ASCO2022開幕直前:「メラノーマ」で注目の2つの演題。オプジーボの合剤とリフィレウセル

melanoma

世界中のオンコロジー領域の専門家がシカゴに集まり、2022年のASCO・米国臨床腫瘍学会年次総会が6月3日から、シカゴでおよびオンラインで開催されます。今回のASCO2022では、2,800以上の演題が、オンラインでは2,400以上の追加の演題が受付されています。これらの多くの演題は200以上の発表に分散され、4万人以上の専門家が出席します。

ASCO 2022では、多くの注目の最新データが発表され、それらの開発品の中には、今後のオンコロジー領域における画期的な変革を与える影響を持つものも少なくありません。

ASCO 2022で注目の演題5選。今年最大のがん領域での国際学会が6月3日から開催

製薬業界特化のリサーチ会社デルブインサイト社(DelveInsight社)では、ASCO2022の開催に先立ち、注目の演題を領域ごとにピックアップ、レポート販売で提携をしているInsights4 Pharmaが、同社発表情報を日本語に翻訳、編集してお届けいたします。今回は、メラノーマでの発表演題に注目をします。

Delveinsight: _ASCO 2022: A quick preview of key abstract on melanoma. Let’s not miss it!

アンメットニーズが高いメラノーマ:皮膚がんの20%のみをしめるも、皮膚がんでの80%の死亡がメラノーマによる

メラノーマは、全世界で診断されるがんの1.7%を占め、米国では5番目に多いがんです。米国におけるメラノーマの発生率は過去20年間で倍増しており、世界的には2040年までにメラノーマの診断数が50%以上増加すると予想されています。

メラノーマは皮膚がん全体の20%に過ぎませんが、皮膚がんによる死亡の80%を占める最も深刻な疾患です。メラノーマは、外科的に切除された患者でも、再発の危険性があります。また、約半数の患者は、主な治療法である免疫療法が適応となりません。

2つの演題に注目

これらの患者は予後不良で生存率も非常に低いため、大きなアンメットニーズがあり、今後開発される医薬品に大きなビジネスチャンスをもたらすことになります。

ブリストル・マイヤーズスクイブ、ロシュ、アムジェン、ファイザー、Ascentage Pharma、Iovance Bio、Replimune、をはじめ、いくつかの企業は、新しい治療法を研究中、既存の治療法をよりよく利用する方法を研究し、臨床試験を進めています。

ASCO2022では、皮膚がん、そしてメラノーマに関しての演題が発表されう予定ですが、デルブインサイトでは、2つの演題、ブリストル・マイヤーズ スクイブのOPDUALAGとアイオバンス(Iovance)社が最も期待している細胞治療薬リフィレウセルに注目をしています。

アブストラクト9505:ブリストル・マイヤーズ スクイブのOPDUALAG(オプジーボとRelatlimabの合剤)

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、切除不能または転移性メラノーマを対象に新たに承認されたOPDUALAG(オプジーボとレラトリマブの合剤)について、RELATIVITY-047試験のサブグループ解析結果を発表する予定です。

3月に抗LAG-3抗体を含む併用療法として初の承認

Opdualagが、3月、初の抗LAG-3抗体を含む併用療法として切除不能または転移性メラノーマ患者の治療薬として承認されました。臨床試験の結果、OPDUALAGがオプジーボ単独と比較して、これまで治療を受けていない進行性メラノーマ患者が病勢進行せずに生存できる期間を2倍にすることを示しました。このことは、BMSのオプジーボの特許保護損失克服の成功も意味します。

現在、BMSは、様々なメラノーマ患者への使用を裏付ける重要なサブグループ(予後不良の患者を含む)のデータをさらに提示し、この画期的な勝利をさらに掘り下げる予定です。

これらの結果は、BMSがKOLから好感を得るのに役立ち、OPDUALAGをメラノーマの第一選択薬として新しい標準治療として確立、その市場規模を拡大させることができます。

OPDUALAG承認後の次のステップ

メラノーマのファーストライン治療は、BMSがOPDUALAGで計画した最初のステップに過ぎません。第3相RELATIVITY-098試験では、術後補助療法におけるステージ3~4のメラノーマの術後治療においても、オプジーボとレラトリマブの合剤とオプジーボ単独を比較評価するものです。同社は間もなく、この新しい併用療法を大腸がんのセカンドラインを対象とした臨床試験を開始する予定です。

アブストラクト9524:アイオバンス社のリフィレウセル

アイオバンス(Iovance)社が最も期待している細胞治療薬リフィレウセル(Lifileucel)の進行性メラノーマに関するトランスレーショナルリサーチデータが発表される予定です。果たして、どのように評価されるのでしょうか?

アイオバンス社は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)細胞療法であるリフィレウセルを、重度前治療メラノーマ患者の治療用として2022年8月までにBLAを提出する準備を整えています。

リフィレウセルは、2つのコホート(コホート2およびコホート4)で第2相試験(NCT02360579)を実施し、評価を進めてきました。最近、同社はCohort 4の結果を発表し、23.5ヶ月の追跡調査後のORRが29%(3CR、22PR)、奏効期間中央値(DOR)が10.4ヶ月と有意に良好であった。

しかし、この結果を先に発表した同試験のコホート2の結果と比較したため、投資家から厳しい評価厳しい評価を得ることになりました。

アイオバンス社進行性メラノーマ対象第2相C-144-01試験結果発表後同社の株価が50%も下落

比較したこの66名のコホート(コホート2)では、3名の完全奏効と21名の部分奏効が認められ、36%の客観的奏効率が得られています。追跡期間中央値33.1カ月では、奏効期間中央値にまだ達していませんでした。また、なおかつ、36.6カ月経過した時点でも奏効期間中央値に達していません。

その後、同社は、この劇的な違いについて複数の説明を行っています。その説明によるとコホート4の患者はコホート2の患者よりも重症であり、ベースラインの乳酸脱水素酵素レベル(予後不良因子)が高く、病変数も多かったとのことです。

有望でありながら議論を呼ぶ結果の中で、アイオバンス社は、リフィレウセルで治療した免疫チェックポイント阻害剤(ICI)未使用および難治性メラノーマ患者における腫瘍変異負荷(TMB)に関するトランスレーショナルデータをASCO2022で発表する予定です。

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