製薬業界の最新ニュースと解説

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コロナ感染拡大下でのがん臨床試験に関するQ&A

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は臨床試験にどのような影響を与えているでしょうか?COVID-19パンデミックの臨床試験への影響は、お住まいの地域によって異なります。COVID-19の感染者数が少ない地域では、臨床試験に大きな影響はないかもしれません。そのような地域では、患者さんはまだ臨床試験で治療を受けており、新しい患者さんも臨床試験に参加することができています。COVID-19の感染者数が多い地域では、しばらくの間、新規患者の登録を中断する施設もあるかもしれません。しかし、すでに臨床試験に参加している患者さんのケアには引き続き力を入れています。

骨軟部腫瘍の治療における免疫細胞の抑制

もともと人体に備わった能力を強めてがんと戦う免疫チェックポイント阻害剤などの免疫療法は、軟部組織や骨に発生するまれながんである肉腫の治療には、わずかな成功しかもたらしていない。ジョンズホプキンス大学キンメルがんセンターの研究者が行った新しい研究では、その理由を探るために、これらのがんの腫瘍微小環境を明らかにした。この研究は2020年6月16日にClinical Cancer Research誌電子版で公開された。

AIによるすい臓がん検診の実現に向けての進歩

膵臓がんは早期発見が命を救う上できわめて重要であるが、人工知能(AI)でその早期発見が可能となる見込みがある。2020年7月1日から4日まで開催の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)世界消化器がん会議で発表される研究で、AIの可能性が示された。全体として、膵臓がんは10万人に12人の割合で発症する。この数字から、あらゆる人に検診を行うことは非効率的であり、不必要な検査を受けたり、副作用を発症するかもしれない危険に多くの人々がさらされることになると言える。

オランザピンは進行がんによる吐き気や嘔吐を軽減

進行がん患者の多くは慢性的な吐き気と嘔吐を経験しており、食事が困難になり、全体的な幸福度が低下することがある。研究者らは、化学療法が原因ではない吐き気や嘔吐がある進行がん患者に対して有望な治療法をみつけたという手ごたえを感じている。NCIが資金を提供した小規模研究において、プラセボと比較し、オランザピンによる治療によりがん患者の吐き気と嘔吐が大幅に減少した。

FDAが切除不能な大腸がんの初回治療にペムブロリズマブ(キイトルーダ)を承認

2020年6月29日、米国食品医薬品局(FDA)は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機能欠損(dMMR)を有する切除不能な大腸がん患者の初回治療薬として、ペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ)静脈内注射を承認した。

肺がん生存期間への禁煙の効果、再発卵巣がんの維持療法―ASCO20

肺がん患者では、禁煙は、いずれの時点に開始しても(たとえ診断直前でも)生存を延長することが、国際的なデータを用いた大規模研究によって、禁煙した人は、それが肺がん診断前2年未満以内であっても、診断後に長生きできる可能性が高いことが示された。

オラパリブとルカパリブの承認で、前立腺がん治療はPARP阻害薬の時代に突入

米国食品医薬品局(FDA)による最近の承認2件は、一部の前立腺がん男性患者用治療薬である分子標的薬の適応拡大という新たな道を開いた。今回の承認は分子標的薬オラパリブ(リムパーザ)とルカパリブ(ルブラカ)に対するもので、いずれも前立腺がんが転移し、かつ、標準的なホルモン治療に反応しない(去勢抵抗性前立腺がんと言われることが多い)男性患者に使用されるものである。いずれの薬剤も服用にあたっては、細胞にDNA損傷を修復できない特定の遺伝子変異を持っている必要がある。

胸部がんとメラノーマの抗PD-1療法著効と分子レベルの転帰予測【ASCO20】

ジョンズホプキンス大学キンメルがんセンターの胸部がん専門家およびがんゲノム専門家は、がん治療・ケアに携わる医師および専門家が所属する国際学会である米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会で、中皮腫、肺がん、および悪性黒色腫に関する有望な知見および研究を新たに報告した。

リツキシマブを加えた治療法が高悪性度B細胞リンパ腫の若齢患者に有効

最近の研究結果により、バーキットリンパ腫などの増殖が速いB細胞非ホジキンリンパ腫と新たに診断された小児および若年成人の治療基準が確立された。 同研究ではリツキシマブ(リツキサン、Truxima[トルキシマ])を標準化学療法に追加し、小児および若年成人患者の全治癒率が約87%から約95%に改善した。NCIのがん治療評価プログラムに参加するMalcolm Smith医師はこの新しい治療法について「非常に悪性度の高いリンパ腫に罹患している小児集団に対して、顕著な効果があります」と述べた。

FDAが皮膚扁平上皮がんにペムブロリズマブを承認

2020年6月24日、米国食品医薬品局(FDA)は、手術や放射線治療で治癒しない再発または転移性の皮膚扁平上皮がん(cSCC)を有する患者の治療薬として、ペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ、メルク社)を承認した。

