全世界で6兆円以上の売上をあげている医薬品グローバル大手の「アッヴィ」。アッヴィの日本法人の売上は1000億円、1500人を超える規模を誇ります。2028年にはトップ3に入る予測もある今後も成長が期待されるグローバルな研究開発型の製薬会社です。
ランキングでみるアッヴィ社【3つのポイント】
- 22年度、世界ランキング4位、ヒュミラの売上は350億ドルで世界で最も売れた医薬品
- 28年の予測では、世界ランキング3位以内に食い込む
- 平均年収は946万円、国内売上ランキング上位の外資系製薬会社と同じレベル
売上ランキング世界4位。グローバル最大手の製薬会社の1社
アッヴィの全世界での2022年の売上高は約6兆円を超え(580.5億ドル)、その年に世界で最も売れた医薬品であるヒュミラ(関節リウマチほか)をはじめ多数のブロックバスター医薬品をもちます。
ヒュミラは約10年間にわたり世界で最も売上の高い医薬品でした。特許戦略も功を奏し、22年でも2位を大きく引き離してトップでした。ただし、今後は後発品の市場侵食もあり、売上は下降傾向となります。
将来性も高い。2028年には、トップ3以内に食い込む予測
アッヴィは、今後も製薬業界内での地位を維持、向上します。英国調査会社Evaluate Pharmaの予測では、2028年には、アッヴィはロシュ、メルクとともに、世界の売り上げ3社に入るとしています。
28年には、乾癬などの自己免疫疾患を対象としたスキリージが150億ドルで売上で世界7位と予測、、総売上も630億ドルにのぼります。大型製品ヒュミラの売上減少があるものの、他の医薬品が支え、今後も将来性が高い製薬会社です。(売上予測はいずれもEvaluate Pharmaが出典)
日本での平均年収はグローバル大手並みに高い
アッヴィは公表は氏ていない年収ですが、口コミサイト「ライトハウス」によると平均年収は946万円と900万円を超えており、これは日本での売上トップ10の外資系製薬会社と同じ程度の高い平均年収と言えます。
一方で、日本での売上高(2022 年度)は 1001 億 円(出典:アッヴィHP)と、外資系製薬会社の中でもトップ10入りはしていません。今後は、スキリージをはじめリンヴォックの日本での販売戦略にも注目です。また、同社は社会貢献活動にも非常に積極的であるとの評判も高い企業です。
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アッヴィの転職口コミ
アッヴィ社への転職に関する口コミを集めてみました。良い口コミからいまいちな口コミまで掲載しています。参考に指定ください。
同業他社から転職入社でキャリアアップを図れると期待して入社しました。今振り返ると妥当だったと思います。教育研修やリスキングへの理解が高く、(上司によるとは思いますが)自己研鑽に充てる時間も捻出できる環境でした。
どこの会社にも言えることかもしれませんが、上司によって当たり外れが有ると思います。社内公募などで移動もできる環境でしたので、自身のキャリアは自分でコントロールする意識を持っておくことが必要だと思います。男性 MR 在籍5年~10年
出典:OpenWork
製薬会社でMRをしていましたが、アッヴィの豊富なパイプラインや今後の成長に期待したのに加えて、介護や育児のための居住地選択MR制度をいち早く取り入れていたり、働く人の目線を大事にしているところにも魅力を感じて入社しました。
部長が目の前にいても言いたいことが言えます。そういう雰囲気の会社はなかなかないかもしれないですね。
下肢に機能障害があるのですが、デスクワークを長時間続けると脚の筋力が落ちてしまうこともあり、営業で動き回っているほうが多いですね。重い荷物を運ぶ機会も多いのですが、疼痛がひどいときには、同僚に気軽にサポートを頼める環境です。障がいがあることを気にせずにチャレンジでき、困ったときには相談しやすい環境ですので、まずはアッヴィがどういう会社か、知ってもらいたいですね。
Shinya M. 2020年入社 MR
出典:アッヴィ公式サイト
5年間臨床医として病院に勤めた後、患者さんと1対1で向き合う形ではない、自分の別の可能性を試してみたいと考えて、5年前に製薬業界に飛び込みました。
グローバル企業にジョインしたことで、より広い視野を保てるようになったことも、やりがいに通じていると思います。同じテーマでも、「国内ではどうか」「海外も含めた領域全体ではどうか」という風に、視点を切り替えて物事を考えられるようになりました。
臨床医や産業医として働く以外にも、MDの活躍の場があるということをアッヴィで日々感じています。日本の医療のグローバルな発展のためにも、製薬企業という選択肢に目を向けるドクターが増えることを願っています。
Yumi K. メディカルアフェアーズ メディカルアドバイザー 2017年入社
出典:アッヴィ公式サイト
もともと公衆衛生学が専門です。10年ほど前に、自分が得てきた疫学や生物統計学の知識とスキルをより多くの患者さんのために役立てたいと考えて製薬企業に入社しました。その後2度転職してアッヴィは3社目になりますが、ぜひ取り組みたいと思っていた臨床試験の安全監視活動に注力できると聞いて入社を希望しました。
(どのような点にやりがいを感じますか?) 患者さんや先生方が喜んで使える薬剤を上市できる”という点に尽きると思います。「アッヴィの薬を使い始めてから病気のリスクコントロールが容易になり、ほぼ普通の生活を送れるようになった」という患者さんにお会いした時、薬の開発に携われたことに心から感謝しました。
Tetsuya O. 開発本部 2014年入社
出典:アッヴィ公式サイト
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ランキング・カテゴリー情報
世界売上ランキング *1 | 3 位 |
日本企業売上ランキング *2 | n/a |
日本国内での売上ランキング *4 | n/a |
日本国内年収ランキング *3 | n/a |
