バイオジェン、Ionis社SMA治療候補薬BIIB115の完全ライセンスを取得

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バイオジェン社が、Ionis Pharmaceuticals社の脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬候補薬BIIB115の、全世界を対象としたロイヤリティー支払い付き独占ライセンスを取得することを1月4日発表しました。バイオジェン社は、Ionis社に6000万ドルをアップフロントとして支払います。

前臨床段階のアンチセンス薬BIIB115は、投与間隔の延長を可能にする期待がされています。

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バイオジェン社の神経筋開発部門の責任者である Toby Ferguson氏は、以下のように述べています。

「当社の神経学の専門知識とIonis社アンチセンステクノロジーのリーダーシップを組み合わせることが、スピンラザ (ヌシネルセン)は脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療の基礎になっています。しかし、SMAの治療にとってまだ満たされていないニーズが残っています」

脊髄性筋萎縮症(SMA)の根本原因の解消をめざすBIIB115

脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy: SMA)とは、ALSと同じ運動ニューロン病の範疇に入る希少疾患で、脊髄の 運動神経 細胞(脊髄前角細胞)の病変によって起こる神経原性の筋萎縮症です。

体幹や四肢の筋力低下、筋萎縮を進行性に示します。SMA患者は運動神経細胞維持(survival motor neuron、SMN)蛋白質を十分に作ることができません。そのため、このBIIB115はSMN蛋白質生成を増やすことでSMAの根本原因の解消を目指します。バイオジェン社は、BIIB115を臨床試験に進め、安全性、忍容性、薬物動態、有効性を調査する予定です。

6000万ドルの一時金をはじめとするライセンス契約条件は?

一時金6000万ドルとは別に、BIIB115に関連して、Ionis社へは、ライセンス後の開発、規制、商業上のマイルストーン、および販売ロイヤリティーが含まれる契約です。また、バイオジェン社は昨年末の第3四半期決算発表で、BIIB115の開発、製造および将来の商業化に関連する費用を単独で負担することになると述べています。

長期で広範な戦略的提携に基づく契約

BIIB115のライセンス契約は、神経疾患の新規治療法を開発するための両社の長期的な協力関係に由来しています。

バイオジェン社は昨年末の第3四半期決算発表で、Ionis社からライセンス供与された別のアンチセンス薬であるスピンラザが4億4400万ドルを売り上げたが、米国の売上が競合の影響を受けたこともあり10%減となったと報告しています。この治療法は、初年度は患者1人当たり75万ドルかかるが、次年度以降は37万5,000ドルに減少します。

スピンラザが10%売り上げ減少も売り上げを伸ばす競合品ゾルゲンスマ

一方、ノバルティスの脊髄性筋萎縮症SMA治療薬であるゾルゲンスマ (Onasemnogene abeparvovec)は、欧州と新興成長市場でのアクセス拡大が牽引し、2021年第3四半期の売上高は29%増の3億7500万ドルとなりました。2019年に米国で初めて承認されたこの遺伝子治療は、210万ドルの費用で1回の点滴として投与されます。

ロシュ社とPTCセラピューティクス社の1日1回投与のSMA経口治療薬エブリスディ(risdiplam)は、SMN2スプライシング修飾薬で、2020年に米国で承認されました。10月末時点で、ロシュ社はエブリスディの年間累計売上高が約3億9600万スイスフラン(4億3200万ドル)であると報告しています。

参照

Biogen Exercises Option with Ionis to Develop and Commercialize Investigational ASO for SMA
難病情報センター、脊髄性筋萎縮症
BiogenがIonisに6000万ドルを払って前臨床段階SMA治療アンチセンス薬を取得