【コラム】JMDC COOに聞く!RWDを活用できる組織作り

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(株)JMDCのCOO杉田氏が、製薬企業におけるRWDなどデータ活用のヒントをお伝えする本コラム。
近年、RWDを活用されていない製薬企業はないといえるほどにRWDが浸透しており、各社ともにRWDを深く広く利用するためにという目的で、専門の組織や部署を立ち上げられるところが増えてきています。今回のコラムでは少し趣向を変え、RWDの分析に関してではなく、私達が普段接する機会の多いRWD部署や組織の、課題やその解決策に関して触れられればと思います。

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杉田:JMDCのCOOの杉田と申します。今回は「RWDを活用できる組織作り」というテーマで、これまでのRWD分析事例とは異なり、RWDに関する製薬企業の組織的なテーマに触れられればと思います。

穴吹:製薬本部マネージャーの穴吹と申します。本記事では私がインタビュワーとなって、進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。普段接している製薬企業の方々のお話を伺っていても、RWDを専門的に取り扱う部署が増えてきたなという印象です。よろしくお願いいたします。

杉田:穴吹さんが感じられているように、これまで製薬企業の各部署ごとに購入され、活用されてきたRWDですが、社内で利活用が広まるにつれて、横串の専門組織やプロジェクトチームを立ち上げて、基本的にその組織が取り扱うというケースが増えてきています。この背景としてはいくつか推察されるのですが、各部署が個々にデータを購入しているために、各部署がデータを重複して購入してしまう恐れがでてきた、データの料金が高いために一部署の予算で対応することが憚られるので横断的な組織を作った、グローバルの組織に対応するローカルの組織として構築した、会社としてRWDを推進していくことを中期計画として定めた、などがあるかと思います。

―確かに会社によって様々な異なる目的で設立され、どこまでの業務を担うかという業務範囲も異なっているように見受けられます。

杉田:そうですね、設立された目的が違うので業務が異なってくるのは必然なのですが、それによってRWDの利活用の促進という重要な部分まで踏み込めていない組織がみられるのもまた事実だと思っています。そういう視点からみると、下記が私が各社の組織を外からみた時に感じる課題の一例になります。

RWD専門組織において起きている問題

1点目はまさしくRWD専門組織の設立目的がデータの重複購買を避けるため、というところにあるために、購買部・調達部以上の動きができていないという部分にあります。データの購入窓口としては一つに管理されているので効率よい購入はできるが、活用の仕方は各部署任せになってしまっていて、大きくは以前と変化できていなかったりということが起きます。

2点目は、データの購買だけでなく、RWDの分析も専門の部署で行うが、社内受託のようになってしまっており、各部署の依頼を受けて分析をしているという状態です。そうするとこちらも結局これまでRWDの活用経験があり価値をわかっている部署の方は活用するが、活用せずに業務をこなせてきている方は活用をしないという状況が続きます。これではRWDを活用する幅は広がりません。

そして最後の3点目は、この3つの中では一番進んでいる組織において起こる課題かなと思いますが、社内でのRWD分析依頼がすごく多く、分析するデータサイエンティストはそこまでいないので、分析のリードタイムが長くなってしまう故に、各部署がリードタイムを待てず結局外に分析を外注しているという状態です。これはグローバルに専門組織が存在していて、依頼するのにすごくコミュニケーションコストがかかる、という場合も同様です。

―RWD専門組織の段階や業務範囲によっていろいろな課題が発生しうるのですね。よくわかりました。これらを防ぐため、RWDの活用促進までを行うためにはどうしたらいいのでしょうか。

杉田:そうですね、理想的には、RWDの社内利活用促進までを見据えて、組織の業務分掌からしっかりと見直す必要があるかなと思います。そして、その業務定義に合わせた人材やオペレーションを構築していくというのが最善です。下記に参考までに、JMDCが考える、RWD専門組織を立ち上げる際の検討要素を載せてみます。

RWD組織作りに必要な要素

よくあるのが、RWD分析が社内でできることを最終ゴールとして組織を構築してしまったがゆえに、そこまで各部署においてRWD活用が浸透しないということがあります。それを防ぐためにも、 RWDの社内浸透、というところを見据えた組織にする必要があると思っています。例えばRWDを今活用している部門だけではなく、活用できていない部門からも人を巻き込むとか、社内勉強会を定期的に行うことも業務とする、などの施策は有意義と思います。

もちろん、すでに組織がある場合やグローバルと組織の機能を揃えている場合など、今から業務範囲を大きく変えることは難しい場合もあるかと思います。ただ、その中でも、RWDがなかなか社内で浸透しないんだよなという課題感をお持ちの場合には、上記のようなポイントの一部でも参考にしていただけると良いかなと思います。

―確かに普段データを提供している立場からしても、メディカルや新製品企画などすごく活用いただけている部門もあれば、そこまで分析の依頼やデータ購入の依頼がこない部門もある印象です。RWDが活用できていない部門が活用できるようになる、会社としてRWDを促進するためにはどういった打ち手が必要なのでしょうか。

杉田:ありがとうございます。我々もよくご相談いただきますが難しい問題ではあります。必ずしもRWDを活用していないからダメということはなくて、それによってどれだけ業務が効率化されて、数字の精度があがるか、というところがポイントですので、RWDの必要性の薄い部門があるのは間違いないです。ということも前提としていただいた上で、活用を促進するのに必要なポイントを考えると下記は重要な点だと感じております。

データ文化の浸透に重要なポイント

1点目は、会社としてデータを活用していくぞという姿勢になります。データを本気で活用しようとすると、インフラや人材、データ購入含めてかなりの費用や手間がかかってきます。それを進めるためにはトップダウン的な勢いが必須ですし、それに伴う予算も必要となってきます。各部署の現場側でRWDの価値を理解していて、データを活用する必要性を強く感じていても、会社全体として利活用の度合いを上げるためには、トップのコミットが必要になります。

2点目は、上記の図の3つ目に飛んでしまいますが、やはりデータの価値を実業務で感じ続けてもらうことが必要です。やはりデータを使った方が効率的に業務が遂行できているという実感がない限りでは、いくらトップダウンでデータ活用のメッセージを強くだしていても、現場には根付かないものとなってしまいます。

3点目は、図の二点目に当たりますが、RWD活用の取り組みを評価する仕組み、が必要になります。特に最初のころは、RWD活用によっていきなり成果がでない場合もあると思いますが、活用すること自体を評価することによって、RWD活用の成果がでようとでまいともう一度やってみよう、というインセンティブになります。それによって複数回データ活用に挑戦してもらうことで、徐々に価値を出せるようになり、自発的に活用が進んでいくサイクルに載せることができると思っております。

―なるほどよくわかりました。最後に何かございますでしょうか。

杉田:JMDCは、RWD領域のパイオニアとして、通常提供しているデータやRWD分析サービスに加えて、今回ご紹介したような「RWDの活用促進を行いたい」「RWDを活用した新規事業ワークショップを検討している」「RWD専門組織の立ち上げを検討している」、というような製薬企業の方々の課題に対しても、社内のノウハウを活用してコンサルティングサポートを提供しております。データ購入していただいたあとは、活用すればするほど価値を出せるものですので、ぜひそのあたりでお困りのことがあればご連絡いただければと思います。

―ありがとうございます。それでは今回もこのあたりで終了とさせていただければと思います。

出典

▷記事提供元はこちら(Medinew メディカルマーケティングマガジン)

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