Imugene、HER-Vaxxがんワクチンが胃がん対象の第2相試験で50%のORRを示す

オーストラリアのバイオテクノロジー企業であるImugene社は、7月5日、HER-Vaxxがんワクチンの第2相試験の最新結果を報告、B細胞ペプチド免疫療法ワクチンを化学療法に追加することで、特定の胃がん患者の全奏功率(ORR)が50%になったと発表しました。この結果は、欧州医用腫瘍学会(ESMO)の消化器がんに関する学会で発表され、、同社は、HER-Vaxxが、従来のモノクローナル抗体と同様の治療効果をもたらし、それに対応する適応免疫反応を、毒性を追加することなく提供できる可能性があることを示しているとしています。

この第2相臨床試験では、HER-2/neu過剰発現の転移性または進行性の胃または胃食道接合部の腺がん患者39名を対象としています。参加者は、HER-Vaxxペプチドワクチンを標準化学療法と併用する群と、標準化学療法のみを行う群に無作為に割り付けられました。有効性の主要評価項目は全生存期間(OS)で、副次評価項目はORR、無増悪生存期間(PFS)、病勢コントロール率などでした。

腫瘍の反応は抗体レベルと関連

その結果、部分奏効以上を達成した患者の割合は、化学療法のみを受けた患者では29%であったのに対し、HER-Vaxx群では50%でした。また、腫瘍サイズの縮小率も、HER-Vaxxを投与された患者さんの方が「実質的に高かった」としています。

腫瘍の反応はHER-2特異的抗体の量と相関しており、HER-Vaxxを投与された患者では、早期に「高いレベル」が得られ、治療期間中および維持期間中に「わずかなブースター注射」で維持されたと述べています。また、抗体レベルが1050ng/mL以上の患者では、腫瘍の縮小率が50%以上であったことから、バイオマーカーとしての可能性もあるとしています。

昨年11月に発表された中間解析データによると、Imugene社は、HER-Vaxxと化学療法の併用により、化学療法のみの場合と比較して、死亡リスクが58.2%減少したと発表しています。また、OSの中央値は2群でそれぞれ14.2カ月と8.8カ月を達成しています。

本データが発表された時点で、独立データモニタリング委員会は、HER-Vaxx群の生存率が良好であり、毒性の追加もないことから、試験終了までに必要な患者数を少なくすることを推奨しました。本試験の募集は本年1月に終了し、4月には、必要数がPFSがあつまり、統計的に有意なPFS目標が達成されたことを発表していました。

Imugene社は、HER-VaxxはIMU131としても知られており、複数のB細胞エピトープから構成されるがん免疫療法で、胃がん、乳がん、卵巣がん、肺がん、膵臓がんなど、HER-2/neu受容体を過剰に発現する腫瘍を治療するよう設計されていると述べています。

HER-Vaxxは、オーストリアのウィーン医科大学の研究から生まれたもので、患者自身の免疫システムが腫瘍細胞を攻撃する抗体を産生するように誘導するよう設計されています。ロシュ社のハーセプチンのようなモノクローナル抗体を定期的に使用する代わりに、同社のがんワクチンを使用することを目標としています。

このワクチンは、B細胞エピトープペプチドをベースとしており、このペプチドを注射すると、患者のB細胞がHER2受容体に対する抗体を生成し、HER2陽性のがん細胞の成長を遅らせ、免疫システムによって破壊されます。HER-Vaxxは、前臨床試験およびHER2陽性乳がんを対象とした第1相試験において、複数の種類の抗体に基づくポリクローナル抗体反応を誘導することが確認されています。

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