FDAがImpel社の片頭痛を対象とした点鼻スプレー「Trudhesa」を承認

Impel NeuroPharmaは9月3日金曜日、DHE(メシル酸ジヒドロエルゴタミン)の点鼻スプレーTrudhesaを、片頭痛の前兆の有無にかかわらず、片頭痛に苦しむ成人の利用をFDAが承認したと発表した。

このFDA承認のニュースで同社の株価は21%上昇、10月初旬には同製品の発売を予定していると述べています。同社は第3相試験であるSTOP 301試験の結果に基づき承認申請をしており、この試験では、過去6ヶ月間、月に2回以上の片頭痛発作を経験した360人の患者が登録され、Turdhesaをつかった自己投与による最長52週間の断続的な使用を評価しています。

消化管を介さずに血管へ運ぶテクノロジー

INP104と呼ばれていたこの点鼻スプレーは、インペル社のPOD(precision olfactory delivery)技術を用いて、DHEを血管の豊富な鼻腔上部から血管に運びます。これにより、Trudhesaは、消化管を介さず、経口治療に伴うような潜在的な副作用や吸収の問題を回避することができ、「片頭痛発作の発症から数時間後に投与しても、注射や点滴をせずに症状を緩和することができます」と述べています。

STOP 301試験では、5650件以上の片頭痛発作が治療され、主要な安全性と忍容性の目標を達成しました。最も頻繁に報告されたTrudhesa関連の副作用は、17.8%の割合で発生した鼻づまりであり、続いて、吐き気、鼻の不快感、嗅覚異常、嘔吐がいずれも7%未満の被験者で見られました。Trudhesaに関連する重篤な治療上の緊急有害事象はありませんでした。ただし、本製品には、DHEに伴う末梢虚血のリスクについての枠付き警告が記載されています。

低用量のDHE投与の臨床試験も実施

一方、STOP 301試験では、片頭痛に関する有効性の評価が行われ、その結果、Trudhesaは「迅速かつ持続的で一貫した症状の緩和」をもたらしたとしています。なお、本試験において、Trudhesaが1.45mgのDHEを投与しており、これは現在承認されている2mgのDHE投与量の約73%にあたります。「最適な投与量を設定することは、患者がDHEの確立された有効性プロファイルの恩恵を受けつつ、望ましくない副作用を引き起こす可能性がないようにするために重要です」と述べています。FDAは現在、DHEの最大投与量を週6mgに制限しています。
エイドリアン・アダムス最高経営責任者(CEO)は、「何百万人もの片頭痛患者に、片頭痛発作の後半に服用しても、迅速かつ持続的で一貫した緩和効果が得られる可能性のある、経口ではない急性期治療の選択肢を提供する」と述べています。

Amneal Pharmaceuticals社は、同じくDHEをベースとした、プレフィルドシリンジ式自動注射器による片頭痛治療薬を開発しています。最近、FDAに申請し、2022年半ばに決定する予定です。

関連英文ニュース

Impel NeuroPharma Announces U.S. FDA Approval of TRUDHESA™ (Dihydroergotamine Mesylate) Nasal Spray for the Acute Treatment of Migraine

関連記事

  1. aduhelm

    バイオジェン、エーザイのアデュカヌマブ、FDAまたはNIHが承認した試験のみがメディケアの保険適用対象とのNCD発表

  2. アルツハイマー治療薬「ガンテネルマブ」がFDAから画期的治療薬に指定

  3. アムジェンとアストラゼネカ、tezepelumab第3相喘息対象の試験の結果を発表

  4. Lillyやエーザイはアルツハイマー病薬の米国での取り急ぎの承認を引き続き目指す

  5. heart

    BMSのマバカムテン、FDAによる承認審査決定が4月末に迫る中で、更にポジティブなデータを発表

  6. iran

    イラン人の寿命や健康状況

 

☎ 080-9159-1217

海外情報・調査ご相談ください

平日 9:00-18:00

「1分でわかる海外製薬ニュース」

無料で、海外製薬ニュースを日本語で配信しています。
 

  1. colorectal cancer

    マイクロサテライト安定性BRAF V600E変異大腸癌でビラフトビ併用に…

    2022.06.25

  2. approved

    ノバルティス、欧州でタブレクタがMETエクソン14読み飛ばし異変の非…

    2022.06.22

  3. 肺炎

    米メルク、21価の肺炎球菌ワクチン「V116」良好な第1/2相結果。7月…

    2022.06.22

  4. ADC

    HER3乳がん対象のパトリツマブ・デルクステカンの良好なデータを第…

    2022.06.21

  5. breast cancer

    サノフィ、AMEERA-4試験中止も、大規模試験開始で目指す最初の術前…

    2022.06.21

  6. SLE

    デュクラバシチニブ、全身性エリテマトーデス(SLE)への第II相試験…

    2022.06.20

  7. partners

    バイオジェン、Alectos社のパーキンソン病治療薬候補GBA2阻害剤のラ…

    2022.06.20

  8. lung cancer

    抗TIGITへ暗雲。ロシュ、チラゴルマブ小細胞肺がん対象で全生存期間…

    2022.06.15

  9. lung cancer

    第一三共のパトリツマブ デルクステカン、乳癌に続きHER3肺癌でもAS…

    2022.06.15

  10. blood

    CAR-T療法「​​Carvykti」が多発性骨髄腫において「2年後」も奏効率…

    2022.06.10

  1. crohns diseasae

    アッヴィのリンヴォックが、クローン病で1年治療効果維持の評価項目…

    2022.05.12

  2. 【コラム】JMDC COOに聞く!患者啓発に使えるリアルワールドデータ 

    2022.03.23

  3. 2022年4月13日(水)Vaczine Analytics社ご紹介セミナー【オンライ…

    2022.03.01

  4. insights4webinar

    2022年3月16日(水)開催定例ウエビナー:ケーススタディで学ぶ「エ…

    2022.02.15

  5. アムジェン、第4四半期業績発表。全体として増収もエンブレルは減収

    2022.02.10

  6. 塩野義、新型コロナ経口薬、日本で早期承認取得検討。ファイザー治…

    2022.02.09

  7. ファイザー、新型コロナ経口薬パクスロビド売上220億ドル(約2.5兆…

    2022.02.09

  8. ワクチン未接種の死亡率、ブースター接種と比べて97倍にもなると米C…

    2022.02.07

  9. Libtayo

    サノフィとリジェネロン、子宮頸がん対象のLibtayoのFDA申請を取り…

    2022.01.31

  10. blood

    ギリアドのマグロリマブ併用投与の血液腫瘍対象の試験をFDAが一部保…

    2022.01.27

  1. 【ケーススタディ】10年後上市をめざす化合物の評価と価値最大化の…

    2022.02.21

  2. medinew

    2022年3月2日(水)オンライン開催:医薬品デジタルマーケティング…

    2022.02.16

  3. insights4webinar

    2022年3月16日(水)開催定例ウエビナー:ケーススタディで学ぶ「エ…

    2022.02.15

  4. 2022年2月24日(木)オンライン開催:1ヶ月かかっていた医師のリサ…

    2022.02.06

  5. 2022年2月16日(水)開催 無料オンラインセミナー:データを活用し…

    2022.02.03

  6. 米国市場進出への新しいオプション。コストを抑え、最速で新薬の上…

    2022.02.01