アストラゼネカ社と第一三共社のTROP2指向性抗体薬物複合体ダトポタマブ デルクステカンの第Ib相試験結果によると、進行性非小細胞肺がん(NSCLC)において米メルク社のキイトルーダ(ペムブロリズマブ)との併用投与で、37%の全奏功率(ORR)を示す結果が出ました。また、プラチナ製剤による化学療法を含む3種のレジメンでは、ORRが41%に上昇しました。
WCLCで、ダトポタマブ デルクステカン併用投与が肺がんに対して有望な初発症状を示す
8月9日の世界肺がん学会(WCLC)において、両社はダトポタマブ デルクステカン+キイトルーダを投与された前治療歴のある患者において、8例の部分奏効(PR)を含む62%のORRが示されたことを発表しました。
トリプルレジメン群ではORRが50%に低下し、PRは10例(うち3例は確認申請中)となりました。また、前治療歴のない患者では、1次治療としてダトポタマブ デルクステカン+キイトルーダを使用した場合、病勢コントロール率は100%でしたが、3剤併用療法では90%となっています。
アストラゼネカ社と第一三共社は、セカンドラインまたはそれ以降のラインで使用した場合、ダトポタマブ デルクステカン+キイトルーダの併用療法は併用療法は24%のORRを示し、化学療法を追加すると29%に上昇したことを明らかにしました。
グレード3以上の治療上有害事象は?
一方、グレード3以上の治療上有害事象(TEAE)は、ダブレットコホートで40%、トリプレットコホートで60%の患者さんに発生しました。また、薬剤に関連すると考えられる間質性肺疾患(ILD)は4件発生し、そのうち2件はグレード3に分類されましたが、他の2件はそれほど深刻ではないと判断されました。
第一三共社のオンコロジー開発グローバル責任者であるGilles Gallant氏は、「これらのデータは、Actionable遺伝子変異のない進行性NSCLC患者における初回併用療法として、ダトポタマブ デルクステカン+キイトルーダの併用をさらに評価する第3相TROPION-Lung08試験の開始を 裏打ちする結果」と述べています。
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