キュリス社が、白血病対象の第1/2a相「TakeAim」試験(NCT04278768)および、リンパ腫対象第1/2相試験(NCT03328078)について、FDAが臨床試験を一部中断を指示したことを発表しました。白血病対象の試験では、再発・難治性の急性骨髄性白血病(AML)またはハイリスクの骨髄異形成症候群(MDS)患者を対象に、経口でエマブセルチブ(CA-4948)の単独療法およびアザシチジンまたはベネトクラックスとの併用療法について、第1/2A相用量増加および拡大試験が行われています。また、リンパ腫対象の試験では、B細胞性悪性腫瘍の患者を対象にemavusertibを検討する非盲検用量漸増試験です。
キュリス社。悪性腫瘍領域での開発に注力
キュリス社は、がん治療のための革新的な治療薬の開発に注力しています。2015年、オンコロジー分野でAurigene社と提携で、同社は、VISTA/PDL1拮抗薬CA-170、TIM3/PDL1拮抗薬CA-327、およびIRAK4キナーゼ阻害薬エマブセルチブなど免疫チェックポイントの経口低分子拮抗薬の独占ライセンスを取得しています。
また、同社はImmuNext 社と抗VISTAモノクローナル抗体CI-8993の共同開発を行っており、現在、固形がん患者を対象としたフェーズ1試験が進行中です。また、ジェネンテックとロシュが進行性基底細胞腫の治療薬として同社オリジナルのErivedgeを販売しています。
エマブセルチブは、AML、MDS、非ホジキンリンパ腫の患者を対象に、単剤およびBTK阻害剤イブルチニブとの併用で、第1/2相でTakeAim試験が実施され、1月に最新の臨床試験結果が発表されています。その際の安全性への懸念から同社の株価は発表後に下落しています。FDAから希少疾病用医薬品に指定されています。(キュリス社のウェブサイト www.curis.com)
安全性に関する懸念
今回の一部中断指示により、FDAは、いくつかの症状のうち、横紋筋融解症を経験したR/R AML患者さんの死亡に関するデータを含む本試験の追加データを要求しております。なお、同毒性はエマブセルチブの用量制限毒性として以前から確認されています。
さらに、FDAは横紋筋融解症に関するデータおよび本試験におけるエマブセルチブの推奨第2相用量の決定を含む、安全性、有効性、その他のデータを要求しています。
キュリスの最高経営責任者であるJames Dentzer氏は、「これまで観察されたエマブセルチブの臨床プロファイルを考慮、適切な審査を経て、早期に試験を再開できるものと期待しています」と述べています。一部保留の間、本試験に新たな患者登録はされず、現在治療を受けている患者は、300mg BID以下の用量でエマブセルチブによる治療を継続することができます。
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