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BMSとChai DiscoveryがAI創薬で提携、抗体候補の設計と探索に高度な分子モデルを活用

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Chai Discoveryは2026年8月19日、Bristol Myers Squibb(BMS)と、人工知能を活用した治療用抗体の創薬で提携したと発表しました。

BMSはChaiの分子構造予測モデルと分子設計モデルを利用し、自社ポートフォリオに含まれる抗体候補の探索を進めます。

今回の発表では、特定の疾患や創薬標的に限定した共同研究ではなく、BMSの複数の抗体創薬プログラムを支援する枠組みが示されました。ただし、対象疾患、抗体プログラム数、契約金額、研究期間などは公表されていません。

  • BMSとChai Discoveryの提携内容
  • 抗体候補の探索に利用するAIモデル
  • BMSが構築する継続学習型の創薬基盤
  • 2026年に相次ぐChaiの製薬企業との提携

BMSとChai DiscoveryのAI創薬提携で発表された抗体探索の協業内容

BMSとChai DiscoveryによるAI抗体創薬をイメージした分子構造モデル
AIを活用した抗体候補の分子設計をイメージした分子構造モデル

今回の提携では、BMSがChaiのAIモデルと創薬基盤を抗体候補の探索に導入します。Chaiが分子の構造と相互作用を予測し、指定された性質を持つ候補を設計する一方、BMSは治療領域や抗体創薬に関する知見を提供します。

BMSがChaiのAIモデルを複数の抗体創薬プログラムに導入

BMSは、Chaiの技術を自社ポートフォリオに含まれる抗体創薬プログラムへ展開します。発表では単一の標的に限定されておらず、複数のプログラムを横断して抗体候補の探索を支援する内容です。

Chaiの共同創業者兼CEOであるJoshua Meier氏は、同社のAIモデルとBMSの治療領域における専門知識を組み合わせ、創薬コンセプトから実用化可能な治療薬候補までの期間短縮を目指すと説明しました。

分子構造予測と分子設計を活用して特定の性質を持つ抗体候補を生成

Chaiの創薬基盤には、タンパク質などの立体構造を予測する分子フォールディングモデルと、新たな分子を生成する設計モデルが含まれます。

同社によると、AIで分子間相互作用を予測・再設計し、結合性や機能などの条件に沿った生体分子を生成できます。

これにより、既存候補を選別するだけでなく、目的とする性質を持つ抗体候補を設計段階から作り出すことを目指します。また、従来の探索手法では候補創出が難しかった標的も対象に含める方針です。

ただし、AIが生成した候補の性能は、結合性、選択性、活性、安定性、製造可能性などを実験で確認する必要があります。

今回の発表は探索段階の提携であり、具体的な候補品の前臨床開発への移行を発表したものではありません。

今回の提携のポイントは、ChaiのAI技術を個別の研究案件だけに使うのではなく、BMSの抗体創薬ポートフォリオを支える基盤として利用する点です。

対象疾患や創薬標的、契約金額などの詳細は公表せず

ChaiとBMSは、対象疾患、創薬標的、抗体プログラム数、候補品の権利配分を開示していません。契約一時金、研究費、開発・承認マイルストーン、売上高に応じたロイヤルティーなどの金銭的条件も公表されていない状況です。

発表されたのは抗体候補の探索に関する協業です。具体的な候補品の選定、前臨床試験への移行、臨床試験の開始が決定したとの情報は含まれていません。

今後は、標的や対象疾患の開示に加え、AIが生成した抗体候補の実験結果と開発移行の有無が確認事項になります(出典:Chai DiscoveryによるBMSとの提携発表)。

BMSとChaiのAI創薬提携が示す2026年の製薬業界の提携動向

今回の協業は、BMSによるAI創薬基盤への投資と、Chaiによる製薬大手との提携拡大が重なったものです。

2026年は、AIモデルへのアクセス提供だけでなく、製薬会社の研究データや実験工程と接続する提携が相次いでいます。

BMSは実験結果を継続的に学習するAI創薬システムの構築を推進

BMSはChaiとの提携を通じて、実験結果を次の予測や分子設計に反映する、継続学習型の創薬システムを構築します。

候補分子を生成するだけでなく、研究サイクル全体でデータを蓄積し、次の判断に利用する構想です。

BMSは2026年7月、NVIDIAの計算基盤を拡充し、自社の研究データを用いた基盤モデルやAIエージェントの開発を進める方針を発表しました。

同社によると、AIによる予測を実験設計より先に行う手法を、すべての低分子プログラムと大半の高分子プログラムに導入しています(出典:BMSによるAI計算基盤の拡充発表)。

ChaiはEli LillyやPfizerなど大手製薬会社との提携を相次ぎ拡大

Chaiは2026年初め、Eli Lillyと初期創薬・医薬品開発向けの専用AIモデルを構築する提携を開始しました。

その後、Pfizer、Novartis、argenxも、最新モデルChai-3へのアクセスを取得しています。

Chai-3は、前世代のChai-2から抗体設計機能を更新したモデルです。

同社は成功率がChai-2の2倍に向上したと説明しています。ただし、この数値はモデル性能に関するChai側の説明であり、BMSとの協業から生まれる候補品の有効性や開発成功率を示すものではありません。

Chaiは4億ドルの資金調達も実施しており、製薬企業との提携拡大と技術開発を並行して進めています。関連するAI創薬企業の動向は、Beyang TherapeuticsのAI創薬と資金調達でも紹介しています。

AIによる抗体設計から実験検証と候補品創出へ競争の焦点が移行

2026年のAI創薬提携では、モデルの予測精度だけでなく、生成した候補をどの程度の速さで実験へ進め、有望な分子を選定できるかが焦点となっています。

特に抗体創薬では、標的への結合だけでなく、機能、選択性、物性、製造可能性を含む複数の条件を満たす必要があります。

そのため、AIモデル、製薬会社が保有する研究データ、実験設備を一つの反復工程として接続する動きが進んでいます。

AIを利用した候補生成から実験検証までの循環を構築できるかが、提携の進展を確認する材料になります。

まとめ:BMSとChai DiscoveryがAI創薬で提携、抗体候補の設計と探索に高度な分子モデルを活用

  • Chai Discoveryが2026年8月19日にBMSとの提携を発表
  • AIを活用した治療用抗体の候補探索で協業
  • BMSがChaiの分子構造予測モデルを活用
  • Chaiの分子設計モデルを抗体創薬に導入
  • BMSの抗体創薬ポートフォリオ全体を支援
  • 対象疾患や具体的な創薬標的は非開示
  • 契約金額や研究期間などの条件も非開示
  • BMSが継続学習型のAI創薬基盤を推進
  • Chaiが複数の大手製薬会社との提携を拡大
  • 今後は抗体候補の実験検証と開発移行が焦点

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