製薬業界の最新ニュースと解説

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腹膜カテーテルを留置した患者によくみられる低ナトリウム血症

腹膜カテーテルを留置した患者によくみられる低ナトリウム血症

悪性腹水の排液のために腹膜カテーテルを留置した患者では低ナトリウム血症がしばしば認められることが、後ろ向き研究で示された。80%を超える患者が腹膜カテーテル留置後に低ナトリウム血症になったこと、そしてかなりの割合の患者のナトリウム値が低いのに、それが認識も治療もされていなかった

Icotinib+放射線療法が高齢の進行食道がん患者の生存期間を延長

Icotinib+放射線療法が高齢の進行食道がん患者の生存期間を延長

高齢で切除不能な食道扁平上皮がん患者に対して、icotinib[イコチニブ]と放射線治療の併用は、放射線治療単独と比較して生存期間を延ばすなどの治療利益を促進するかもしれない、と中国の研究者らが発表した。

FDAが固形腫瘍のNTRK融合遺伝子の特定にFoundationOne CDx診断検査を承認

FDAが固形腫瘍のNTRK融合遺伝子の特定にFoundationOne CDx診断検査を承認

2020年10月23日、米国食品医薬品局(FDA)は、ラロトレクチニブ(販売名:VITRAKVI、Bayer Healthcare Pharmaceuticals, Inc.社)の治療対象となる固形腫瘍患者の腫瘍組織標本から単離されたDNA中の神経栄養受容体チロシンキナーゼ(NTRK)遺伝子、NTRK1、NTRK2、NTRK3の融合を同定するコンパニオン診断として、次世代シーケンシング(NGS)をベースとしたFoundationOne CDxテスト(Foundation Medicine.Inc.社)を承認した。

FDAが急性骨髄性白血病にベネトクラクスの併用を承認

FDAが急性骨髄性白血病にベネトクラクスの併用を承認

2020年10月16日、米国食品医薬品局(FDA)は、75歳以上で新たに急性骨髄性白血病(AML)と診断された患者、または併存疾患があり、強化寛解導入化学療法を実施しない患者を対象に、アザシチジン、デシタビン、または低用量シタラビン(LDAC)のいずれかとの併用療法を適応としてベネトクラクス(販売名:VENCLEXTA、AbbVie Inc.社およびGenentech Inc.社)を正式承認した。

FDAが古典的ホジキンリンパ腫にペムブロリズマブを拡大承認

FDAが古典的ホジキンリンパ腫にペムブロリズマブを拡大承認

2020年10月14日、米国食品医薬品局(FDA)は、再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫(cHL)の成人患者と難治性古典的ホジキンリンパ腫、または2回以上の前治療歴を有する再発古典的ホジキンリンパ腫の小児患者の適応症に対してペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ、Merck Sharp & Dohme Corp.社)の承認を拡大した。

アメリカがん協会(ACS)子宮頸がん検診ガイドライン最新版を解説

アメリカがん協会(ACS)子宮頸がん検診ガイドライン最新版を解説

2020年7月、アメリカがん協会が子宮頸がん検診ガイドライン最新版を公表した。同ガイドラインの推奨内容は、旧版ならびに他団体の推奨内容といくつかの点で異なっている。子宮頸がん検診の専門家であるNicolas Wentzensen医学博士(米国国立がん研究所[NCI]のがん疫学遺伝学部門所属)がその変更点を解説する。

テクスチャードタイプのインプラントで乳がん再発リスクが増加

テクスチャードタイプのインプラントで乳がん再発リスクが増加

乳房切除後の乳房再建にテクスチャードタイプのインプラントを使用した場合、スムースタイプと比較して乳がん再発のリスクが高くなることが、JAMA Surgery誌で報告された。

