米国本社でInsights4Pharmaと日本国内のクライアント向けサポートにおいて戦略的パートナーシップ契約を締結しているエバサナ社から、コストを抑えつつ新市場へ新薬を投入するクライアント向けのサービスの資料「THE NEW GOLD STANDARD OF DRUG COMMERCIALIZATION」が発表されました。本日は本発表記事の一部をInsights4が翻訳、編集してお届けいたします。
新薬販売のためには販売直前の3年間で130億円以上の投資が必要
ライフサイエンス分野にいる私たちは今、新たな世界にいます。米国のみならず全世界における新薬の承認数は増え、新たな技術を用いた将来の治療薬になる可能性を秘める開発品のパイプラインが増えていくことで適度な安心感を得ている一方で、これまで以上に、コストを合理化、リスクを軽減し自社の製品、開発品の価値と実際のリターンを最大化する方法を模索しています。
新薬の発売直前3年間に費やす金額は133億円以上と言われています。この様な膨大な投資にも関わらず66%の医薬品は、発売計画どおりの利益をもたらしていません。いま、長期間に渡る新薬の開発から商業化まで耐えなければならない従来のアプローチを変革するリスクと投資を抑えて上市を目指すサービスをエバサナ社(米国)が提供しています。
エバサナは、顧客である製薬会社や新興のバイオテック企業に対し、耐えられない可能性のある従来のアプローチを目の前にした場合、違うアプローチの模索を提案しています。実際に、開発、上市、商業化までの予測不可能な状況に加え、業界からの圧力は避けられない状況に対して、クライアントは、リスクが少ない上、よりリターンを高めることができる従来とは異なる新薬の商業化に対するアプローチを求めています。
製薬企業・新興バイオテック企業が直面する課題
クライアントは、新薬の承認、販売にあたっての膨大な投資のみならず、以下のような難しい課題に直面しています。
- 需要の変動:不確実要素は財務リスク増大と予測を不可能にする
- 複雑な市場:商業化には完璧なオペレーショナル・エクセレンスが不可欠
- 人材の確保: 優秀な人材の採用の遅れは成功へのリスクに直結
- データの活用:意思決定に必要な分析機能の欠如
- 資金調達:上市・商業化に必要な膨大な資金と少ないコスト削減手段
従来の一つの方法として、製薬会社やバイオテック企業は、確立されたインフラ(営業部門、マーケティング、患者サービス、販売チャネルなど)を持つ他の製薬会社に製品をライセンスアウトもしくは売却することで、開発品の商業化を目指す戦略をとっています。。しかしながら、この戦略の問題点は、何年も、時には何十年もかけて開発された投資の所有権を失ってしまうことです。
導出や売却による失う大きな機会損失
エバサナは、折角みずから見つけ出した開発品を導出や売却によって失ってしまう潜在的な機会を損失するべきではないと考えています。エバサナは、価値を犠牲にしてしまう選択肢を取るべきではないと考えます。
製薬会社は、患者の人生を変えるような革新的な医薬品を患者さんに提供するために、多くの時間と投資を費やします。また、上市直前には、3年間で1億2500万ドルもの投資をする必要もあります。これまでは自社で新製品を新市場に投入するためには、他の製薬会社とのパートナー戦略、もしくは自社でリスクを背負っての商品化しか選択肢がありませんでした。
エバサナの提供するあらたなオプションでは、このようにリスクと大きな経費の支出を背負って自分たちだけで商品化する必要がなく、新たな新薬上市オプションとしてすでに多くの製薬企業・バイオテック企業が活用をしています。もちろん、このことは日本の製薬企業が米国市場へ進出する際にも選択できるオプションにちがいありません。
コストを抑え、新薬の上市を成功させる方法「統合新薬商業化サービス」とは?
