BMS、膀胱がんを対象としたオプジーボとヤーボイ併用試験CheckMate -901では生存改善効果示せず

bladder cancer

ブリストル・マイヤーズ スクイブが、膀胱がんに対するオプジーボとヤーボイの併用療法の臨床試験CheckMate -901(NCT01844505)の結果を発表しました。未治療の切除不能または転移性尿路上皮がん患者に対する第一選択治療としてオプジーボ+ヤーボイ併用療法を標準化学療法と比較、腫瘍PD-L1発現1%以上患者の全生存(OS)の改善は残念ながら示すことが出来ませんでした。

ブリストル・マイヤーズ スクイブの泌尿器がん開発プログラムリード担当副社長であるDana Walker氏は、「近年、いくつかの進展が見られるものの、転移性尿路上皮がんは依然として対応が難しい疾患であり、患者さんの延命が可能な治療オプションは限定されています。オプジーボとヤーボイの併用療法は、治療困難な複数の進行性がんにおいて、持続的な長期生存率の改善を示しており、CheckMate -901の最終解析で、腫瘍細胞のPD-L1発現率が1%以上の尿路上皮がん患者において同様の有用性が示されなかったことは残念に思っています。当社は引き続き尿路上皮がんの研究を推進し、CheckMate -901試験の他の部分からのデータを解析をすすめます。」

尿路上皮がんについて

腎盂から尿管、膀胱、尿道の一部へとつながる尿路の内側は尿路上皮と呼ばれる粘膜でできており、この細胞から発生するがんを尿路上皮がんといいます。

膀胱がんは、世界で10番目に多いがんであり、年間573,000人以上が新たに診断されています。膀胱がんのうち、最も多いのは膀胱の内側を覆う細胞から始まる「尿路上皮がん」で、膀胱がんの約90%がこれにあたります。膀胱だけでなく、尿管や腎盂など尿路の他の部位にも発生することがあります。

早期診断も、再発、進行、転移の多さが課題

尿路上皮がんの大部分は早期に診断されますが、再発や病勢進行の割合が高くなります。手術を受けた患者さんの約50%が病気の再発を経験すると言われています。

さらに、尿路上皮がん患者の約20%~25%が転移性疾患を発症するといわれています。転移性がんの患者さんの予後は悪く、全身療法を行った場合の全生存期間の中央値は約12~14ヵ月です。

一次治療における奏効の持続性が低いことは、転移性疾患の治療における大きな課題であり、進行性尿路上皮がんの二次治療における治療選択肢は限られています。

オプジーボについて

オプジーボ(Opdivo、nivolumab、ニボルマブ)は、PD-1免疫チェックポイント阻害剤で、体内の免疫系を利用して腫瘍に対する免疫反応を回復させるように設計されています。オプジーボが、体内の免疫系を利用してがんと闘うという治療オプションことにより、オプジーボは複数のがんにおいて重要なとなっています。

2014年7月、オプジーボは、PD-1免疫チェックポイント阻害剤として世界で初めて薬事承認を取得、現在、米国、欧州、日本、中国を含む65カ国以上で承認されています。

ヤーボイについて

ヤーボイ(Yervoy、ipilimumab、イピリムマブ)は、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原-4(CTLA-4)に結合する遺伝子組換えヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4は、免疫応答を負に調節する免疫チェックポイント受容体です。ヤーボイは、CTLA-4に結合し、CTLA-4とそのリガンドであるCD80/CD86との相互作用を阻害します。CTLA-4の遮断は、腫瘍浸潤性T-エフェクター細胞の活性化および増殖を含む、T細胞の活性化および増殖を増強することが示されています。また、CTLA-4シグナルを阻害することでと、T制御細胞の機能が低下、抗腫瘍免疫反応を含むT細胞の反応性の全般的な増加に寄与する可能性があります。

2011年3月25日、FDAが、切除不能または転移性メラノーマの患者さんに対するヤーボイ3mg/kgの単剤療法を承認しました。ヤーボイは、50カ国以上で切除不能または転移性メラノーマの治療薬として承認されています。ヤーボイの開発プログラムは、複数の腫瘍型にまたがる広範なもので、現在も進行中です。

2015年10月、オプジーボとヤーボイの併用レジメンは、転移性メラノーマの治療薬として規制当局の承認を受けた最初のがん免疫療法の併用療法であり、現在、米国、欧州連合を含む50カ国以上で承認されています。

オプジーボとヤーボイを用いた併用療法は、これまでに非小細胞肺がん、転移性メラノーマ、進行性腎細胞がん、悪性胸膜中皮腫、食道扁平上皮がんの5つの腫瘍を対象とした6つの第3相臨床試験で、OSの有意な改善を示しています。さらに、オプジーボは、転移性尿路上皮がんの2次治療および筋肉浸潤性尿路上皮がんのアジュバントにおいて臨床的有用性を示しています。

膀胱がんを対象としたCheckMate -901試験

CheckMate -901試験では、シスプラチンベースの化学療法に不適格な切除不能または転移性尿路上皮がん患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法も評価されています。さらに、CheckMate -901の重要な意図を持つサブスタディでは、シスプラチンベースの化学療法が適応となる患者さんにおいて、オプジーボと化学療法の併用と化学療法単独を比較評価しています

主要試験では、合計707名の患者が、オプジーボ(1mg/kg)とヤーボイ(3mg/kg)を3週間ごとに4サイクル投与、その後オプジーボ(480mg)を4週間ごとに最大2年間投与する群と、化学療法(ゲムシタビン・シスプラチンまたはゲムシタビン・カルボプラチン)を3週間ごとに6サイクル投与する群へ、無作為に割り付けられました。

主要評価項目は、シスプラチンベースの化学療法に不適格な患者の全生存期間(OS)、および腫瘍細胞のPD-L1発現率が1%以上の患者のOSです。主な副次評価項目は、無作為化された全患者のOS、無増悪生存期間(PFS)および安全性結果です。

腫瘍細胞のPD-L1発現率が1%以上の患者さんのOSアウトカムは、CheckMate -901主要試験のこのエンドポイントの最終有効性解析に基づいており、他の部分は現在進行中です。

参照リンク

Bristol Myers Squibb Provides Update on CheckMate -901 Trial Evaluating Opdivo (nivolumab) Plus Yervoy (ipilimumab) as First-Line Treatment for Patients with Unresectable or Metastatic Urothelial Carcinoma
BMSのOpdivo+YervoyのPD-L1発現膀胱癌初治療の生存改善効果示せず

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