【2月21日】今週のオンコロジー関連ニュースのまとめ

癌腫共通

AstraZenecaがScorpion社と組んで取っ付き難い癌蛋白質を御する薬に取り組む

2022/1/14

AstraZenecaがScorpion Therapeuticsと組んで取っ付き難い癌蛋白質の相手をする治療の開発に取り組みます。Scorpion社はAstraZenecaからひとまず7500万ドルを手にし、薬剤候補を見つけて臨床試験に向けた前臨床検討を進め、AstraZenecaは気に入った薬剤候補を手に入れてその後の開発や販売を担うことができます。AstraZenecaは最大で3つの薬剤候補を選択できます。”

Scorpion Therapeutics Enters Agreement with AstraZeneca to Discover, Develop and Commercialize Novel Cancer Treatments Against ‘Undruggable’ Targets / BUSINESS WIRE
https://www.businesswire.com/news/home/20220112006063/en/

カリウムチャネル阻害剤アミオダロンが癌細胞の電圧を正常化して転移を阻止

2022/1/19

アミオダロン(amiodarone)等のカリウムイオンチャネル阻害剤が腫瘍細胞の電圧を正常化して転移を阻止しうることが示されました。
調べたカリウムイオンチャネル阻害剤4つの中でアミオダロンの細胞電圧正常化作用が最も強力でした。マウスの乳癌をアミオダロンで治療したところ腫瘍がちぎれてよそに広がっていくのを防ぐことができました。
アミオダロンやヒトへの使用が既に承認されている他の同じ類の薬を少数の癌患者に投与する第1相試験はすぐに始めることができるでしょう。”

Researchers reduce breast cancer metastasis in animal models by modifying tumor electrical properties / Eurekalert
https://www.eurekalert.org/news-releases/939736

血液腫瘍

Kura Oncology社、AML治療薬の臨床試験継続へ。FDAが保留を解除

2022/1/20

Kura Oncology社が1月21日木曜日、再発または難治性の急性骨髄性白血病(AML)患者を対象としたKO-539のKOMET-001試験の継続をFDAに許可されたと発表した。実験的な選択的メニン阻害剤を研究する第Ib相試験は、分化症候群に関連すると思われる患者の死亡を受け、昨年11月に一部保留となっっていた。
Kura社によれば、分化症候群(AML治療における分化誘導体に関する既知の有害事象)に対する緩和する方向性についてFDAと合意したため、保留が解除されたとのことである。

「患者スクリーニングを再開するための活動が進行中であり、今後数ヶ月のうちに第Ib相試験の患者登録を促進し、KO-539の第II相推奨用量を決定したいと考えています」とCEOのTroy Wilsonは述べています。それでも、同社の株価は木曜日に約8%下落しました。

KOMET-001試験の第Ia相試験では、2019年に最初の患者が投与され、約1年後に初期結果が発表されました。Kuraによると、この治療薬は、NPM1変異とKMT2A再配列を有する患者を含む、再発または難治性AML患者のオールカマー集団において有望な単剤活性を示した、しかし、当時の治療患者12名のデータに基づき、本剤の忍容性は良好であったが、Kura社は、膵炎、リパーゼ増加、好中球数低下、腫瘍崩壊症候群、深部静脈血栓症などのグレード≧3の治療関連有害事象を指摘しています。

一方、同社は昨年、臨床試験の第Ib相部分の最初の被験者の投与を開始しています。これには2つの拡大コホートが含まれ、それぞれ12名のNPM1変異またはKMT2A再配列の再発または難治性AML患者が登録される予定です。ClinicalTrials.govの記載によると、KOMET-001の全体目標登録患者数は約90名であり、2022年8月に完了する予定となっています。

CEOのWilson氏は、「現在登録されている患者さんで観察された安全性、忍容性、臨床活性に引き続き勇気づけられ、将来の医学会議で第I相試験の包括的な最新情報を共有することを楽しみにしています」と述べています。”

Kura Oncology Receives FDA Authorization to Proceed with Phase 1b Study of KO-539 in Acute Myeloid Leukemia
https://www.globenewswire.com/news-release/2022/01/20/2370561/35186/en/Kura-Oncology-Receives-FDA-Authorization-to-Proceed-with-Phase-1b-Study-of-KO-539-in-Acute-Myeloid-Leukemia.html

急性骨髄性白血病(AML)細胞は脱リン酸化酵素SCP4なしでは生きられない

2022/1/17
これまで最も得体の知れなかったホスファターゼ(脱リン酸化酵素)の一つSCP4の触媒作用を頼りに急性骨髄性白血病(AML)細胞は生きており、一方正常な造血前駆細胞はSCP4が無くても平気なことが明らかになりました。

また、SCP4は似た2つのキナーゼ(kinase paralog)・STK35とPDIK1Lのどちらかと複合体を形成してそれらの抑制性リン酸化を解除してキナーゼ安定性を促します。
STK35やPDIK1LはAML増殖を維持したりアミノ酸生合成/輸送を担うSCP4経路の一員であり、SCP4を作る遺伝子CTDSPL2を省くとAML細胞は死にました。SCP4を討つ薬は正常な血液細胞が増えるのを邪魔することなくAML細胞を死なせて枯らすことができるかもしれません。