※ アッヴィ社が掲載されているラインキング記事の紹介
>>> グローバル売上ランキング製薬トップ5各社の主力製品・国内後期開発品と今後の展望
売上・従業員数・年収・採用情報
日本での売上 | 1,001 億 3,600 万円(2022年) |
従業員数 | 1577 人 |
平均年収 | 863 万円 ** |
平均年齢 | 調査中 |
平均勤続年数 | n/a |
公式採用情報へのリンク | https://www.abbvie.co.jp/work/career_information.html |
主力製品(売上順)
医薬品名 | 対象領域 | 売上高 |
ヒュミラ | 自己免疫疾患 | 198 億ドル |
イムブルビカ | 慢性リンパ性白血病 | 53 億ドル |
マヴィレット | C型肝炎 | 18 億ドル |
スキリージ | 自己免疫疾患 | 16 億ドル |
ボトックス | 美容関連 | 14 億ドル |
ベネクレクスタ | 慢性リンパ性白血病 | 13 億ドル |
クレオン | 慢性膵炎 | 11 億ドル |
ルプロン | オンコロジー | 8 億ドル |
リンヴォック | 自己免疫疾患 | 7 億ドル |
出典:同社ホームページ(21年度)
日本でのパイプライン
Phase | 医薬品名 | 対象疾患等 |
フェーズ3 | RGH-188 | 神経科・神経内科統合失調症/cariprazine |
フェーズ3 | AGN-241689 | 神経科・神経内科片頭痛予防/atogepant |
フェーズ3 | ABBV-399 | 癌領域非小細胞肺癌(NSCLC)/telisotuzumab vedotin/注 |
フェーズ3 | ABT-263 | 癌領域骨髄線維症(MF)/navitoclax/注 |
フェーズ3 | ABT-888 | 癌領域卵巣癌/ベリパリブ/経口 |
フェーズ3 | ABBV-GMAB-3013 | 抗悪性腫瘍薬B細胞リンパ腫/epcoritamab |
2023年3月現在。新規化合物等の開発品で、効能・剤形追加等の開発品は含みません
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参考記事:製薬業界で実績のある転職エージェントおすすめ10選!複数登録にはこのエージェントから選択
参考記事:【製薬業界の転職】転職エージェントの正しい「複数登録」の手順とは?
参考記事:製薬・医薬品業界の転職で失敗しないための5つコツとは?
会社概要
会社名(英語表記) | AbbVie Inc. |
国 | 米国 |
本社住所 | 1401 Sheridan Road, North Chicago, Illinois 60085 |
本社サイト | https://www.abbvie.com/ |
グローバルでの売上 | 6兆1704 億円 |
日本法人社名 | アッヴィ合同会社 |
日本法人本社住所 | 〒108-0023 東京都港区芝浦三丁目1番21号 |
設立 | 2012年3月30日 |
代表 | ジェームス・フェリシアーノ |
資本金 | 4億円 |
上場 | n/a |
まとめ
アッヴィ社は21年には全世界で6兆円以上の売上を上げて、ランキングでは第3位の世界最大手の医薬品会社です。
アッヴィの重点領域は、自己免疫疾患、血液腫瘍、ニューロサイエンス、美容関連と多岐にわたっています。自己免疫疾患治療薬「ヒュミラは年間2兆円を突破する大型製品です。現在は、特許切れ、バイオシミラーとの競合で売上はピークを超えています。
オンコロジー領域にも注力し、2015年に「Pharmacyclics」を約2.5兆円で買収。抗がん剤「インブルビカ(一般名:イブルチニブ)」を獲得。血液がんで適応拡大で承認されており、約36億ドルを超える大型品に成長しています。
2016年には、「Stemcentrx」を買収オンコロジー領域での製品パイプラインの多様化を図っています。
2019年、「アラガン(Allergan)」を6.7兆円で買収。シワ消しやリフトアップで知られる注射剤「ボトックス」などの美容医療、中枢神経系領域、コンタクトレンズなどのアイケア製品を取得、ポートフォリオの多角化を測っています。
ヒュミラの売上は同社にとって大きな収益の柱ですが、白血病治療薬「イムブルビカ(一般名:イブルチニブ)」「リンヴォック(関節リウマチなどの治療薬)」「スキリージ(乾癬などの治療薬)」など自己免疫疾患領域でのヒュミラの後継品も好調です。リンヴォックとスキリージもピーク時の売上は共に5000億円~と期待されています。
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5年間の売上ランキング推移で日本の製薬会社を分析!成長のポイント4つ
参照
- *1:世界売上高100億ドルを超える製薬会社25社の業績(2021年12月期、一部の日本企業は22年3月期、豪CSLは21年6月期)を集計した世界の製薬会社売上ランキング・出典は、製薬業界特化の転職サイト・エージェントの「アンサーズ」が運営するメディアアンサーズニュースの「【2022年版】製薬会社世界ランキング」
- *2:東証プライム上場の主要製薬企業41社(製薬が本業でない企業が手がける医薬品事業を含む)の直近の決算を集計(22年3月期を中心)した製薬企業の売上ランキング。出典は、製薬業界特化の転職サイト・エージェントの「アンサーズ」が運営するメディアアンサーズニュースの「【2022年版】国内製薬会社ランキング
- *3: 有価証券報告書を公表した国内の製薬会社。新薬メーカー、後発品メーカーやOTCメーカー、バイオベンチャーら85社対象。出典は、製薬業界特化の転職サイト・エージェントの「アンサーズ」が運営するメディアアンサーズニュースの「【2022年版】製薬会社年収ランキング」
- 平均年収のソース:ライトハウス https://en-hyouban.com/company/10200092859/salary/