米国保健社会福祉省(HHS)は8月4日、監察総監室(Office of Inspector General, OIG)がFDAの早期承認の実施方法を調査すると発表した。この調査は、バイオジェンとエーザイのアルツハイマー病治療薬Aduhelm(アデュカヌマブ)にFDAが承認を与えたことで論争が続いていることを受けたものです。
OIGのスポークスマンであるTesia Williams氏は、「包括的な評価の一環として、FDAの適切な方針と手続きの適用に対して行った製薬会社の関係者やその他の外部団体との関係が不適切であったのか判断をします」と述べています。
FDAは様々な医薬品に早期承認を与えています。このプロセスを批判する人の中には、FDAがこのプロセスを頻繁に使用していることや、製薬会社が必要なフォローアップ研究を完了しないことがあると主張する人もいます。OIGは、Aduhelmの承認について、「FDA内での科学的論争の疑い、諮問委員会の承認反対票、FDAと業界関係者との密接な関係への疑惑、FDAによる迅速な承認経路の使用などにより、懸念が生じている」と指摘しています。
2023年に予定されているOIGの報告書、科学的妥当性の評価はしない
OIGは、レビューの一環として、FDAと外部の関係者とのやりとりや、早期承認への決定や科学的な論争などを調べるとしています。また、FDAの既存の方針や手続きが遵守されているかどうかを判断し、Aduhelmを含む、承認促進制度を用いて承認された医薬品のサンプルに基づいて、適切な調査結果と提言を行うとしています。ただし、OIGは、FDAがいかなる医薬品を承認するかについて、「科学的妥当性を評価することはない」と述べています。
先月、FDA長官代理のジャネット・ウッドコック氏は、Aduhelmの承認決定の影響に対処するために、6月7日の論争の的となった承認までの期間にバイオジェンの代表者とFDAスタッフの間で行われたコミュニケーションについて、独立したレビューを開くようOIGに依頼しました。ウッドコック氏は水曜日に、FDAはOIGの調査に全面的に協力するとツイートしています。OIGの報告書は、2023年に確定する予定です。
関連リンク
Review of the FDA’s Accelerated Approval Pathway
Dr. Janet Woodcock [Twitter]
HHS to Review FDA’s Accelerated Approval After Biogen Approval