Konovoは、20万人を超える患者・家族介護者が登録するパネルを利用できる医療市場調査会社です。対象は9カ国、希少疾患を含む1,500以上の疾患に及びます。
この患者パネルが加わったのは、2026年2月3日に発表されたRare Patient Voiceの買収によるものです。患者本人だけでなく、日常生活や治療を支える家族介護者にも接触できるため、募集が難しい希少疾患の患者経験や治療実態を調査できます。
Konovoは患者パネルに加え、医療従事者パネル、AIを活用した調査基盤、専門スタッフによる支援を組み合わせています。会社とサービスの全体像は「Konovoとは?AIと医師・患者パネルで実現する海外市場調査」で確認できます。
本記事では、Konovoの患者・介護者パネルについて、対象疾患、対応国、調査方法、活用事例、依頼前に確認すべき条件を公表情報に沿って解説します。
- 患者・家族介護者パネルは20万人超
- 希少疾患を含む1,500以上の疾患に対応
- 定量調査、定性調査、参加者募集に利用可能
- 調査条件によって実施可能人数と費用は異なる
Konovoの患者・介護者パネルの特徴
Konovoの患者パネルの特徴は、登録者数だけではありません。希少疾患を含む幅広い患者と家族介護者に接触でき、オンライン定量調査、インタビュー、患者日誌、臨床試験の参加者募集など、複数の方法に対応できる点にあります。
この調査基盤は、Konovoが2026年2月にRare Patient Voiceを買収したことで加わりました。公表時点の規模は、9カ国、20万人超、1,500疾患以上です。
Konovoの前身はApollo Intelligenceであり、2025年4月には傘下のInCrowd、Survey Healthcare Global、GlocalMindを単一ブランドへ統合しました。その後、Rare Patient Voiceが加わったことで、医療従事者と患者・介護者の双方を対象にできる範囲が広がっています。社名変更と事業統合の経緯は「Apollo IntelligenceからKonovoへの社名変更とグループ統合」で解説しています。
希少疾患や複雑な病態の患者へ接触できる
患者パネルの大きな特徴は、通常の募集方法では候補者を集めにくい希少疾患や複雑な病態の患者に接触できることです。Rare Patient Voiceは2013年から患者リクルートを手がけ、世界で1万件を超えるプロジェクトを支援したと説明しています。
対象には希少疾患のほか、がん、神経疾患、自己免疫疾患、慢性疾患などが含まれます。疾患横断の大規模調査だけでなく、特定の診断歴、治療歴、年齢などを条件とする調査にも利用できる可能性があります。
これにより、患者数の少なさが障壁となりやすい治療実態調査、ペイシェントジャーニー調査、アンメットニーズの把握などで、候補者探索の選択肢が広がります。ただし、1,500以上の疾患に対応していても、希望条件を満たす患者を必ず確保できるとは限りません。案件ごとに実施可能性の確認が必要です。
(出典:Konovo「Rare Patient Voice買収発表」)
患者本人だけでなく家族介護者も調査対象
パネルには患者本人だけでなく、日常生活や治療を支える家族介護者も登録されています。患者本人への調査だけでは把握しにくい生活上の負担、通院や服薬の支援、治療の意思決定における家族の関与を調べる際に役立ちます。
特に小児疾患、認知機能に影響する疾患、症状が重い疾患では、患者本人が長時間の調査に参加できない場合があります。家族介護者を対象に含めれば、受診までの経緯、日常生活への影響、介護時間、治療継続を妨げる要因などを補足できます。
患者本人と家族介護者の双方へ調査する場合は、それぞれの回答を混同しない設計が重要です。本人が経験した症状や感情と、介護者が観察した変化や負担を分けて質問することで、立場による認識の差を把握できます。
医療従事者の見解と組み合わせた調査も可能
Konovoは、患者・介護者とは別に約200万人の認証済み医療従事者基盤を公表しています。患者の治療経験と医師の認識を同じテーマで調べれば、治療負担、情報提供、治療選択などにおける両者の認識差を確認できます。
ただし、約200万人は医師だけではなく、薬剤師、看護職、病院管理者などを含む医療従事者全体の規模です。対象職種や認証方法については「Konovoの医師・KOLパネルと品質管理」をご覧ください。
定量調査からインタビュー、参加者募集まで対応
患者パネルの用途は、オンラインアンケートだけではありません。Rare Patient Voiceは、市場調査、医療経済・アウトカム研究、リアルワールドエビデンス、ユーザー体験・ヒューマンファクター研究、臨床試験の参加者募集に対応しています。
Konovoが公表した事例では、個別インタビュー、フォーカスグループ、患者日誌、訪問型調査も実施されています。一定数の回答を集める定量調査と、治療経験を詳しく聞く定性調査を目的に応じて使い分けられます。
Konovo患者パネルの主な特徴
- 9カ国で20万人を超える患者・家族介護者
- 希少疾患を含む1,500以上の疾患に対応
- 患者本人と家族介護者を分けた調査が可能
- 定量調査、定性調査、参加者募集に対応
Konovoの患者パネルを活用した調査事例
Konovoの患者パネルは、患者を集めるためだけの名簿ではありません。治療生活の把握、患者向け資材の評価、製品・サービスの改善など、製薬企業が意思決定に必要な情報を得るために活用されています。
ファブリー病患者の生活と治療経験を調査
希少疾患では、患者数が少ないうえ、患者の体調や治療スケジュールを優先しながら調査を進める必要があります。Konovoは英国のファブリー病患者19人を対象に、生活と治療経験を調べました。