進行食道がんの早期治療に免疫チェックポイント阻害薬が有望

進行食道がんの早期治療に免疫チェックポイント阻害薬が有望

先ごろ発表された2つの大規模臨床試験の結果によると、免疫療法は一部の進行食道がん患者で早期治療の一角を担うことになるかもしれない。両試験で、標準治療に比べて免疫チェックポイント阻害薬による治療は、進行食道がん患者が増悪することなく生存できる期間を延長した。

限局性前立腺がん切除後の放射線治療の遅延は悪影響を及ぼさない

限局性前立腺がん切除後の放射線治療の遅延は悪影響を及ぼさない

限局性前立腺がんにおいて、アンドロゲン除去療法(ADT:いわゆるホルモン療法)後の放射線治療までの期間を最長180日まで延期しても全生存期間に悪影響はないという新たな報告があった。

浸潤性小葉乳がんの再発リスクを遺伝子検査で判定

浸潤性小葉乳がんの再発リスクを遺伝子検査で判定

乳がん組織中の70遺伝子の活性を探索する検査は、手術後にがんが再発または進行するリスクが高い浸潤性小葉がん(ILC)患者を特定するのに役立つと、ダナファーバーがん研究所の研究者らが新たに発表した。この知見は、浸潤性小葉がんの女性500人近くを対象とした国際臨床試験に基づくもので、本日開催される第12回欧州乳がん学会(EBBC)で発表される予定である。

直腸がんの予後予測にはTNM分類より、血管侵襲と腫瘍デポジットのほうが精度が高い

直腸がんの予後予測にはTNM分類より、血管侵襲と腫瘍デポジットのほうが精度が高い

【ロイター】直腸がん患者において、MRIの画像評価によるリンパ節ではない腫瘍結節(腫瘍デポジット、mrTDs)や壁外静脈侵襲(EMVI)は、腫瘍の大きさやリンパ節転移(mrLNMs)よりも精度の高い予後予測因子であると研究者らは述べている。

PD-L1高発現の肺がん(NSCLC)初回治療にアテゾリズマブが有用

PD-L1高発現の肺がん(NSCLC)初回治療にアテゾリズマブが有用

特定の転移非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とする少規模臨床試験において、初回治療としてのアテゾリズマブ(販売名:テセントリク)は、プラチナベース全身化学療法群と比較して、全生存期間中央値を7カ月強(41%)延長することが、Roche 社とGenentech社が出資するIMpower110試験の中間報告で示された。

胃・食道がんに免疫チェックポイント阻害薬が有益との新知見

胃・食道がんに免疫チェックポイント阻害薬が有益との新知見

現在のところ胃がんおよび食道がん患者の生命予後は不良であるが、免疫療法がこれらに有益であることを示す新しいデータが2020年欧州臨床腫瘍学会年次総会(ESMO 2020)で発表された。

AACRは2020年ノーベル化学賞を受賞したエマニュエル・シャルパンティ氏とジェニファー・ダウドナ氏を祝福

AACRは2020年ノーベル化学賞を受賞したエマニュエル・シャルパンティ氏とジェニファー・ダウドナ氏を祝福

米国がん学会(AACR)は、CRISPR/Cas9ゲノム編集法の開発で2020年ノーベル化学賞を受賞したAACRアカデミー特別会員でがん科学の貢献者として著名なドイツのマックス・プランク研究所病原体科学ユニットのエマニュエル・シャルパンティエ博士(Emmanuelle Charpentier, PhD)とカリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・ダウドナ博士( Jennifer A. Doudna, PhD)に祝意を表明する。

進行子宮頸がんに免疫療法薬Balstilimabが有望

進行子宮頸がんに免疫療法薬Balstilimabが有望

転移性子宮頸がんは現在有効な治療選択肢が限られており、罹患率は若年女性で突出して高い。 この疾患に対して、PD-1(プログラム細胞死1)を標的とする新規の免疫療法薬を研究している2件の独立した第2相臨床試験の中間報告では、この新規免疫療法薬が新たな選択肢となりうる可能性を示唆している。

