血漿分画製剤市場、今後5年間年平均6.7%の成長で395億米ドルに拡大。

世界の血漿分画市場規模は、予測期間中の6.7%のCAGRで、2020年の286億米ドルから2025年までに395億米ドルに達すると予測されています。市場の成長要因として以下が挙げられます。

  • さまざまな治療分野での免疫グロブリンの使用の増加
  • 血漿収集(および血漿収集センターの数)の増加
  • 高齢者人口の増加
  • 呼吸器疾患およびα-1-アンチトリプシン欠乏症の有病率の増加

一方で、高コスト、償還の制限、組換え代替品の登場により、予測期間中には同市場の成長はある程度抑制されることが予想されます。

血漿分画市場におけるCOVID-19の影響

COVID-19は地域的な危機から世界的な大流行に移行、世界保健機関(WHO)は、2020年3月にCOVID-19のパンデミックを公式に宣言しました。多くの製薬関連企業が、新型コロナウイルス感染症を対象とする治療法の開発に踏み出しています。多くの臨床試験の肯定的な発見に基づいて、回復期血漿(CP)療法はCOVID-19患者の生存率を高めると予想されています。米国やインドなどのさまざまな国において、この治療法をできるだけ早く患者に提供するためのイニシアチブを取り、同時に治療法の安全性と有効性を見つけるための臨床試験を実施しています。例えば、

  • 2020年5月、フランスの国立医薬品健康製品安全庁(ANSM)は、重症患者の治療に免疫血漿療法を使用できると発表
  • 2020年4月、インド医学研究評議会(ICMR)は、スリーチトラティルナル医科学技術研究所(SCTIMST)が、重症のCOVID-19患者を治療する回復期血漿療法試験のプロトコルを開発することを承認
  • 2020年4月、欧州委員会は、COVID-19回復期血漿の輸血を、リスクの低い即時利用可能な実験的治療として、緊急の優先事項と見なし、その結果を監視することを推奨

世界の血漿分画市場の動向

成長要因:さまざまな治療分野での免疫グロブリンの使用の増加

免疫グロブリンは、さまざまな神経学的、免疫学的、および血液学的状態の第一選択療法として使用されます。免疫グロブリン療法の最も一般的な用途は、原発性免疫不全症および慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の治療です。静脈内免疫グロブリン(IVIg)は、多発性硬化症、神経因性疼痛、慢性疲労症候群など、さまざまな神経疾患に対しても検討されています。

過去10年間で、さまざまな免疫疾患の診断率は、技術の進歩により増加しています。さらに、免疫不全を特徴づけて診断するための遺伝子研究が増えると、診断される患者の数が増えるため、免疫グロブリンの臨床的必要性が高まります。

制限:組換え代替物の出現

過去数年間で、第VIII因子、第IX因子、フォンウィルブランド因子、フィブリノーゲン濃縮物、アンチトロンビン、プロテアーゼ阻害剤など、さまざまな血漿由来の多くの組換え代替品が開発されてきました。先進国では、出血性疾患において、血漿由来の第VIII因子および第IX因子の代替として組換え第VIII因子および第IX因子がますます使用されています。これらの組換え製品は予防的に使用され、血漿由来製品よりも免疫原性が低くなっています。

これらに加えて、開発パイプラインには、より長時間作用する代替要素がいくつかあります。これらの製品は、投与頻度の低下や予防的使用の効果の向上など大きなメリットをもたらします。

機会:出血性疾患の有病率の上昇

血友病または造血障害は、血漿分画製品の主要な応用分野の1つを形成します。血友病は、凝固第VIII因子の産生または機能の欠陥による血液凝固障害を特徴とする遺伝性出血障害です。世界血友病連盟によると、2011年の世界の血友病患者数は167,110人で、2018年には25.9%増加して210,454人になりました。実際に血友病と診断されているの患者は30%のみで、25%が治療を受けています。血友病患者の残りの人々は診断されていないままであり、患者の75%近くが不十分な治療を受けているか、まったく治療を受けていません。

最も高い成長がみこまれる免疫グロブリンセグメント

血漿分画市場は免疫グロブリン、凝固因子濃縮物、アルブミン、プロテアーゼ阻害剤、およびその他の製品に分割されます。
免疫グロブリンセグメントは、2019年に血漿分画市場の最大のシェアを占めています。このセグメントはまた、予測期間中に最も高い年平均成長率で推移すると見込まれます。このセグメントが高いシェアを維持することは、SCIgの採用の増加と、さまざまな適応症に対する免疫グロブリンの適応外使用の増加に起因しています。

血漿分画市場における神経性疾患

診療科に基くと血漿分画市場は、神経学、免疫学、血液学、救命救急、呼吸器学、血液腫瘍学、リウマチ学らで活用されています。2019年には、神経性疾患セグメントが最も高いシェアを占めています。このセグメントの大部分は、主にステロイドや経口免疫抑制剤よりも短期間でのIVIgの反応と、末梢神経系および中枢神経系の多くの障害におけるその有効性に起因することが考えられます。

地域別の血漿分画市場

血漿分画製剤のプレーヤーと地域

地域的には、2019年にいおいて北米が血漿分画市場の最大のシェアを占め、ヨーロッパとアジア太平洋がそれに続いています。世界市場における北米の大きなシェアは、さまざまな治療分野での免疫グロブリンの使用の増加、高齢者人口の増加、および呼吸器疾患とAATDの有病率の増加に起因しています。

世界の血漿分画市場の主要企業には、CSL(オーストラリア)、グリフォルス(スペイン)、シャイア(アイルランド)、オクタファルマ(スイス)、ケドリオン(イタリア)、BPL(英国)、サンキン(オランダ)らが挙げられます。

成長が予想される世界の血漿分画市場

MarketsandMarkets社から発行された最新の市場分析レポート「血漿分画製剤の世界市場 – 2025年までの予測:IVIG、アルブミン、第VIII因子、フォンヴィレブランド因子 (VWF)、PCC、プロテアーゼ阻害剤」によると世界の血漿分画市場は2020年から2025年の間6.7%の年平均成長率で拡大すると予測をしています。

2020年には、286億米ドルの市場が2025年には395億米ドルに達すると予測されています。市場の成長要因として、さまざまな治療分野における免疫グロブリンの使用機会が増加するとともに、血漿収集(および血漿収集センターの数)が増加、さらに高齢者人口の増加、呼吸器疾患およびα-1-アンチトリプシン欠乏症の有病率の増加がこの成長を後押しすると分析しています。

一方で、血漿分画治療の高いコストや、償還制度による治療機会の制限、組換え代替品の登場などによって同市場の成長はある程度抑制されると分析しています。

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参照の英文報告書

タイトル:【英文報告書】血漿分画製剤の世界市場 – 2025年までの予測
Title:Plasma Fractionation Market by Product (IVIG, Albumin, Factor VIII, von Willebrand Factor, PCC, Protease Inhibitor), Application (Immunology, Hematology, Critical Care, Rheumatology, Pulmonology), End User – Global Forecast to 2025

  • 発行月:2020年9月10日
  • 発行会社: MarketsandMarkets社
  • 販売代理店:グローバルインフォメーション社
  • シングルサイトライセンス  4,495米ドル

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