調査では、点滴治療後の自宅インタビュー、複数段階のオンライン調査、電話による追加確認を組み合わせています。目的は、診断から治療までの経過、点滴治療の経験、治療への認識、患者が必要とする支援を明らかにすることです。
募集では患者団体との連携や紹介を活用し、インタビューの日程も点滴治療に合わせて設定されました。候補者を集めるだけでなく、患者が無理なく参加できる方法へ調査設計を合わせた事例です。
患者向けウェブサイトを公開前に評価
患者パネルは、医薬品の患者向けウェブサイトや情報提供資材の評価にも使われています。
あるグローバル製薬企業の事例では、同社製品を処方されている米国患者20人に45分間のオンラインインタビューを実施しました。複数ブランドのウェブサイトを刷新する前に、デザインや表現が患者からどのように受け取られるかを確認することが目的です。
調査の結果、予定していたテーマと言葉遣いがブランドへの印象を損なう可能性が示され、企業はウェブサイトとキャンペーンの方向を変更しました。公開前に患者の評価を確認し、手戻りを防いだ事例といえます。
患者100人と医療従事者315人の調査を7日間で完了
女性疾患を対象とした事例では、患者100人と医療従事者315人への調査を7日間で完了しました。依頼企業が求めていた期間は10日間で、本調査の実査は3日間だったとKonovoは説明しています。
この事例では、対象者の募集だけでなく、事前テスト、試験配信、調査票の実装、技術対応まで一括して実施されました。患者側の評価に加え、治療を提供する医療従事者との認識差を調べたい場合にも利用できます。
ただし、この日数がすべての患者調査に当てはまるわけではありません。疾患、対象条件、回答数、質問数、調査方法によって期間は変わります。調査を早く進められる仕組みと注意点は「Konovoの市場調査が早い理由と調査期間の考え方」で確認できます。
幅広い疾患と調査手法の事例を公表
Konovoが公表した患者・介護者向け調査には、思春期の肥満、1型糖尿病、乾癬、COPD、がん、希少自己免疫疾患などの事例があります。実施国は米国、オーストラリア、アラブ首長国連邦、ブラジル、カナダ、イタリアなどです。
調査方法も、対面インタビュー、オンライン個別インタビュー、エスノグラフィー、フォーカスグループ、患者日誌と幅があります。単純な認知度調査に限らず、患者の生活、治療経過、感情、情報ニーズまで掘り下げる調査に利用されています。
患者パネルで調査できる主なテーマ
- 診断から治療までの患者経路
- 治療や投薬に伴う生活上の負担
- 患者と家族介護者の情報ニーズ
- 患者向けウェブサイトや資材の評価
- 医療機器や投与方法の使いやすさ
- 治療に対する認識や継続上の課題
Konovoへ患者調査を依頼する方法と確認事項
Konovoでは、対象者の募集だけでなく、調査設計、翻訳、実査管理、データ処理、分析なども依頼できます。調査基盤のIntelligent Platform、対象者を選定するCustom Audiences、専門スタッフが支援するStrategy & Servicesを目的に応じて組み合わせる仕組みです。
自社で調査票や分析を用意し、患者募集だけを依頼する方法もあります。各機能の役割と依頼できる範囲は「Konovoを支える3つの機能と活用ポイント」で解説しています。
疾患・対象国・参加条件を明確にする
患者調査の費用は一律ではありません。対象疾患、国、患者と介護者の内訳、年齢、診断歴、治療歴、必要人数、調査時間、実施方法によって、募集の難しさと費用が変わるためです。
- 対象となる疾患と国
- 患者本人と家族介護者の内訳
- 年齢、診断歴、治療歴などの参加条件
- 必要人数
- アンケート、インタビューなどの調査方法
- 調査時間と希望する実施時期
- 翻訳、分析、報告書などの依頼範囲
調査票が完成していない段階でも、疾患名、対象国、必要人数、予定する調査方法を伝えれば、対象者を集められるか先に確認できます。
公開情報だけで判断せず見積もりと対応を比較する
Konovoは法人向けサービスのため、第三者サイトに投稿された利用企業の口コミは限られています。公式サイトの顧客コメントは担当者の対応を知る材料になりますが、患者の確保可能数、費用、納期は自社案件の条件を提示しなければ判断できません。
公開されている評価と見積もり時の注意点は「Konovoの口コミ・評判と依頼前の確認ポイント」にまとめています。ほかの調査会社と比較する場合は、同じ対象条件、人数、調査方法、成果物を提示しましょう。
希少疾患を含む患者・介護者調査について、実施可能人数、調査方法、想定期間、概算費用を確認したい場合は、Konovoの患者調査について日本語で無料相談することができます。
まとめ:Konovoの患者・介護者パネルは希少疾患を含む1,500疾患以上に対応
KonovoはRare Patient Voiceの買収により、9カ国、20万人を超える患者・家族介護者パネルを調査基盤に加えました。対象は希少疾患と非希少疾患を合わせて1,500疾患以上です。
患者を募集できるだけでなく、患者経路や治療負担の把握、患者向けウェブサイトの評価、医療機器の使いやすさ、情報ニーズの確認など、製品開発から市販後まで幅広い目的に活用されています。
患者本人に加えて家族介護者を対象にできるため、小児疾患や患者本人への長時間の調査が難しい疾患でも、家族から治療・介護の実態を補足できます。一方、実施可能性は、疾患、対象国、年齢、診断歴、治療歴、必要人数、調査方法によって変わります。
患者パネルに加え、医療従事者パネル、AIを活用した調査基盤、専門スタッフによる支援を含む全体像は「Konovoとは?医療市場調査の特徴・サービス・相談方法」で確認できます。
自社の条件に合う患者・介護者を確保できるか確認したい場合は、Konovoの患者調査について日本語で見積もりを依頼できます。