非小細胞肺がんの術後放射線治療に効果なし

非小細胞肺がんの術後放射線治療に効果なし

非小細胞肺がん(NSCLC)の完全切除および(術前)術後化学療法の後に実施する術後放射線療法(PORT)は、3年無病生存率(DFS)において統計学的有意差を示さないことが2020年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会で発表されたデータにより明らかになった。この結果は、腫瘍学会が長年待ちわびた答えをもたらした

HPVワクチンで子宮頸がんリスクが低下

HPVワクチンで子宮頸がんリスクが低下

待望の研究結果で、4価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは浸潤性子宮頸がんリスクを大幅に低下させることが確認された。スウェーデンの150万人以上の女児および女性を11年追跡した調査で、30歳までの子宮頸がんリスクは、ワクチンを接種した女性では、ワクチンを接種していない女性と比較して63%低いことがわかった。

大細胞型B細胞性リンパ腫での効果と毒性に関連する注入CAR-T細胞の特性

大細胞型B細胞性リンパ腫での効果と毒性に関連する注入CAR-T細胞の特性

大細胞型B細胞性リンパ腫(LBCL)患者の治療への反応や副作用の発現に関連する抗CD19 CAR-T細胞輸液製剤の分子的、細胞的特性を、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らが明らかにした。

がん患者は疼痛管理に必要なオピオイドを入手しているか

がん患者は疼痛管理に必要なオピオイドを入手しているか

新しい研究により、米国の腫瘍内科医およびその他の医師が、高齢の患者に処方するオピオイド薬が減少してきたことが明らかになった。2013年から2017年にメディケア受給者に対するオピオイド処方率は、米国全体で、腫瘍内科医で約21%、その他の医師で約23%減少した。

アベマシクリブとホルモン療法の併用で、若年性ハイリスク乳がんの再発を抑制:ESMO 2020

アベマシクリブとホルモン療法の併用で、若年性ハイリスク乳がんの再発を抑制:ESMO 2020

ホルモン受容体陽性(HR+)およびヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)の若年性ハイリスク乳がん患者において、ホルモン療法にabemaciclib[アベマシクリブ](販売名:ベージニオ)を追加することで、がんの再発リスクが25%減少することが2020年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO) で発表された試験結果により明らかになった。

パゾパニブが小児および成人の軟部肉腫に有望

パゾパニブが小児および成人の軟部肉腫に有望

進行した軟部肉腫の患者の大半に行なう標準治療には、腫瘍切除手術の前に行なう放射線治療と、場合によっては化学療法がある。その目的は手術前に腫瘍を可能な限り多く死滅させることであり、これにより外科医は腫瘍の全部または大部分を安全に切除することができ、原発腫瘍から抜け出た可能性のあるがん細胞を殺すこともできる。

リツキシマブを加えた治療法が高悪性度B細胞リンパ腫の若齢患者に有効

リツキシマブを加えた治療法が高悪性度B細胞リンパ腫の若齢患者に有効

最近の研究結果により、バーキットリンパ腫などの増殖が速いB細胞非ホジキンリンパ腫と新たに診断された小児および若年成人の治療基準が確立された。 同研究ではリツキシマブ(リツキサン、Truxima[トルキシマ])を標準化学療法に追加し、小児および若年成人患者の全治癒率が約87%から約95%に改善した。

ニボルマブとイピリムマブ併用が一部の進行前立腺がん患者に有効

ニボルマブとイピリムマブ併用が一部の進行前立腺がん患者に有効

免疫チェックポイント阻害薬2剤併用の研究推進を支持する第2相試験結果イピリムマブ(CTLA-4阻害薬。販売名:ヤーボイ)とニボルマブ(PD-1阻害薬。販売名:オプジーボ)の併用は、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)の一部の患者に持続的な奏効をもたらす可能性があることが、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者が主導する第2相試験結果で示された。mCRPCは通常、免疫療法薬への反応が乏しい、免疫原性の低いがんである。

