GSK社 抗PD-1抗体Jemperli の肺がんのファーストライン治療における臨床試験で客観的奏効率が46%

lung

GSK社は、転移性非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)のファーストライン治療において、化学療法と抗PD-1抗体Jemperli(dostarlimab)の併用療法で、化学療法と米メルク社のPD-1チェックポイント阻害剤Keytruda(pembrolizumab)の併用療法の客観的奏効率(ORR)37%に対し、46%を確認したと発表しました。同社は12月7日ESMO Immuno-Oncology Congressにおいて、第2相PERLA試験で今年10月に主要評価項目を達成したことも発表しました。

GSK社のグローバルオンコロジー開発責任者Hesham Abdullah氏は「GSKのがん開発グローバル責任者であるHesham Abdullahは、「この結果は、当社の今後の開発計画にインパクトを与えた。Jemperliの単剤療法また併用療法には大きな可能性が示された」と述べました。

PERLA試験では、転移性非扁平上皮NSCLC患者243人を、化学療法とJemperliまたは化学療法とKeytrudaを併用投与する群に無作為に割り付けました。PERLA試験でGSK
社は、Jemperliの全試験集団に対する全奏功率(ORR)を46%であったとし、またPD-L1発現に基づく様々なコホートにおいて、自社薬とKeytrudaの違いを評価しました。最も有力な結果としては、PD-L1 免疫染色による腫瘍細胞における陽性率(TPS)≧50%の患者で確認されたORRは74%となり、Keytruda併用療法の48%より大きく高い結果となりました。

PD-L1発現が1%以上49%までの場合、Jemperliは50%台のORRを示したのに対し、Keytrudaは30%台でした。PD-L1発現が低い集団では、Keytrudaがより優れたパフォーマンスを示し、TPS <1%の集団で33%のORRを達成したのに対し、Jemperliは28%でした。

PFSはKeytrudaより2ヶ月長い結果に

一方、全試験集団の無増悪生存期間(PFS)中央値は、Jemperli投与群で8.8カ月、Keytruda投与群で6.7カ月となりました。TPSが1%以上の患者集団では、JemperliのPFS中央値は9カ月から10.4カ月となり、Keytrudaよりも約4カ月長くなりました。TPS1%未満では、Jemperliが7カ月、Keytrudaが6.9カ月とほぼ同じ結果でした。

GSK社は、Jemperliの治療起因性有害事象(TEAE)は、類似レジメンの過去の試験と一致しているとしています。またグレード3以上のTEAEの発生率は、Jemperli群で59%、Keytruda群で60%でした。

第3相COSTAR Lung試験においては、Jemperliとdocetaxelおよび抗TIM-3標的抗体cobolimabのレジメンが、抗PD(L)1による前治療後に進行した進行性NSCLC患者を対象として評価されています。一方、先週GSK社はJemperliの、原発性進行または再発子宮内膜がん患者を対象とした第3相RUBY試験において、主要なPFS目標を達成し、OSデータは未熟であるが「良好な傾向」を示したと発表しました。

Jemperliは、2021年米国でミスマッチ修復欠損型(dMMR)子宮内膜がんの再発・進行患者の治療薬として迅速承認を取得し、その直後に欧州でも同じ適応症で条件付き承認を取得しました。また、米国では、成人のdMMR再発・進行性固形がんを適応症として承認されています。

PERLA phase II trial of Jemperli (dostarlimab) plus chemotherapy shows positive results in first-line metastatic non-squamous non-small cell lung cancer

メルマガ「1分でわかる製薬ニュース」をご活用ください

  1. 世界で注目の製薬ニュースをお送りします。
  2. 情報活用のノウハウを提供します
  3. 市場調査レポートの最新情報を提供
  4. 製薬業界の方々向けの役に立つ情報を提供

製薬業界にいらっしゃる方々の毎日の情報収集にご活用いただけると嬉しいです。
Insights4 Pharma編集責任者&情報コンシェルジュ 前田静吾

    メルマガ登録はこちら

    • コメント: 0
    1. この記事へのコメントはありません。

    1. この記事へのトラックバックはありません。

    コメントするためには、 ログイン してください。