レオ・ファーマのトラロキヌマブ、米でアトピー性皮膚炎で承認。IL-13標的として初

レオ・ファーマが、12月28日、トラロキヌマブ(Adbry)が中等度から重度のアトピー性皮膚炎を対象に米FDAから承認されたことを発表しました。この承認でトラロキヌマブが、IL-13を特異的に標的とする製剤として米国で最初の承認薬となりました。なお、トラロキヌマブは、現時点で、欧州、英国、カナダ、アラブ首長国連邦ですでに承認されており、Adtralza®という商品名で使用されています。

「一分でわかる世界の製薬ニュース」をメルマガで

banner

世界の製薬ニュースを「日本語」でお届けします!
● 世界で最も注目されている製薬ニュースを
● メルマガ会員登録は無料、毎日配信
● 海外のニュースも日本語でしっかり読めます

メルマガ会員登録はこちらから

トラロキヌマブとは?

トラロキヌマブは、アトピー性皮膚炎の徴候および症状の背景にある免疫/炎症プロセスに影響を与えるサイトカインIL-13を特異的に中和するヒトモノクローナル抗体です。トラロキヌマブが、IL-13のみに特異的に結合することで、IL-13受容体のα1/α2サブユニット(IL-13Rα1およびIL-13Rα2)との相互作用を阻害、受容体との相互作用やその後の下流 IL-13 シグナル伝達を防ぐことでアトピー性皮膚炎の治療効果が期待されます。

アトピー性皮膚炎とサイトカインIL-13

アトピー性皮膚炎とは、かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。慢性かつ炎症性の不均一な皮膚疾患であり、強いかゆみと湿疹様病変を特徴とします。

アトピー性皮膚炎では、皮膚の「バリア機能」(外界のさまざまな刺激、乾燥などから体の内部を保護する機能)が低下します。そのため、外から抗原や刺激が入りやすくなっており、これらが免疫細胞と結びつき、アレルギー性の炎症を引き起こします。

これらの病態には2型炎症にかかわるサイトカインIL-4や、IL-13などが関与していることがわかっています。IL-4とIL-13の両方をブロックする抗体製剤は、表皮のバリア機能の改善、皮膚の炎症の制御、痒みの軽快のいずれにも優れた効果を発揮します。

また、かゆみを感じる神経が皮膚の表面まで伸びてきて、かゆみを感じやすい状態となっており、掻くことによりさらにバリア機能が低下するという悪循環に陥ってしまいます。

(出典:国立成育医療研究センター https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/allergy/atopic_dermatitis.html  広島大学病院皮膚科 https://dermatology.hiroshima-u.ac.jp/scholar/study/study_f/ )

中等度から重度のアトピー性皮膚炎を対象に米FDAからの承認

今回の承認は、中等度から重度のアトピー性皮膚炎患者約2000人を対象とした第3相試験(ECZTRA 1、ECZTRA 2、ECZTRA 3)の結果が裏付けとなっています。これら3つの試験すべてにおいて、トラロキヌマブを隔週で単独または副腎皮質ホルモン外用剤(TCS)とともに投与したところ、16週目に主要評価項目であるIGA(Investigator Global Assessment)スコア(皮膚が透明またはほぼ透明)、およびEASI-75(湿疹面積と重症度の指標)の75%以上の改善度が認められ、トラロキヌマブの有効性が確認されました。

トラロキヌマブは、TCSとの併用も可能であり、皮下注射用プレフィルドシリンジで、初回投与は600mg、その後は300mgを隔週で投与する予定です。

FDAへの完全回答書提出で予定よりも遅れた米国での承認

CEO代理のAnders Kronborg氏は、今回の承認に関して「米国における当社初の生物学的製剤であるAdbryは、医療用皮膚科領域における標準治療の向上という当社のミッションにおいて重要な進展を意味するものです」と述べています。

当初は2021年第2四半期に予定されていた米国での申請に関する決定は、当局がトラロキヌマブのデバイスコンポーネントに関するさらなるデータを求める完全回答書(CRL)を発行したため、延期されました。

同薬は2021年6月には、欧州の規制当局から承認、英国、カナダ、アラブ首長国連邦でも承認されております。また、サノフィとリジェネロン製薬のIL-4/IL-13阻害剤デュピクセントに対して同薬がどう対抗しているかも注目されています。トラロキヌマブは、2016年、10億ドル以上の価値が見込まれる取引の一部として、アストラゼネカからレオファーマが皮膚科対象のモノクローナル抗体として、権利を獲得していました。

関連ニュース

LEO Pharma announces FDA approval of Adbry™ (tralokinumab-ldrm) as the first and only treatment specifically targeting IL-13 for adults with moderate-to-severe atopic dermatitis

同カテゴリーの記事