新型コロナウイルスワクチン 日本国内の開発・接種状況は(3月23日更新)

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3回目接種率35%

政府のまとめによると、3月22日公表時点の国内の新型コロナウイルスワクチン接種回数は2億4713万2594回。総接種回数のうち、1回目は1億215万3541回、2回目は1億50万6158回で、1回以上接種した人は人口の80.7%、2回の接種を完了した人は79.4%。高齢者では92.8%が1回以上接種を受け、92.5%が2回接種を完了しています。

ワクチンの効果が持続するのは2回目接種後半年程度とされ、2021年12月から国内でも3回目の接種がスタートしました。追加接種の対象となるのは、2回接種を完了した18歳以上の人全員で、接種の時期は2回目接種から8カ月以上が原則。ただし、医療従事者や高齢者施設入所者らについては6カ月、その他の一般の高齢者は7カ月(2022年2月以降)に短縮されます。同年3月以降は、一般の高齢者の接種間隔が6カ月、64歳以下の人は7カ月となる予定ですが、余力のある自治体では64歳以下の人についても6カ月に前倒しすることを認めています。

3回目、高齢者は76%接種

政府のまとめによると、3月22日公表時点で3回目の接種を受けたのは4447万2895人。3回目の接種率は35.1%となっており、65歳以上の高齢者では76.3%が3回目を済ませています。

3回目接種に使用するのは、ファイザーまたはモデルナのmRNAワクチン。1回目・2回目に接種したワクチンの種類にかかわらず、どちらのワクチンを使用しても構いません。ファイザー製は昨年11月に、モデルナ製も同12月に、それぞれ追加接種での使用について承認を取得しています。日本政府は今年分のワクチンとして3億2000万回分を確保しており、昨年12月から今年2月にかけて5894万回分を追加接種用として供給。これも含め、5月までに1億回分あまりを供給する予定です。

今年1月にはファイザー製が5~11歳への接種について承認を取得し、2月から接種がスタート。3月22日の公表時点で19万3503人が接種を受けています。

新型コロナをめぐっては、昨年11月に南アフリカで初めて報告されたオミクロン株が世界中で急速に広がり、日本でも昨年夏の第5波を上回る感染拡大を引き起こしています。ファイザー製もモデルナ製も追加接種によってオミクロン株に対しても効果を示すとの研究が報告されています。両社はオミクロン株に対応した新たなワクチンの開発を進めており、ファイザーは1月25日に、モデルナも同26日に、海外で臨床試験を開始しました。

3つのワクチンが使用可能

現在、国内で使用可能な新型コロナウイルスワクチンは3種類。昨年2月にファイザー製が承認を取得し、5月にはモデルナ製とアストラゼネカ製も承認されました。

アストラゼネカのワクチンは、海外で接種後に血小板減少を伴う血栓症を発症したケースが報告されていることもあり、政府は公的接種での使用を見合わせていましたが、昨年8月から原則として40歳以上の人を対象に公的接種で使用できるようになりました。

「国産」も開発進展

国内ではこのほか、昨年2月に米国で緊急使用が認められたジョンソン・エンド・ジョンソンのウイルスベクターワクチンが同5月に承認申請。武田は、米ノババックスが開発した組換えタンパクワクチンを国内で製造・供給することになっており、昨年12月に日本で承認申請を行いました。同ワクチンは2本の海外臨床第3相(P3)試験で90%前後の有効性を示していて、武田は厚労省と1億5000万回分の供給契約を結んでいます。

関連記事:米ノババックス、遅れる新型コロナワクチンの展開

組換えタンパクワクチンは、サノフィとグラクソ・スミスクラインも開発を進めており、昨年7月から国内でP3試験が行われています。

日本企業では、アンジェス(DNAワクチン)、塩野義製薬(組換えタンパクワクチン)、KMバイオロジクス(不活化ワクチン)、第一三共(mRNAワクチン)などが開発を行っています。

アンジェスは20年12月からP2/3試験を行っていましたが、21年12月、安全性に問題はなかったものの期待する効果が得られなかったと発表。同社は、有効性の向上を狙って同年8月から高用量製剤を使ったP1/2試験を行っており、「今後は高用量製剤の開発に注力していく」としています。

塩野義は昨年10月からP2/3試験を開始し、塩野義は12月からベトナムでグローバルP3試験をスタート。今年1月には、アストラゼネカ製ワクチンと中和抗体価を比較するP3試験を国内で開始しました。3月4日には、追加接種に関するP2/3試験でファザー製に対する非劣性が確認されたとの中間報告を発表しています。

KMバイオロジクスも昨年10月からP2/3試験を実施中。第一三共は同年11月からP2試験を行っており、先月末にはブースター接種の臨床試験も開始しました。各社の承認取得の目標は、塩野義が最短で21年度中、第一三共が22年中、KMバイオロジクスが22年度中。このほか、田辺三菱製薬はカナダ子会社メディカゴが開発した植物由来ウイルス様粒子ワクチンのP1/2試験を昨年10月から行っていて、今年7~9月の申請を目指しています。2月にはカナダで承認を取得しました。

【新型コロナウイルスワクチン日本国内の開発状況】: ファイザー(mRNA)/承認 |アストラゼネカ(ウイルスベクター)/承認 |モデルナ*(mRNA)/承認 |ヤンセンファーマ(ウイルスベクター)/申請 |ノババックス*(組換えタンパク)/申請|サノフィ(組み換えタンパク)/P3 |塩野義製薬(組換えタンパク)/P3|KMバイオロジクス(不活化)/P2/3 |第一三共(mRNA)/2 |アンジェス(DNA)/P1/2|エリクサジェン(mRNA)/P1/2 |メディカゴ/P1/2 |VLPセラピューティクス(mRNA)/P1|IDファーマ(ウイルスベクター)/前臨床 |*モデルナとノババックスのワクチンは武田薬品工業が国内で開発・供給 |※各社の発表をもとに作成

副反応の報告状況は

厚生労働省によると、2月20日までに報告された副反応疑いの頻度は、昨年2月から接種が行われているファイザー製で0.02%、同5月から接種が行われているモデルナ製が0.01%、同8月から接種が行われているアストラゼネカ製は0.01%。3回目接種では、ファイザー製で0.01%、モデルナ製で0.00%の頻度で報告がありました。厚労省の専門家部会は「いずれのワクチンも、安全性の重大な懸念は認められない」と評価しています。

同日までにアナフィラキシーが疑われるとして報告があったのは、ファイザー製で3181件、モデルナ製で523件、アストラゼネカ製で5件。このうち、国際分類に照らしてアナフィラキシーに該当すると判断されたのは、ファイザー製609件(接種100万回あたり3.5件)、モデルナ製57件(同1.5件)で、アストラゼネカ製は0件でした。いずれのワクチンでも、疑い例を含めてほとんどの症例が治療によって軽快・回復しています。

接種後に心筋炎や心膜炎を発症したとして同日までに報告があり、国際基準に基づいて評価された事例は、ファイザー製で心筋炎28件・心膜炎11件、モデルナ製で心筋炎18件・心膜炎2件。アストラゼネカ製ではいずれも0件でした。

接種後に報告された死亡例は、2月20日時点でファイザー製1403件(接種100万回あたり7.8件)、モデルナ製82件(同2.1件)、アストラゼネカ製1件(同8.6件)。厚労省は「現時点では、ワクチンとの因果関係があると結論づけられた死亡例はなく、3回目接種後の事例を含め、引き続き集団としてのデータを系統的に検討していく」としています。
(公開:2021年1月14日/最終更新:2022年3月23日)

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