アステラス製薬の完全子会社であるXyphos Biosciences社(以下Xyphos社)はGOセラピューティック社と次世代のがん免疫療法開発に関する契約を締結したことを6月1日に発表しました。本契約に基づき、Xyphos社は契約一時金としてGOセラピューティック社に2,050万ドルを支払い、さらにプログラムの進捗に応じたマイルストン等としてGOセラピューティック社に合計7億6,300万ドルを支払う可能性があります。
両社は、2つの異なる糖タンパク質の標的に対して高い親和性を持つ抗体を同定し、これらの抗体をさまざまな治療法に応用することを目指します。GOセラピューティック社が、2種類の標的に対する抗体を見いだす共同研究を主導し、アステラス製薬は研究、臨床開発および商業化を担います。
アステラス製薬とGO Therapeutics社 がん免疫療法の新規抗体開発に向けた戦略的共同研究およびライセンス契約を締結
GOセラピューティック社とは?
GOセラピューティック社は、マサチューセッツ州ケンブリッジに本社を構えており、糖タンパク質研究(グライコプロテオミクス)における先端の知見を応用、がん細胞を特異的に標的とする抗体を応用した、がん治療法の開発に取り組んでいます。抗体薬物複合体、バイスペシフィックT細胞エンゲージ、免疫系細胞治療など、がん治療のためのマルチモーダルなアプローチで使用することが可能です。またXyphos社は、convertibleCAR®(Chimeric Antigen Receptor: キメラ抗原受容体)を用いた独自技術プラットフォームであるACCEL™技術を有しています。 GO Therapeutics社
両社の技術の組み合わせでより高い治療効果を
GOセラピューティック社のCEOである Constantine Theodoropulos は、「当社の標的・抗体とアステラス製薬の ACCEL技術の組み合わせにより、より高い治療効果を持つ新世代のがん治療法を生み出すことを期待しています。これにより、がん専門医は、固形腫瘍に対する抗体ベースの免疫療法の効果を高め、健康組織へのダメージを軽減することができるようになります」と述べています。
ACCELプラットフォームは、NK細胞やT細胞といった免疫細胞(Xyphos社のconvertibleCAR®)上のユニバーサルCARと二重特異性抗体ベースの分子を組み合わせ、免疫細胞の機能をがんに対して誘導するもので、このアプローチにより、固形がんに対する免疫療法の効果を高めることが期待できます。Xyphos社は、そのアプローチにより、現在承認されているCARベースの細胞療法と比較して、「より高いスピードと柔軟性」を提供できるとしています。
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