メルケル細胞がんに術前抗PD-1療法ニボルマブが有望な可能性

免疫「チェックポイント」阻害剤による治療がメルケル細胞がんに対して有用であることが多施設共同臨床試験で判明世界初と考えられる進行性の皮膚がん患者を対象とした術前免疫療法の安全性を評価した試験で、研究者らは手術を受けた試験参加患者の約半数で、治療により病理学的ながんの痕跡が消失したことを報告している。

集中治療室の小児患者の多くはリハビリテーション療法を受けていない

病院の集中治療室(ICU)に入院している成人患者は、しばしばリハビリテーション療法を受け、入院の初期段階から体を動かし続けるよう促される。これによって、褥瘡(床ずれ)、血栓およびその他の短期的リスクが下がると同時に、筋力、身体機能および認知機能が改善することが明らかになっている。しかしながら、全米の小児集中治療室(小児ICU)内の重症児におけるリハビリテーションの普及や欠如については、これまでしっかりとした研究が行われていなかった。

ルキソリチニブが一部の移植片対宿主病患者に有用

造血幹細胞移植を受けて数カ月以内に移植片対宿主病(GVHD)を発症し、ステロイドに反応しなかった血液のがんを有する患者は、他の治療法よりもルキソリチニブ(ジャカビ)に反応する可能性が高いことが、大規模臨床試験の結果により明らかになった。

FDAが小児のCD33陽性、急性骨髄性白血病にゲムツズマブオゾガマイシンを承認

2020年6月16日、米国食品医薬品局(FDA)は、ゲムツズマブオゾガマイシン(販売名:マイロターグ、Wyeth Pharmaceuticals LLC)の適応を拡大し、新たにCD33陽性急性骨髄性白血病(AML)と診断された生後1カ月以上の小児患者を含めることとした。0歳から29歳までの新たにAMLと診断された患者1,063人を対象とした多施設ランダム化試験AAML0531(NCT00372593)のデータによって、小児患者における有効性と安全性は裏づけられた....

フォンヒッペル・リンダウ病に伴う腎がんに分子標的薬MK-6482が良好な臨床効果

テキサス大学 MD アンダーソンがんセンターの研究者が主導した国際試験において、低酸素誘導因子(HIF)-2a の小分子阻害剤である MK-6482 による治療は、フォンヒッペル・リンダウ病(VHL)に伴う腎細胞がん患者に対して良好な忍容性および臨床反応を示す結果となった。

改訂版栄養成分表示は、がんも含めた健康や食の科学を反映

2020年1月1日、米食品医薬品局(FDA)は多くの食品製造業者に対し、各自社製品に栄養成分表示の改訂版を表示するよう、要請を開始した。本インタビューでは、FDA食品安全応用栄養センター栄養政策上級顧問 Robin McKinnon博士とNCIがん対策・統計部門のリスク因子評価部チーフの Jill Reedy博士が、改訂版栄養成分表示とその変更の根拠となる研究の一部について検討する。

BTK阻害薬が COVID-19のサイトカインストームを抑え、呼吸困難を改善

ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)タンパク質を阻害することは、一部の重症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に臨床的有益性があることが臨床試験の初期データから示唆された。研究者らは、いくつかの血液腫瘍の治療に承認されているBTK阻害剤である抗がん剤アカラブルチニブ(販売名:カルクエンス)の適応外使用によって治療を受けた患者の大半で呼吸器症状の軽減と過活動性免疫反応の低下がみられたことを明らかにした。

転移非小細胞肺がんの初回治療にラムシルマブ+エルロチニブを承認

米国食品医薬品局(FDA)は2020年5月29日、上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン19欠失またはエクソン21(L858R)変異を有する転移非小細胞肺がん(NSCLC)の初回治療薬として、ラムシルマブ(販売名:Cyramza[サイラムザ]、Eli Lilly and Company社)とエルロチニブの併用を承認した。

予後不良の小児がん領域における大規模なプレシジョン医療の前進

バージニア州アレクサンドリア―研究者らは、予後不良の再発小児がんにおいて、分子標的を同定し、分子標的治療と組み合わせるアルゴリズムを開発した。最近の研究では、このアプローチにより、優先度の非常に高い標的を有する小児がん患者の小規模のグループにおいて、病勢進行までの期間を3カ月延長することができた。本研究の結果は、2020年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会のバーチャル科学プログラムで発表される予定である。

ペムブロリズマブが特定のDNA変異を有する進行大腸がんの無増悪生存を2倍に

ASCO会長のHoward A. Burris III医師( 米国内科学会フェロー:FACP、米国臨床腫瘍学会フェロー:FASCO)によれば、「ペムブロリズマブや同様の免疫療法が、進行がんの二次治療として有効であることは証明済みです。今回のような試験では、特定の遺伝子的特徴がある進行がん(本試験は高頻度マイクロサテライト不安定性/ミスマッチ修復遺伝子欠損変異がある切除不能な大腸がん)の一次治療として、免疫療法の有意な有効性が確認され始めています。今回発表されたデータは、標準治療を変える可能性があります」。

