。2017年に社名およびブランドがIQVIAに変更され、日本法人も2018年にIQVIAサービシーズ ジャパン株式会社へと社名が変更されています。

IQVIA社は、医薬品・医療機器の臨床試験、承認申請・審査、営業・マーケティング、製造販売後の調査まで医薬品業界向けにサービスを提供しています。市場データ、コンサルティング&サービス、医療機関・保険者向けソリューション、テクノロジー、CSO事業などがあります。

また、定期的に日本市場での売上データを提供する医薬品市場統計も公表しています。詳しくはIQVIA社のホームページをご参照ください。IQVIAジャパン公式ページはこちら>>

日本国内の売上ランキングの解説のまとめ

日本国内の製薬会社の2つある売上ランキングに関して、なぜ2つあるのかと、そのデータ収集方法、それぞれのランキングから読み取ることが出来る意味を解説しました。

IQVIAが毎年発表する日本国内の製薬会社の売上ランキングには、製薬会社ベースと販促会社ベースがあります。

販売会社ベースは、製薬会社から卸業者に納入された医薬品の代金をまとめた金額で、販売力が強い会社がより高い売上になる傾向があります。

一方で販促会社ベースは、複数の会社で共同で販売する場合、オリジネーターにより近い会社に売上が計上されるため、自社開発もしくは導入によって日本市場での製造や販売の権利をもり製品力の強い会社の売上がより高くなります。

販売会社ベースでのトップは武田薬品工業ですが、販促会社ベースでは中外製薬がランキングトップとなります。これは、中外製薬の国内での販売力に加えて、自社開発品とロシュグループとして権利を有する医薬品の製品力の両方による強さを反映しています。

なお、販促会社ベースのランキングでは、外資系企業が10社中6社を占めています。中外製薬とロシュとの提携状況をみると販促会社ベースでの外資系製薬企業の日本市場における製品力の競争力はこのランキングからも際立ってわかると言えます。

今回の記事では、2つある国内のランキング情報の違いの理由とその2つのランキングからわかる日本国内の製薬市場の解説をしました。これら2つの国内の製薬企業のランキングはそれぞれの会社の総売上のランキングとは異なっています。

MRををはじめ、製薬会社の転職、就職で、国内市場に関わる業種を検討している方は、国内市場での製薬会社の勢力図を外資系企業も含めて勢力図を検討することは重要です。

なお、国内市場の外資系のみに特化した売上ランキングに関する解説は別途記事で紹介する予定です。

  • コメント: 1
    • 中外製薬は外資系です、内資系ではありません

    中外製薬が会社のHPで自身を以下のように回答して自らを外資と説明していることがすべてです。
    どうか読者を混乱させないよう、お願いいたします。

    Q4 社名は漢字だけど外資系なの?
    2002年にスイスのロシュ社と戦略的アライアンスをスタートし、外資になりました。
    https://www.chugai-pharm.co.jp/profile/overview/whatkind/index.html

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