Obscure protein is spotlighted in fight against leukemia / Cold Spring Harbor Laboratory
https://www.cshl.edu/obscure-protein-is-spotlighted-in-fight-against-leukemia/

消化器がん

sorafenib化学療法を経た肝癌患者の生存がMerckのKeytrudaで1か月半ほど改善

2022/1/20

Nexavar (ネクサバールsorafenib、ソラフェニブ) かオキサリプラチン(oxaliplatin)化学療法を経たアジアの肝細胞癌(HCC)患者へのMerck &amp Coの抗PD-1薬Keytruda(キイトルーダpembrolizumab)の第3相試験(KEYNOTE-394)での生存がプラセボ群を1か月半ほど上回りました。

試験はsorafenibかオキサリプラチン化学療法の甲斐なく進展したかそれらの治療を許容できなかった中国、香港、韓国、マレーシア、台湾の肝細胞癌(HCC)患者453人が参加しました。

Keytruda治療群の全生存中央値は14.6か月であり、プラセボ群の13か月を1.6か月上回りました。sorafenib治療を経たHCC患者へのKeytruda治療が米国で取り急ぎ承認されています。今回の結果でその承認を不動にしうるかどうかが米国FDAに検討される予定です。

Merck’s KEYTRUDA? (pembrolizumab) Significantly Improved Overall Survival (OS) Versus Placebo in Certain Patients With Advanced Hepatocellular Carcinoma (HCC) Previously Treated With Sorafenib / BUSINESS WIRE
https://www.biotoday.com/view.cfm?n=98326

AstraZenecaのImfinziの胆道癌初治療Ph3生存が化学療法のみを1か月強上回った

2022/1/19

胆道癌(BTC)をお決まりの化学療法とAstraZenecaの抗PD-L1抗体Imfinzi(イミフィンジ、durvalumab)で初治療した第3相試験TOPAZ-1の生存中央値は12.8か月であり、化学療法+プラセボの11.5か月を有意に1か月強上回りました。2年間の生存率はImfinzi+化学療法は25%、化学療法+プラセボは10%と推定されています。

Imfinzi plus chemotherapy reduced risk of death by 20% in 1st-line advanced biliary tract cancer / AstraZeneca
https://www.businesswire.com/news/home/20220118006248/en/

AstraZenecaのtremelimumab+Imfinzi肝癌初治療生存がsorafenibを6か月上回る

2022/1/19

AstraZenecaの抗CTLA4抗体tremelimumab(トレメリムマブ)と抗PD-L1抗体Imfinzi(イミフィンジdurvalumab )による肝癌初治療の第3相試験HIMALAYAでの生存(OS)中央値は16.4か月であり、Nexavar (ネクサバールソラフェニブ) 単独の13.8か月を2か月半ほど有意に上回りましたが、Imfinzi単独のOS中央値16.6か月には見劣りし、tremelimumab投与の意義は意見が分かれるかもしれません。Imfinzi単独治療の生存中央値がsorafenib単独に劣らないことも示されました(16.6か月 vs 13.8か月)。”

Imfinzi plus tremelimumab demonstrated unprecedented survival in 1st-line unresectable liver cancer with 31% of patients alive at three years / AstraZeneca
https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2022/imfinzi-plus-tremelimumab-unprecedented-survival-1st-line-unresectable-liver-cancer.html

肺がん

EQRx社の抗PD-L1抗体スゲマリマブが肺癌初治療第3相試験で生存改善を達成

2022/1/20

新薬を安く提供することを目指すEQRx社のPD-L1阻害抗体sugemalimab(スゲマリマブ)が肺癌初治療の第3相試験(GEMSTONE-302)で生存改善を達成しました。

同剤と化学療法によるステージ4非小細胞肺癌(NSCLC)患者治療の全生存が化学療法のみを上回りました。詳しい結果は後に学会で発表されます。同試験でのsugemalimab治療の無増悪生存(PFS)改善効果はすでに確認されており、その結果の論文がThe Lancet Oncology誌に先週14日に掲載されています。

Sugemalimab Demonstrates Statistically Significant Overall Survival Benefit in Patients with Stage IV Non-Small Cell Lung Cancer / GLOBE NEWSWIRE
https://www.globenewswire.com/news-release/2022/01/19/2368959/0/en/Sugemalimab-Demonstrates-Statistically-Significant-Overall-Survival-Benefit-in-Patients-with-Stage-IV-Non-Small-Cell-Lung-Cancer.html

婦人科がん

子宮内膜癌患者生存がMerckのKeytruda+エーザイのLenvimaで改善したPh3論文

2022/1/21

白金化学療法を経た子宮内膜癌患者の生存がMerck &amp Coの抗PD-1薬Keytruda(キイトルーダpembrolizumab)とEisai(エーザイ)のキナーゼ阻害剤Lenvima(レンビマlenvatinib)の併用で改善した第3相試験(KEYNOTE-775/Study 309)結果が論文報告されました。

全生存(OS)中央値はpembrolizumab+lenvatinib 群では18.3か月、化学療法群では11.4か月でした。

Results From Pivotal Phase 3 KEYNOTE-775/Study 309 Trial of KEYTRUDA® (pembrolizumab) Plus LENVIMA® (lenvatinib) in Advanced Endometrial Carcinoma Published in the New England Journal of Medicine
https://www.businesswire.com/news/home/20220120005102/en/

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