J&J社のSpravato、治療抵抗性うつ病治療の第3相試験でクエチアピンXRに勝利

J&J(ジョンソン・エンド・ジョンソン)社は、抗うつ薬エスケタミン点鼻薬Spravatoが第3相ESCAPE-TRD試験で主要評価項目を達成し、治療抵抗性大うつ病性障害(TRD)の成人患者において8週間後の寛解達成がクエチアピンXRを上回ったと発表しました。また、同試験では副次的目標である無再発も達成しました。

J&J社は「同試験で、Spravatoの短期使用、長期使用ともに裏付けされた」と述べています。同剤は、2019年に米国と欧州の規制当局から成人のTRDを対象に初承認され、その後、急性自殺念慮や自殺行為を伴う成人の抑うつ治療薬としてもFDAから承認されています。

ESCAPE-TRD試験では、現在のうつ病エピソードの間に、少なくとも2回連続で適切な投与による治療ができなかった成人676名を対象に評価されました。被験者は、SpravatoまたはクエチアピンXRのいずれかに無作為に割り付けられ、いずれも選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)またはセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)を継続的に併用することとしました。

 

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長期にわたる無再発の維持

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主要評価項目である8週目の寛解率は、Spravatoが27.1%、クエチアピンXRが17.6%であり、この差は統計的に有意であるとJ&J社は述べています。その後も寛解率は上昇し、Spravato群では55%に達し、これもクエチアピンXR群の37%を大きく上回りました。一方、副次評価項目についても、Spravatoでは32週目まで無再発が21.7%であったのに対し、クエチアピンXRでは14.1%と、両群間に有意差が認められたと報告されています。

治験責任医師のAndreas Reif氏は「寛解の達成と無再発の継続はうつ病治療の大きなマイルストーンであるものの、現状TRDでは特に困難となっています」とし、この結果は「この治療が困難な集団において(Spravato)点鼻薬を使用すべきであるという根拠をさらに示すものです」と述べました。

Spravatoの最も多い副作用はめまいで、このグループの患者の約47%に発現し、次いで吐き気と解離がそれぞれ30%近くの患者に発現しました。めまいと傾眠は、それぞれ約19%と15%の割合で発生しました。「これらの結果は、これまでの試験で収集された安全性データと一致しています」と同社は述べています。

一方、重篤な治療上緊急の有害事象(TEAE)は、Spravato群で5.7%、クエチアピンXR群で5.1%認められました。投与中止はクエチアピンXR群で40.3%と多く、一方、Spravatoでは23.2%でした。J&J社によると、脱落者の主な理由は、治療効果の欠如、有害事象、被験者がさらなる治療を拒否したことだそうです。

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Insights4 Pharma編集責任者&情報コンシェルジュ 前田静吾

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