進行尿路上皮がんの一次化学療法後、免疫療法アベルマブが全生存を改善

「進行性尿路上皮がんは、化学療法による一次治療後に再発しやすい特徴があります。本試験は、進行性尿路上皮がんに対して、全生存期間のこれまでで最長の延長を示しました。維持療法としてのアベルマブは、再発までの期間を有意に延長しました」と米国臨床腫瘍学会(ASCO)会長Howard A. Burris III 医師(FACP、FASCO:学会で評価された医師に与えられる称号)は語った。

乳がん女性の定期的な運動が生存期間を延長する可能性

高リスク乳がんと診断された女性の生存期間の延長と身体活動を関連づける既存のエビデンスに、新たな研究結果が追加された。がんの診断前および治療後に定期的に身体活動を行っていた女性は、活動を行っていなかった女性と比較して、がんの再発や死亡の可能性が低いことが、研究で明らかになった。

大気中のPM2.5が特定がんの若年患者の死亡率を増加させる可能性

米国ユタ州の約16,000人の若年がん患者を対象とした分析で、微小粒子状物質(PM2.5)への曝露は、特定のがんの診断から5年後と10年後の死亡率の増加と関連していることが判明したと、米国がん学会の学術誌Cancer Epidemiology, Biomarkers & Preventionで発表された。

がん診療に高齢者の機能評価を導入すると、高齢患者のQOLが向上し入院が減少

「65歳以上の人口は今後も世界中で増加し続けることが予想されており、高齢患者に提供する治療の質を最適化するために、より厳密な研究が急務となっています。本研究は、高齢者機能評価により、高齢がん患者のQOLが明確に改善され、より良い治療計画が可能になることを示しています」と、ASCO会長のHoward A. Burris III医師(米国内科学会フェロー:FACP、米国臨床腫瘍学会フェロー:FASCO)は述べた。

がん患者はCOVID-19による高死亡率に直面

モンテフィオーレヘルスシステムおよびアルバート・アインシュタイン医科大学の臨床研究者によると、COVID-19を発症したがん患者は、非がん患者に比べて、COVID-19により死亡する可能性が高いことが明らかになった。2020年5月1日にCancer Discovery誌電子版に発表された本研究は、COVID-19にも感染したがん患者の転帰を評価した研究としては、これまでで最大規模のものである。

FDAがPD-L1高発現の転移性非小細胞肺がんにアテゾリズマブを承認

2020年5月18日、米国食品医薬品局(FDA)は、PD-L1高発現(腫瘍細胞[TC]におけるPD-L1発現率が50%以上[TC≥50%]、または腫瘍浸潤免疫細胞[IC]におけるPD-L1発現率が10%以上[IC≥10%])で、EGFRまたはALK遺伝子変異を有さない、転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者を対象に、一次治療薬としてアテゾリズマブ(販売名:テセントリク、Genentech Inc.社)を承認した。

【英国NICE】COVID-19迅速ガイドライン:放射線療法の実施

NICEは急速に変化する状況に直接対応してこれらの推奨事項を作成したため、ガイダンス作成における標準的なプロセスを踏むことができなかった。本ガイドライン作成には、COVID-19に関する迅速ガイドライン作成における臨時プロセスと手法(英語)を用いた。本推奨事項はエビデンスと専門家の意見に基づいており、可能な限り検証が続けられてきた。今後も知識ベースおよび専門家の経験が進展するに応じて推奨事項を見直して更新していく。

FDAが、HRR遺伝子変異陽性の転移性去勢抵抗性前立腺がんにオラパリブを承認

2020年5月19日、米国食品医薬品局(FDA)は、生殖細胞または体細胞系列相同組換え修復関連(HRR)遺伝子に病的変異または病的変異疑いを有し、前治療としてエンザルタミド(販売名:イクスタンジ)またはアビラテロン(販売名:ザイティガ)による治療を受けて病勢進行が認められた、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)の成人患者を対象にオラパリブ(販売名:リムパーザ、AstraZeneca Pharmaceuticals, LP社)を承認した。

FDAが、カポジ肉腫にポマリドミドを迅速承認

2020年5月14日、米国食品医薬品局(FDA)は、ポマリドミド(販売名:ポマリスト、Celgene Corporation社)の適応を、高活性抗レトロウイルス療法が奏効しなかった成人のAIDS関連カポジ肉腫と、HIV陰性の成人のカポジ肉腫の治療に拡大した。

FDAが、BRCA変異陽性の転移性去勢抵抗性前立腺がんにルカパリブを承認

2020年5月15日、食品医薬品局(FDA)は、アンドロゲン受容体標的薬およびタキサン系化学療法による治療を受けた、有害なBRCA変異(生殖細胞系/体細胞系)を伴う転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者を対象にルカパリブ(販売名:RUBRACA、Clovis Oncology社)を迅速承認した。