統合失調症・双極性障害の不穏の急場の治療薬としてイガルミをFDA承認。BioXcel社株価16%上昇

schizo

BioXcel Therapeuticsは4月6日水曜日、a2aアドレナリン受容体刺激薬デクスメデトミジン舌下投与剤イガルミ(Igalmi)を、統合失調症または双極I/II障害に関連して不穏を被っている成人の急性期治療薬としてFDAに承認されたと発表しました。CEOのVimal Mehta氏は、イガルミがこの疾患に対する約10年ぶりの新しい急性期治療薬であり、「市場を大きく変える可能性を秘めた、差別化されたアプローチ」であると述べています。

米国での統合失調症と双極性障害の患者数は730万人で、多ければそれらの4人に1人が不穏を被り、1年あたり最大2500万回のアジテーションが発生しています

今四半期末に発売される予定の本剤は、医療従事者の監督のもとで患者が自己投与することができます。BioXcel社は、BXCL501としても知られるこの製剤が、興奮の原因メカニズムをターゲットとする可能性があり、今回の申請の根拠となった第III相SERENITY IおよびII試験や認知症関連の興奮に関するTRANQUILITY試験など、いくつかの精神神経疾患にわたる臨床試験で「抗刺激効果が観察された」と述べています。

SERENITY Iでは、統合失調症、統合失調感情障害、統合失調症性障害に伴う急性期の焦燥感を有する患者さん381名を、SERENITY IIでは、双極性障害による急性期の焦燥感を有する患者さん378名を対象に、本剤の臨床試験を実施しました。両試験の主要評価項目は、興奮、緊張、敵意、非協力的、衝動制御の低下に基づいて興奮状態の患者を評価するために用いられるPANSS興奮成分(PEC)尺度のベースラインからの変化としました。主要な副次的目標は、PECスコアのベースラインからの変化で測定される有効性が、プラセボと統計的に分離された最も早い時期でした。

素早い作用の発現

イガルミは、120μgと180μgを投与された患者さんにおいて、両試験とも最初の投与から2時間後に主要評価項目を達成しました。また、SERENITY I試験では180μg投与では20分、120μg投与では30分でプラセボとの有意差が認められ、SERENITY II試験では両投与量とも20分でプラセボとの差が認められ、速やかな作用機序を示しました。SERENITY IIの結果は、本年初めにJAMA誌に掲載さ れています。

BioXcel社は、すべての副作用の重症度は軽度から中等度であったと述べていますが、イガルミは第III相試験で治療に関連する重篤な副作用を示さなかったものの、低血圧、起立性低血圧および徐脈、QT間隔延長、傾眠などの「注目すべき副作用」を引き起こす可能性があると指摘しています。

この申請に対するFDAの決定は、当初1月に予定されていましたが、BioXcel社が情報提供の要請に応じて提出した臨床データの分析に目を通す時間を確保するため、審査が3ヶ月延長されました。米国の規制当局が承認したことで、BioXcelは初の承認薬を手にすることになり、「AIプラットフォームを使って神経科学の分野で変革をもたらす医薬品を患者に届けるという当社の使命に向けた記念すべき一歩です」とMehta氏は語り、このニュースで同社の株価は最大16%上昇しました。

BioXcelは、アルツハイマー病の急性期治療や大うつ病性障害の補助治療薬としてもイガルミを開発しています。

  • コメント: 0

関連記事

  1. TG社、ウムブラリシブの白血病試験で生存期間の「アンバランスの拡大」したため販売と申請を取り下げ

  2. 表皮水疱症の遺伝子治療、ピボタル試験成功。クリスタルバイオテック社の株価が137%上昇

  3. Libtayo

    サノフィとリジェネロン、子宮頸がん対象のLibtayoのFDA申請を取り消し

  4. 【2022年1月19日】1分でわかる世界の製薬ニュース:今日のまとめ

  5. covid

    アストラゼネカとJ&J社、コロナワクチンのまれな重篤な血液凝固反応のリスク低減へ検討

  6. Axsome社の抗うつ薬の長引いている米国FDA承認審査結果が今年前半に判明予定

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

 

☎ 080-9159-1217

海外情報・調査ご相談ください

平日 9:00-18:00

1分でわかる世界の製薬ニュースをメルマガで!

無料メルマガでは、世界の製薬ニュースを配信しています。
 

  1. colorectal cancer

    マイクロサテライト安定性BRAF V600E変異大腸癌でビラフトビ併用に…

    2022.06.25

  2. approved

    ノバルティス、欧州でタブレクタがMETエクソン14読み飛ばし異変の非…

    2022.06.22

  3. 肺炎

    米メルク、21価の肺炎球菌ワクチン「V116」良好な第1/2相結果。7月…

    2022.06.22

  4. ADC

    HER3乳がん対象のパトリツマブ・デルクステカンの良好なデータを第…

    2022.06.21

  5. breast cancer

    サノフィ、AMEERA-4試験中止も、大規模試験開始で目指す最初の術前…

    2022.06.21

  6. SLE

    デュクラバシチニブ、全身性エリテマトーデス(SLE)への第II相試験…

    2022.06.20

  7. partners

    バイオジェン、Alectos社のパーキンソン病治療薬候補GBA2阻害剤のラ…

    2022.06.20

  8. lung cancer

    抗TIGITへ暗雲。ロシュ、チラゴルマブ小細胞肺がん対象で全生存期間…

    2022.06.15

  9. lung cancer

    第一三共のパトリツマブ デルクステカン、乳癌に続きHER3肺癌でもAS…

    2022.06.15

  10. blood

    CAR-T療法「​​Carvykti」が多発性骨髄腫において「2年後」も奏効率…

    2022.06.10

  1. crohns diseasae

    アッヴィのリンヴォックが、クローン病で1年治療効果維持の評価項目…

    2022.05.12

  2. 【コラム】JMDC COOに聞く!患者啓発に使えるリアルワールドデータ 

    2022.03.23

  3. 2022年4月13日(水)Vaczine Analytics社ご紹介セミナー【オンライ…

    2022.03.01

  4. insights4webinar

    2022年3月16日(水)開催定例ウエビナー:ケーススタディで学ぶ「エ…

    2022.02.15

  5. アムジェン、第4四半期業績発表。全体として増収もエンブレルは減収

    2022.02.10

  6. 塩野義、新型コロナ経口薬、日本で早期承認取得検討。ファイザー治…

    2022.02.09

  7. ファイザー、新型コロナ経口薬パクスロビド売上220億ドル(約2.5兆…

    2022.02.09

  8. ワクチン未接種の死亡率、ブースター接種と比べて97倍にもなると米C…

    2022.02.07

  9. Libtayo

    サノフィとリジェネロン、子宮頸がん対象のLibtayoのFDA申請を取り…

    2022.01.31

  10. blood

    ギリアドのマグロリマブ併用投与の血液腫瘍対象の試験をFDAが一部保…

    2022.01.27

  1. 【ケーススタディ】10年後上市をめざす化合物の評価と価値最大化の…

    2022.02.21

  2. medinew

    2022年3月2日(水)オンライン開催:医薬品デジタルマーケティング…

    2022.02.16

  3. insights4webinar

    2022年3月16日(水)開催定例ウエビナー:ケーススタディで学ぶ「エ…

    2022.02.15

  4. 2022年2月24日(木)オンライン開催:1ヶ月かかっていた医師のリサ…

    2022.02.06

  5. 2022年2月16日(水)開催 無料オンラインセミナー:データを活用し…

    2022.02.03

  6. 米国市場進出への新しいオプション。コストを抑え、最速で新薬の上…

    2022.02.01