ギリアド・サイエンシズのカイト部門が、10月17日月曜日、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)および高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)で、初回化学免疫療法に1年以内に再発、または難治性の成人の治療剤としてCAR T細胞療法イエスカルタ(アクシカブタジン・シロリューセル)をEUが承認したと発表した。
同社によると、今回の決定により、イエスカルタは一次治療が奏効しない患者さんに対して欧州で承認された最初のCAR T細胞療法となります。
ギリアドのB細胞性リンパ腫のセカンドライン治療薬「イエスカルタ」をEUが承認
カイト部門のCEOであるChristi Shawは、
「本日の承認は、欧州の患者さんに治療のより早い段階でCAR T細胞療法という選択肢を提供する重要なステップとなります」
と述べています。本申請は、先月、欧州医薬品庁のヒト用医薬品委員会(CHMP)から肯定的意見を付与されていました。
第III相ZUMA-7試験で標準治療の4倍の効果
今回の申請には、第III相ZUMA-7試験のデータが含まれており、イエスカルタを投与された患者は、主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)において、現在の標準治療(SOC)に対してそれぞれ4倍以上の改善(8.3カ月 vs 2カ月)を示しました。
また、イエスカルタを投与された患者の41%が2年後に病勢進行やがん治療の追加を必要とせずに生存していたのに対し、SOC群では16%であったことが確認されました。
ギリアド社は、高齢者、原発性難治性患者、高悪性度B細胞リンパ腫、ダブルエクスプレッサーリンパ腫などの主要なサブグループにおいても、イセカルタのEFSの改善は一貫していたと述べています。
本年初めの米国での承認に続くもの
イエスカルタは2018年に欧州で初めて承認され、DLBCL、LBCL、HGBL以外に、CD19指向性T細胞免疫療法は原発性縦隔LBCL、最近では濾胞性リンパ腫にも適応されています。
一方、米国では、ZUMA-7の結果に基づき、今年初めにFDAがイエスカルタの適応を拡大し、LBCLのセカンドラインを含めるようになりました。ギリアド社によると、この治療薬の第2四半期の売上高は2億9500万ドルで、前年同期の1億7800万ドルから増加しました。
なお日本では、第一三共が開発、販売をしています。
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