2018年に、ライフサイエンス業界における市場調査および戦略コンサルティングを提供していたエバサナは、クライアント向けに新製品の商業化サポートサービスを「統合新薬商業化サービス」を開始いたしました。このサービスにより、製薬会社、バイオテック企業そしてメドテック企業が新製品を新市場において、自らが、完全でフルスケールのカスタマイズされた商業化を実施することが可能となりました。
本サービスの開始以来、エバサナは、ライフサイエンス業界におけるコンサルティングサービスに加え、新市場での新薬の販売をサポートするサービスを多くの製薬・バイオテック企業のサポートをしています。
統合新薬商業化サービス{EVERSANA COMPLETE COMMERCIALIZATION}と呼ばれるエバサナのエンド・ツー・エンドの商業化エンジンは、クライアントに対して、発売戦略、戦略の実行、長期的なアウトソースサービス(流通、フィールドサポート、患者ハブサービスを含む)全般に渡って商業化のサポートを提供します。
エバサナ社の、製薬会社やコンサルティング企業、米国の規制当局出身のコンサルタントなどの人的資源、米国においては、医薬品の保管を可能にするストックヤードなどのインフラ、そしてクライアントの製品の販売をサポートする営業エージェントなどの営業フォースを自社で抱えています。クライアントは、自社の開発品の権利を保持したままで、開発をすすめ、承認後には自ら保有するライセンスを維持したままで新薬を販売することが可能となります。
このことで、クライアントの承認プロセスと販売開始の投資、そして営業・マーケティング活動のコストは最小限に抑えることができます。このサービスの開始に当たり、エバサナ社は5億ドル以上の投資を行いましたが、毎年大幅な投資を続けています。
統合新製品商業化サービスによるメリット
このサービスの活用でクライアントは以下のようなメリットを得ることができます。
■ 自社資産を完全に所有したまま商業化を進めることができます。
■ 新製品の発売時のパフォーマンスを最適化することができます。
■ 成熟期にある医薬品でも収益の可能性を最大限に引き出せます。
このサービスはすでに、これまでどの企業も達成できなかった重要な要素、すなわち商業化の全段階における各機能のつながりと相乗効果を可能にしています。専任のコマーシャリゼーション・リーダーのもと、社内における業界の専門家がサポートをすることで、合理的なコミュニケーションと業務の効率化を図ることができます。チームが1つの目標を共有することで、クライアントは外部からの圧力を克服し、リスクを軽減し、医薬品の市場投入を最も効果的に成功させることができます。
「EVERSANA COMPLETE COMMERCIALIZATION」は、従来のヘルスケアの部門間のサイロを破壊し、意思決定を促進する実用的なデータ分析を提供します。病気の複雑性の理解、予測と患者とのコミュニケーションの改善、より効果的な臨床試験の設計、トレンドの予測、治療経路のカスタマイズなど、さまざまなことが可能です。
Zosano Pharma社の片頭痛治療薬「Qtrypta」の商業化サービス契約の締結
エバサナは、Zosano Pharma社と片頭痛の急性期治療のための世界初の経皮吸収型マイクロニードル治療薬であるQtryptの商業化と販売に関してサービス提供のパートナーシップ契約を締結しました。
今回の提携により、Zosano社は、独自でインフラを構築するための多大な費用と時間をかけることなく、包括的な商業化リソースにアクセスすることができます。
Zosano社の社長兼CEOであるスティーブン・ロー氏は、以下のように述べています。
「当社とエバサナ社は、Qtryptaが承認された場合、患者さんがアクセスできるように適切なリソースを提供するために、商業化戦略が一致するように緊密に協力してきました。今回の提携により、上市のために必要となる資金の調達プロセスを回避し、導出した場合に失われる製品の経済的価値の大部分を維持することができます。さらに、Zosano社は、リスクとエクスポージャーを最小限に抑えながら、初期の投資金額を大幅に減らすことができました。」
新しい新薬上市のオプションとして
刻々と変化する世界では、従来の戦略にもチューニングが必要です。この革新的な商業化モデルは、市場への影響を維持し、財務上のリスクを軽減したいと考える人々にとって、実際には最も安全なオプションとなるでしょう。
このクライアントが新商品をユーザーに届けることを可能にする商業化サービスモデル「統合新薬商業化サービス」により、クライアントは、「すべてを単独で行う」場合や「他の製薬会社と提携」する場合に比べて、「ほんのわずかなコスト」で自社の医薬品を市場に投入することができます。
出典
THE NEW GOLD STANDARD OF DRUG COMMERCIALIZATION by Greg Skalicky, Chief Revenue Officer, EVERSANA