第3相試験で高い有効率を示す
今回の欧州における承認の決定は、15,000人のボランティアを対象とした英国での第3相ピボタル試験での、全体で89.7%の有効率、また、米国とメキシコで行われた30,000人のボランティアによるPREVENT-19試験での、全体で90.4%、中程度から重度の疾患に対する100%の予防効果を示す臨床試験に基いています。
ノババックス社は、8月にEUと最大2億回分のNuvaxovidの事前購入契約に合意しており、1月には欧州に供給が開始される予定です。また、欧州医薬品庁やそのパートナー企業とも協力し、現地での発売テストを迅速に進めているということです。
欧州において5つめの新型コロナワクチン
欧州においては、新型コロナワクチンは、mRNA技術をベースにしたファイザー/バイオンテックのコミルナティ(Comirnaty)とモデルナのスパイクバックス(Spikevax)、そしてウイルスベクターワクチンのアストラゼネカのヴァクシェブリア(Vaxzevria)とジョンソン・エンド・ジョンソンのAd26.COV2.Sがすでに承認されており、これらに続く5つ目のワクチンとして加わることになります。
ノババックス社は、2021年末までにFDAに完全なパッケージを提出する予定であると述べているものの、製造上のハードルに直面し、米国の規制当局への認可申請と投与量の増産に関するスケジュールを延期しています。同社は昨年、16億ドルの契約を米国と締結し、ワクチンの開発と米国向けに1億回分の用量を提供することを決定しています。
日本では武田薬品が承認申請中
日本においては、武田薬品が12月6日に、ノババックスから導入のワクチンの製造販売承認申請を厚生労働省に行ったことを発表している。同ワクチンは武田薬品の自社工場でのワクチン生産の整備を進めており、2022年初頭の供給を目指しています。
なお、ノババックス社は、同ワクチンが世界保健機関(WHO)から緊急リストへ加えられたと発表しています。インドとそのライセンス地域でインド血清研究所(SII)により「コバックス」の名称で製造・販売されており、先週末には、国連機関から緊急使用リストに認定されました。ノババックス社とSIIは、インドネシアとフィリピンでコバックスの緊急使用認可を取得しています。