ハンチントン病の遺伝子治療薬VY-HTT01の臨床試験の保留をFDAが解除したことを受けてボイジャー・セラピューティクスの株価が18%も上昇しました。ボイジャー社は、初期症状のハンチントン病患者を対象に、1回限りの遺伝子治療を行う第I/II相試験「VYTAL」を今年中に開始する予定だと発表しています。
この臨床試験の保留は、昨年10月に、薬剤とデバイスの適合性、原薬と製品の特性に関する問題を含む、特定の化学、製造、管理に関する事項の解決を待って課されていました。
「ハンチントン病を対象としたVY-HTT01の臨床試験実施申請に関するFDAの決定は、ボイジャーにとって重要なマイルストーンとなる。ハンチントン病は、HTT遺伝子の毒性のある機能獲得変異によって引き起こされる遺伝性の神経変性疾患であり、現在、承認された疾患修飾薬はありません」
と、同社のアンドレ・テュレンヌCEOは述べています。VY-HTT01は、HTTのmRNAに対するプロモーターとmiRNAを導入したアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターで構成されており、有害なHTTタンパク質の産生量を減少させるように設計されています。
一方、ボイジャーがニューロクライン・バイオサイエンシズ社と共同開発していたAAVベースの遺伝子治療薬VY-AADCのパーキンソン病を対象とした第2相試験は、FDAによって臨床的に保留されたままとなっています。この保留は、ニューロクライン社がRESTORE-1試験の一部の被験者における画像異常に関する安全性報告書を提出したことによるものです。今年初め、ボイジャーはニューロクライン社が8月2日付でパーキンソン病領域の共同研究から撤退することを発表しています。
Source】Voyager gets FDA nod to proceed with study of Huntington’s disease gene therapy