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EnvedaのAI創薬候補ENV-308、第Ⅰ相で安全性とレプチン低下を確認し減量維持の第Ⅱ相試験へ

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Envedaは2026年8月18日、AI創薬で見いだした経口低分子化合物ENV-308について、健康成人88人を対象とした第Ⅰ相試験の結果を発表しました。

同社は、GLP-1受容体作動薬の中止後における体重と代謝面の効果維持を第Ⅱ相試験で検証する計画です。

今回確認されたのは安全性、忍容性、薬物動態と探索的バイオマーカーです。体重への効果はまだヒトで評価されておらず、前臨床結果と臨床結果を分けて見る必要があります。

  • ENV-308を見いだしたAI創薬基盤PRISM
  • 健康成人88人を対象とした第Ⅰ相結果
  • レプチン低下と体重維持データの位置付け
  • GLP-1中止後を対象とする第Ⅱ相計画

EnvedaのAI創薬で開発されたENV-308とは、第Ⅰ相で示された安全性とレプチンへの影響

ENV-308は、運動や食後に体内で放出されるLac-Pheの作用を模倣するよう設計された、1日1回投与の経口候補薬です。Envedaは独自のAI基盤と天然由来分子のデータを組み合わせ、候補化合物を創出しました。

PRISMとLac-Pheの関係

EnvedaのAIモデルPRISMは、Lac-Pheを重要な栄養センサーとして特定しました。Lac-Pheは動物で食物摂取量と肥満を減らした一方、体内から速やかに消失するため、そのまま医薬品にするには薬物動態上の課題があります。

そこで同社は、Lac-Pheの生物学的作用を再現しつつ、毎日服用できる特性を持たせたENV-308を設計しました。

PRISMは12億件の低分子質量スペクトルで学習され、約6億件は同社独自のメタボロミクス基盤によるデータです。

AIを用いた候補品創出では、計算基盤の特徴と臨床データを分けて確認することが欠かせません。Insights4 Pharmaでは、別の事例としてBeyang TherapeuticsのAI創薬基盤と候補品も紹介しています。

第Ⅰ相で確認された結果

第Ⅰ相試験には健康成人88人が参加しました。Envedaによると、全用量範囲で忍容性は良好で、重篤な有害事象、投与中止、投与中断は報告されていません。吐き気や嘔吐を含む消化器系の安全性も良好だったと説明しています。

第Ⅰ相で確認された範囲

安全性、忍容性、薬物動態に加え、探索的な生物活性指標として血中レプチン濃度が測定されました。開始時のレプチン濃度が性別ごとの基準で高かった参加者ほど、大きな低下がみられています。

ただし、健康成人を対象とした試験であり、体重や体組成、HbA1cなどの代謝評価項目に対する有効性を検出する設計ではありません。レプチン低下が減量維持につながるかは、今後の臨床試験で検証されます。(出典:Enveda「ENV-308第Ⅰ相試験結果」

EnvedaのAI創薬候補ENV-308、GLP-1薬中止後の体重維持を第Ⅱ相試験で検証へ

ENV-308のような経口低分子医薬品の研究開発を表す錠剤と化学構造式
化学構造式と経口低分子医薬品をイメージした錠剤

次の開発段階では、GLP-1薬を中止した、または中止を予定している人が主な対象となります。前臨床で観察された体重維持や併用効果を、患者対象試験で再現できるかが確認事項です。

第Ⅱ相では何を調べるか

Envedaは第Ⅱ相試験で、GLP-1薬の中止後にENV-308が減量効果と代謝面の利益を維持できるか評価する方針です。

ただし、2026年8月18日の発表では、試験開始日、症例数、主要評価項目、投与期間などの詳細は示されていません。

動物試験では、減量治療の終了後も体重の再増加を抑え、減量中の除脂肪体重を維持したと同社は報告しました。

また、GLP-1薬との併用で投与頻度を減らせる可能性も示されていますが、いずれも前臨床段階の所見です。

ENV-308は未承認の治験薬であり、第Ⅰ相結果だけでは減量効果や体重再増加の予防効果を判断できません。第Ⅱ相では、体重、体組成、代謝指標の臨床データが焦点となります。

GLP-1領域では開発品や未承認品をめぐる動きも続いています。

関連動向は未承認レタトルチドをめぐるイーライリリーの対応で確認できます。

EnvedaのAI創薬候補ENV-308、第Ⅰ相で安全性とレプチン低下を確認し減量維持の第Ⅱ相試験へのまとめ

  • ENV-308は、EnvedaがAI創薬基盤「PRISM」を活用して創出した経口低分子の治験薬です。
  • 運動後や食後に体内で放出される「Lac-Phe」の生物学的作用を模倣するよう設計されています。
  • PRISMは、天然由来分子を含む12億件の低分子質量スペクトルで学習されています。
  • 第Ⅰ相試験には健康成人88人が参加し、安全性や忍容性、薬物動態などが評価されました。
  • 全用量範囲で良好な忍容性が示され、重篤な有害事象や投与中止、投与中断は報告されていません。
  • 吐き気や嘔吐を含む消化器系の安全性についても、良好な結果が報告されました。
  • 探索的な評価では、開始時のレプチン濃度が高い参加者ほど大きなレプチン低下が確認されています。
  • ただし、第Ⅰ相試験は体重減少や体重維持の有効性を検証する試験ではなく、ヒトでの減量効果は未確認です。
  • 今後の第Ⅱ相試験では、GLP-1薬中止後の体重や体組成、代謝面の効果を維持できるか検証する予定です。
  • ENV-308は未承認の治験薬であり、実際の有効性や安全性を判断するには今後の臨床試験結果を待つ必要があります。

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