アラコス社の株価88%下落。好酸球性消化管疾患対象の主要試験で失敗

アラコス社(Allakos)は、好酸球性胃腸管疾患を対象にリレンテリマブ(lirentelimab)を評価した2つの試験の結果が発表されました。ENIGMA 2試験およびKRYPTOS試験、ともに主要エンドポイントを達成したものの、いずれの試験でも患者から報告された症状の改善については、統計的に有意な改善を達成できませんでした。この結果の発表後にアラコス社の株価が、88%も下落しました。

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自己免疫性疾患に注力のアラコス社

アラコス社は本社を米国カルフォルニア州にもつ10年前に設立された167人のバイオ医薬品企業です。アレルギー性疾患、炎症性疾患および増殖性疾患を対象とした治療用抗体の開発を進めています。同社が開発を進めるリレンテリマブ(以前はAK002)は同社の唯一の開発品で、好酸球性胃炎および胃腸炎、じんま疹、無症候性全身性肥満細胞症、重度のアレルギー性結膜炎を対象としています。また、FDAからの承認をうけた医薬品はありません。

https://www.allakos.com/

同社のCMO(最高医学責任者)のクレイグ・パターソン氏(Craig Paterson)は、今回の結果は「驚きであり、残念な結果ですが、結果を理解し、リレンテリマブの今後の方針を決定するためにデータ分析を継続します」と述べています。リレンテリマブは、以前はAK002として知られおり、第II相試験の結果、消化管組織の好酸球数および患者が報告する疾患症状の両方において、プラセボに対して有意に有益であることが示されたため、後期開発段階に移っていました。

第III相臨床試験 ENIGMA 2

ENIGMA 2試験には、好酸球性胃炎および/または好酸球性十二指腸炎患者180名が登録され、リレンテリマブまたはプラセボの24週間の静脈内投与が無作為に割り付けられました。その結果、リレンテリマブ投与群では84.6%が組織学的に治癒したのに対し、プラセボ投与群では、4.5%でした。また、第二の主要評価目標である日常症状チェックテスト(TSS-6)の平均スコアの変化は、リレンテリマブ投与群では-10、プラセボ投与群では-11.5でした。

アラコス社は、組織学的解決は、胃の高倍率視野(HPF)5枚で好酸球数4個以下、および/または十二指腸のHPF3枚で好酸球数15個以下と定義し、第二目標は、腹痛、吐き気、鼓腸、早期満腹、腹部痙攣、食欲不振の6症状に関する自己報告の絶対変化で測定しています。

KRYPTOSの第II/III相試験

2番目の第II/III相KRYPTOS試験では、276名の好酸球性食道炎患者を対象に、リレンテリマブまたはプラセボの24週間の静脈内投与が無作為に割り付けられました。トップラインの結果では、リレンテリマブ高用量投与群で87.9%、低用量投与群では92.5%、プラセボ群では0.9%の被験者が組織学的な治癒を達成したことが示されましたが、もう1つの主要評価項目である嚥下障害症状質問票(DSQ)の絶対平均変化量は、リレンテリマブ高用量投与群では-17.4、低用量投与群では-11.9、プラセボ群では-14.6でした。

この場合の組織学的消失は、食道内の好酸球/HPFが6個以下と定義され、もう一つの主要目標は、嚥下障害を評価するDSQの絶対変化で測定されました。また、両試験において、リレンテリマブの安全性に関する新たなシグナルは認められず、軽度から中等度の注入関連反応は、プラセボ投与群の最大14%に対し、本剤投与群の最大39%に認められました。

今後はアトピー、じんま疹、喘息で開発を継続する予定

パターソン氏は、「当社は、アトピー性皮膚炎、じんま疹およびぜんそくを対象としたリレンテリマブ皮下投与の開発努力を継続する予定です」と加えました。同幹部は、「アトピー性皮膚炎試験が進行中であり、2022年に慢性じんましんと喘息の試験を開始する予定です。」と示しました。

出典

Allakos Announces Topline Phase 3 Data from the ENIGMA 2 Study and Phase 2/3 Data from the KRYPTOS Study in Patients with Eosinophilic Gastrointestinal Diseases

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