[ Firstword Pharma 4月1日 ]Sage Therapeutics( 以下セージ社)は、軽度認知障害(MCI)とアルツハイマー病による軽度認知症の患者を対象に試験中の経口NMDA受容体モジュレーター、SAGE-718のフェーズ2試験において「有望な」結果が示されたことを報告した。この報告から同社の株価が12%も上昇しました。同社によると、LUMINARY試験において、SAGE-718は、実行能力、学習、記憶を測定する様々なテストにおいて「改善」に関連することが示されたとのことです。
開発責任者のJim Doherty氏は、「この結果は、パーキンソン病やハンチントン病などのSAGE-718プログラム全体に見られる認知機能の改善を示唆するシグナルと一致し、勇気づけられる」と述べています。
LUMINARY試験では、MCIおよびアルツハイマー型認知症による軽度認知症の患者26名に、1日1回14日間投与し、認知能力を評価するための一連のテストを実施しました。主要評価項目は、治療上発生の有害事象(TEAE)で、同社は、SAGE-718の忍容性は良好で、7人の患者に8件の軽度から中等度のTEAEが報告されたと述べたが、詳細は明らかにしていない。本試験では、重篤な有害事象や死亡例はなかった。
有効性データの兆候
ClinicalTrials.govの登録ページには、いずれの指標もエンドポイントとして記載されていないが、セージ社は有効性の兆候を垣間見ることができたとしている。同社によれば、投与14日目には、数字記号の置き換え、マルチタスク、空間ワーキングメモリなど、さまざまな実行機能評価で患者さんに改善がみられたという。また、パターン記憶テストや言語認識記憶テストでも改善が見られたという。
さらに、28日目までに、モントリオール認知機能評価(MoCA)において、ベースラインから統計的に有意な2.3ポイントの効果が見られたが、単純注意/精神運動速度の測定では「予想通り、評価できる効果は見られなかった」と述べています。
また、臨床的全般印象尺度やAmsterdam Instrumental Activities of Daily Living Questionnaire(A-IADL-Q)などの機能評価においても、「特に複雑で高次な活動の側面を測定する項目で顕著な改善が見られた」と強調した。LUMINARYの結果は、4月5日に米国神経学会(AAN)の年次総会で発表される予定です。
SAGE-718は、ハンチントン病による早期から中等度の認知機能障害を有する患者を対象としたプラセボ対照の第2相DIMENSION試験も実施中です。SAGE-718は、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病によるMCI患者を対象とした追加の第2相試験を本年中に開始する予定です。
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