アルツハイマー治療薬「ガンテネルマブ」がFDAから画期的治療薬に指定

insights4

ロシュ社のCEOセヴリン・シュヴァン氏が、今年7月に、バイオジェン社とエーザイ社のアデュカヌマブがFDAから承認を得たことを受けて、同社開発中の抗アミロイド抗体ガンテネルマブ(gantenerumab)に関してFDAと協議していることを示唆していましたが、10月8日金曜日、ガンテネルマブがアルツハイマー病の治療薬としてFDAから画期的治療薬の指定を受けた事を発表しました。

失敗が続いたガンテネルマブの臨床試験

ロシュ社は、ガンテネルマブ(RG1450として知られる)が、

散発性アルツハイマー病患者を対象としたSCarlet RoAD試験およびMarguerite RoAD非盲検延長試験、優性遺伝性アルツハイマー病患者を対象としたDIAN-TU-001試験において、アミロイドプラークを有意に低下させたことを指摘していますが、これら3つの試験はいずれも最終的に失敗に終わりました。

SCarlet RoADおよびMarguerite RoADでは中間無益性分析に失敗し、DIAN-TU-001ではgantenerumabは認知機能低下の速度を有意に抑えることができませんでした。
ロシュ社はこれらの研究から得られた知見を、2022年後半に完了する予定の重要な第3相試験であるGRADUATE 1および2の「最適化されたデザイン」に取り入れたと述べています。

GRADUATE 1および2では、前駆症状から軽度のアルツハイマー病患者さんを対象に、アミロイド負荷および疾患進行の下流バイオマーカーに対するガンテネルマブの効果、および安全性と有効性を検討しています。これらの試験には、2年以上にわたって治療を受けた2000人以上の患者が含まれています。

同社のグローバル製品開発責任者であるLevi Garraway氏は、今回のFDAからの画期的治療薬への指定について、「家庭での投与が可能な初のアルツハイマー病治療薬となるガンテネルマブに対する自信を強化するものである」と述べています。

続くアルツハイマー病対象の開発

バイオジェン社とエーザイ社は、抗アミロイドβプロトフィブリル抗体であるlecanemabのローリング申請を開始しています。これは、βアミロイドプラークを減少させることで認知機能を改善することができるという理論に基づいて、アルツハイマー病の初期段階の患者を治療することを目的としています。

イーライリリー社のアルツハイマー病治療薬候補であるドナネマブは、N3pGと呼ばれる改良型ベータアミロイドを標的としており、同様にFDAのブレークスルー指定を受けており、同社も今年後半に加速承認を求める予定であると述べています。