Amylyx Pharmaceuticalsは2026年8月18日、肥満手術後低血糖症(PBH)を対象とするavexitideの第Ⅲ相LUCIDITY試験が主要評価項目を達成したと発表しました。
同社は2026年末までにFDAへ新薬承認申請(NDA)を提出し、承認された場合は2027年の発売を目指します。
今回示されたのは、プラセボに対する低血糖イベントの減少率、安全性、今後の申請日程です。トップライン結果の範囲と、まだ公表されていない情報を分けて確認します。
- LUCIDITY試験の主要評価項目と結果
- 低血糖イベントが55%減少した条件
- avexitideの安全性と作用機序
- FDA申請と2027年発売計画
Amylyxの肥満手術後低血糖症治療薬avexitide、第Ⅲ相LUCIDITY試験で低血糖イベントを55%減少

LUCIDITYは、Roux-en-Y胃バイパス術後にPBHを発症した成人78人を組み入れた、米国21施設での無作為化二重盲検プラセボ対照試験です。参加者は3対2の比率で、avexitide 90mgの1日1回皮下投与群またはプラセボ群に割り付けられました。
低血糖イベントを55%減少
16週間の二重盲検期間において、avexitideはレベル2とレベル3の低血糖イベントを組み合わせた発生率を、プラセボに比べて55%減少させました。
FDAと合意した主要評価項目を達成し、p値は0.000003でした。
さらに、自己血糖測定によるレベル2イベント、持続血糖測定によるレベル2イベント、独立判定されたレベル3イベントの副次評価項目もすべて達成したと同社は説明しています。
主要評価項目は低血糖イベントの複合発生率であり、血糖値や体重の平均変化を主要評価項目とした試験ではありません。
一方、今回の発表はトップライン結果です。
イベント数や群別の発生率、信頼区間、各副次評価項目の効果量など、詳細な解析値は示されていません。同社は今後の医学会でデータを発表する予定です。(出典:Amylyx Pharmaceuticals「LUCIDITY試験トップライン結果」)
有害事象と体重への影響
二重盲検期間を通じてavexitideは概ね良好な忍容性を示し、有害事象の多くは軽度から中等度でした。投与に関連する重篤な有害事象は報告されていません。
主な有害事象は下痢、注射部位の紅斑、注射部位の内出血です。また、16週間ではavexitide群とプラセボ群のいずれにも体重変化は認められなかったとしています。
Amylyxの肥満手術後低血糖症治療薬avexitide、2026年末のFDA申請と2027年の発売を計画
Amylyxは今回の結果を受け、NDA提出準備と発売体制の構築を進めます。ただし、申請受理や審査終了時期は公表されておらず、2027年の発売はFDA承認を前提とした会社計画です。
年末までにNDAを提出
avexitideは、膵島β細胞のGLP-1受容体に結合する競合的GLP-1受容体拮抗薬です。PBHでみられる過剰なGLP-1反応に伴う不適切なインスリン分泌を抑え、血糖値を安定させる目的で開発されています。
FDAはPBHを対象とするavexitideにBreakthrough Therapy指定を付与しています。
また、高インスリン血症性低血糖症に対するOrphan Drug指定も受けました。Amylyxによると、PBHを対象に完了した2件の第Ⅱ相試験と今回の第Ⅲ相試験で、低血糖イベントの統計学的に有意な減少が確認されています。
32週間の非盲検延長試験と拡大アクセスプログラムは継続中です。薬事や臨床開発に携わる実務者にとって、今後の確認点はNDAの提出時期、FDAによる申請受理、詳細な有効性・安全性データとなります。(出典:ClinicalTrials.gov「NCT06747468」)
PBHでは初の承認薬候補
Amylyxは、米国で一般的な2種類の肥満手術を受けた人の約8%、およそ16万人がPBHの影響を受けると推計しています。
現在、PBHを適応とするFDA承認薬はありません。このため、申請が承認されればavexitideは同疾患で初の承認治療薬となります。
ただし、LUCIDITYの対象はRoux-en-Y胃バイパス術後の成人に限られます。スリーブ状胃切除術後の患者を含む適応範囲や、申請時に提出される最終的なデータ構成は今回の発表では明らかにされていません。
Amylyx、肥満手術後低血糖症治療薬avexitideの第Ⅲ相試験成功を受け2026年末にFDA申請へ
- Amylyxがavexitideの第Ⅲ相LUCIDITY試験で主要評価項目を達成
- 対象は胃バイパス術後に低血糖症を発症した成人78人
- avexitideは90mgを1日1回皮下投与
- レベル2とレベル3の低血糖イベントをプラセボ比で55%減少
- 主要評価項目のp値は0·000003
- すべての副次評価項目も達成
- 投与に関連する重篤な有害事象は報告なし
- 主な有害事象は下痢や注射部位の紅斑と内出血
- Amylyxは2026年末までにFDAへ新薬承認申請を提出予定
- FDAの承認を前提に2027年の発売を計画
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