キノコ由来の部分アシル化 α(アルファ) -1,4グルカン含有食品にCOVID-19中枢性後遺症の予防に有効性が認められた

市場調査コンサルタントの前田@seigomaeda)です。今日は、キノコ由来の部分アシル化 α(アルファ) -1,4グルカン含有食品が、COVID-19中枢性後遺症の予防に対しての有効性が認められたニュースです。

キノコ由来の部分アシル化 α(アルファ) -1,4グルカン含有食品にCOVID-19中枢性後遺症の予防に有効性

2023年3月20日に三菱総合研究所で、内閣官房のコロナ対策室が主導する「ウィズコロナ時代の実現に向けた主要技術の実証・導入に係る個別研究テーマ」の公募研究として実施された研究結果が発表されました。

この発表によると、部分アシル化 α(アルファ) -1,4グルカン含有食品により、COVID-19感染後の後遺症の症状に関し後遺症チェックリスト複合評価項目に関し、改善した被験者がプラセボ群45%に対AHCC群は84%と有意に改善しました。

このことから、部分アシル化 α(アルファ) -1,4グルカン含有食品はCOVID-19後遺症の治療補助や予防に役立つ可能性があります。

経済的損失も大きい、COVID-19の中枢性後遺症

COVID-19の中枢性後遺症とは、COVID-19感染症を患った後、治療や回復後に持続する神経学的症状を指します。主な症状としては、倦怠感、脳霧状態、頭痛、集中力の低下、うつ病、不安、失われた感覚、筋力低下、失語症などが挙げられます。

また、COVID-19感染症後の一般的な後遺症である息切れ、味覚・嗅覚の喪失、筋肉痛、関節痛なども、中枢性後遺症の一部として考えられています。

COVID-19後遺症の経済損失は極めて大きいことも指摘されています。米国では労働年齢人口の7人に1人がCOVID-19後遺症を経験する可能性があることが指摘されています。

オーストラリア国立大学の研究者の推定では、新型コロナによる世界経済の損失額は2025年までに最大35兆3000億ドル(約3740兆円)に達する見込みだが、後遺症が経済に及ぼす影響はさらに長く、数世代にわたる可能性があります。

この様に、Covid-19後遺症は、患者の生活の質を低下させることに加えて、長期にわたって経済的な損失の影響もあります。

部分アシル化 α(アルファ) -1,4グルカン含有食品によるCOVID-19感染後の後遺症への研究結果

今回の研究結果は、内閣官房のコロナ対策室が主導する「ウィズコロナ時代の実現に向けた主要技術の実証・導入に係る個別研究テーマ」の公募研究として実施されたもので、2023年3月20日に三菱総合研究所で発表が行われました。

部分アシル化 α(アルファ) -1,4グルカン含有食品により、COVID-19感染後の後遺症の症状に関し後遺症チェックリスト複合評価項目に関し、改善した被験者がプラセボ群45%に対AHCC群は84%と有意に改善しました。

症状改善で顕著であった症状項目としては、COVID-19後遺症の最大の愁訴である倦怠感・だるさでした。

このことから、部分アシル化 α(アルファ) -1,4グルカン含有食品はCOVID-19後遺症の治療補助や予防に役立つ可能性があります。

一方、客観的な指標として、SARS-CoV2感染後に急激に上昇し、その後症状改善と共に漸減すると報告されている唾液中のanti-SARS-CoV2のsIgA抗体への影響も検討されています。

部分アシル化 α(アルファ) -1,4グルカン含有食品摂食により、唾液中の抗SARS-CoV2IgA抗体に関し、スパイク1とヌクレオカプシドに対するIgAが有意に減少しました。

一方、唾液中のmiRNAミクス・プロテオミクス解析で、ウイルス感染・中枢機能・免疫機能に関する分子が変動しました。最近になり新型コロナおよび後遺症とアルツハイマー病のメカニズムが類似している事が報告されているが、部分アシル化 α(アルファ) -1,4グルカン含有食品でもアルツハイマー病関連の蛋白およびmiRNAが変動したとのことです。

更には、新型コロナ感染症では、癌領域で注目されているPD-1/PD-L1チェックポイント系の活性化による免疫抑制が起こる事が報告されていましすが、本食品によってプロテオミクスでもmiRNAミクスでもPD-1/PD-L1チェックポイント系への効果が示唆されたとの事です。

抗ウイルス免疫をはじめとしたヒト免疫機能増強作用を持つ部分アシル化α-1,4グルカン含有食品とは?

出典:アミノアップ社

部分アシル化α-1,4グルカン含有食品とは、キノコ類や酵母類などの菌類から抽出される多糖類の一種で、抗ウイルス免疫をはじめとしたヒト免疫機能増強作用を持っていることが知られています。

今回、内閣官房公募キノコ由来の部分アシル化 α(アルファ) -1,4グルカン含有食品の研究を行った企業は株式会社アミノアップで、部分アシル化 α(アルファ) -1,4グルカン含有食品としては、active hexose correlated compound(AHCC)を世界で広く販売しています。1

AHCCに関しては、国内外の研究機関により様々な研究が実施されており100報以上の科学論文が公表されております。国内では関西医大のグループがすい臓癌患者での予後に関する影響を報告2しており、海外ではテキサス大学がHPVの陽性者のHPVウイルスを除去するPh2試験結果を報告しています3。

免疫系に働きかけて炎症やアレルギー反応を抑制し、ウイルスや細菌に対する抵抗力を高める効果も多く報告されています。

まとめと今後の展望

キノコ由来の部分アシル化α-1,4グルカン含有食品が、COVID-19感染後の中枢性後遺症の治療補助や予防に有用である可能性があることが示されました。
今回はコロナ後遺症の閾値下の被験者での予防効果が示されましたが、後遺症症状が持続してQOLが著しく低下した患者に効果があるかなどの検討も重要と思われます。
実施企業および共同研究者は、当該部分アシル化α-1,4グルカン含有食品とメンタル系デジタルアプリとの併用の検討も考慮しているとの事です。

COVID-19後遺症が持続することで経済的損失も大きくなるため、COVID-19後遺症の予防と改善は患者の治療とともに、経済的な点でも重要です。当該食品による医療経済的な効果検証も期待されると思われます。

参考文献

1.AHCC, a mushroom culture extract to boost immune defence
https://www.nature.com/articles/d42473-020-00414-3

2.Trials. 2022 Feb 12;23(1):135.
Efficacy of active hexose correlated compound on survival of patients with resectable/borderline resectable pancreatic cancer: a study protocol for a double-blind randomized phase II study
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35151367/

3.Front Oncol. 2022 Jun 22;12:881902.
AHCC® Supplementation to Support Immune Function to Clear Persistent Human Papillomavirus Infections
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35814366/

参照

株式会社アミノアップ
https://aminoup.co.jp/

 

☎ 080-9159-1217

平日 9:00-18:00

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