多くの高齢者が不必要ながん検診を受けている【全米調査】

多くの高齢者が不必要ながん検診を受けている【全米調査】

高齢者の半数以上が過去数年間に1回以上不要ながん検診を受けていたということが全米調査により判明した。一般的に、推奨年齢以上の人々は、検診の恩恵よりも検診による弊害を受ける可能性の方が高いと、研究に関与していないNCIがん対策・人口統計学部門のBarry Kramer医師は説明した。

イピリムマブが転移性去勢抵抗性前立腺癌の全生存期間を延長

イピリムマブが転移性去勢抵抗性前立腺癌の全生存期間を延長

ドセタキセル(販売名:タキソテール)の投与を受けたことのある転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者を対象とした、骨転移への放射線治療後のイピリムマブ(販売名:ヤーボイ)での治療が全生存期間の改善と関連していることが、CA184-043試験の最終結果により示された。

抗PD-L1抗体薬アベルマブは進行性尿路上皮がんの生存率を改善する

抗PD-L1抗体薬アベルマブは進行性尿路上皮がんの生存率を改善する

JAVELIN Bladder 100試験の結果によると、進行性または転移性の尿路上皮がんに対して、維持療法として avelumab [アベルマブ](販売名:バベンチオ)を支持療法( best supportive care)に追加すると、全生存期間を31%、無増悪生存期間を38%有意に延長することができる。全生存期間の中央値は、アベルマブ投与+支持療法群で21.4カ月、支持療法群で14.3カ月であった。

オシメルチニブ(タグリッソ)が肺がんの脳転移を抑制

オシメルチニブ(タグリッソ)が肺がんの脳転移を抑制

タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)は、英国の製薬会社アストラゼネカ社の売上首位の製品であるが、早期に診断された肺がんの特定の組織型において、脳への転移を遅らせると土曜日に発表された。外科切除が可能な早期に診断され、いわゆるEGFR遺伝子変異を有している肺がん患者を対象とした試験の結果、タグリッソは肺がんの脳転移リスクを82%抑制したことが明らかになった。

コロナ感染拡大下でのがん臨床試験に関するQ&A

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は臨床試験にどのような影響を与えているでしょうか?COVID-19パンデミックの臨床試験への影響は、お住まいの地域によって異なります。COVID-19の感染者数が少ない地域では、臨床試験に大きな影響はないかもしれません。そのような地域では、患者さんはまだ臨床試験で治療を受けており、新しい患者さんも臨床試験に参加することができています。COVID-19の感染者数が多い地域では、しばらくの間、新規患者の登録を中断する施設もあるかもしれません。しかし、すでに臨床試験に参加している患者さんのケアには引き続き力を入れています。

骨軟部腫瘍の治療における免疫細胞の抑制

もともと人体に備わった能力を強めてがんと戦う免疫チェックポイント阻害剤などの免疫療法は、軟部組織や骨に発生するまれながんである肉腫の治療には、わずかな成功しかもたらしていない。ジョンズホプキンス大学キンメルがんセンターの研究者が行った新しい研究では、その理由を探るために、これらのがんの腫瘍微小環境を明らかにした。この研究は2020年6月16日にClinical Cancer Research誌電子版で公開された。

AIによるすい臓がん検診の実現に向けての進歩

AIによるすい臓がん検診の実現に向けての進歩

膵臓がんは早期発見が命を救う上できわめて重要であるが、人工知能(AI)でその早期発見が可能となる見込みがある。2020年7月1日から4日まで開催の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)世界消化器がん会議で発表される研究で、AIの可能性が示された。全体として、膵臓がんは10万人に12人の割合で発症する。この数字から、あらゆる人に検診を行うことは非効率的であり、不必要な検査を受けたり、副作用を発症するかもしれない危険に多くの人々がさらされることになると言える。