ガラクトース血症対象AT-007の米国申請をアプライド社が延期。株価31%下落

アプライド・セラピューティクス(Applied Therapeutics)は、ガラクトース血症治療薬候補薬、アルドース還元酵素阻害剤AT-007のFDAへの申請に関して、これまでは2021年第3四半期までの申請を目指していたが、米国規制当局との協議が進むまで保留することを決定したと発表しました。この発表後、同社の株価は31%下落しました。

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同社のAT-007は、毒性ガラクチトール値の減少効果からFDAの迅速承認申請の対象として審議されていましたが、2021年末にFDAからのフィードバックを受け、承認前に臨床結果の更なるデータを要求する可能性があることがアプライドから発表されました。

アプライド・セラピューティクスのCEOのShoshana Shendelman氏は、「FDAによる今回の方向転換には失望したが、ガラクトース血症の患者さんにこの重要な治療法を提供することに引き続き尽力する」と述べています。

ガラクトース血症とは

ガラクトース血症とはガラクトースを代謝する経路のいずれかの障害で血中のガラクトース濃度が上がった状態を指します。母乳やミルクに含まれる糖の主成分である乳糖は新生児や乳児にとって主要なエネルギー源で、小腸でグルコースとガラクトースに分解されて体内に吸収されます。このガラクトースを体がエネルギーやさまざまな目的に利用するためには肝臓に取り込み、グルコースへ変換する必要があります。このどこかで異常が起こるとガラクトース血症となります。

症状と徴候としては,肝および腎機能障害,認知障害,白内障,早発卵巣不全などがあります。診断は赤血球の酵素分析およびDNA解析による。治療法は食事からのガラクトースの除去です。身体的予後は治療により良好となりますが,認知性および動作性のパラメータはしばしば正常となりません。

AT-007とは

AT-007は、ガラクトース血症を含む複数の希少疾患を対象として開発され治験中の新規アルドース還元酵素阻害剤です。AT-007は、血液脳関門を通過して中枢神経系に到達します。AT-007 は、希少代謝疾患であるガラクトース血症および先天性糖鎖異常症(PMM2-CDG)の治療薬として、FDA からオーファンドラッグおよび小児むけオーファンドラッグの指定を受けています。

22年第1四半期には、小児用臨床試験の評価を実施

現在AT-007は、成人のガラクトース血症患者を対象とした長期非盲検試験で評価されていますが、2~17歳の小児を対象とした第3相試験「ACTION-Galactosemia Kids」では、認知、言語、行動、運動能力などの臨床結果を経時的に測定し、プラセボとの比較試験も進行中です。小児試験は2022年の第1四半期に完了し、その後は6カ月ごとに評価をし、統計的な有意性データを得る予定です。

当初、「ACTION-Galactosemia Kids」試験では、用量漸増試験とバイオマーカー試験に分けられ、その後、別の長期臨床成果試験が実施されることになっていましたが、すべての参加者が治験薬AT-007の恩恵を受けられるようにすることに関する追加の技術情報をFDAが求めたため、2020年に一時臨床保留となっています。

昨年2月に保留が解除され、アプライド社は、この2つの試験を1つの2部構成試験に統合し、「用量漸増試験とバイオマーカー試験を完了したすべての患者が、治療を中断することなく長期転帰試験にスムーズに移行できるように」しています。

その他の中枢神経系疾患でも開発中

同社によると、AT-007は、ガラクトース血症の動物モデルにおいて、毒性ガラクチトール値を低下させ、疾患合併症を予防する能力を示し、また、成人および小児の臨床試験において、プラセボに対して血漿ガラクチトールを有意に低下させたとのことです。

この中枢神経系に浸透するアルドース還元酵素阻害剤は、SORD欠損症やPMM2-CDGなど、他の希少な神経疾患についても開発が進められているところです。

参照

新しいタイプのガラクトース血症を発見/AMED
ガラクトース血症/MSDマニュアル
Applied Therapeutics Provides Regulatory Update on Galactosemia Program/ Applied Therapeutics
Applied Therapeutics Provides Regulatory Update On Galactosemia Program [Fidelity]

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