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新たな血友病治療の可能性を示す2つの遺伝子治療が共に有益な治験データを発表

血友病

5月22日の世界血友病連盟会議(World Federation of Hemophilia)で、初期の開発段階ではあるが、血友病治療において2つ遺伝子治療が新たな治療方法を提供する可能性を示すデータが発表された。

この発表されたデータは、ファイザーとスパークセラピューティクス社の遺伝子治療とバイオマリン社の遺伝子治療で、それぞれ、血友病Bと血友病Aを対象として開発が進められている。

ファイザーとスパークセラピューティクス社の血友病Bを対象とした第I/II相の遺伝子治療の治験において、SPK-9001を投与した15人の重症または中等度血友病B患者全員が、通常広く行われている定期補充療法である血液凝固第IX因子製剤の使用を中止することが出来たと発表した。同社は、5月7日のデータのカットオフ時点では、重篤な有害事例もなく、血栓症や第IX因子阻害剤もなかったことも併せて発表した。

SPK-9001は、新規のアデノ随伴ウイルスベクターで、(AAV)キャプシドを用い、コドンを最適化した高活性ヒト血液凝固第IX因子変異体を発現する遺伝子治療であり、2017年12月に発表された中間報告において年間出血量(ABR)が97%減少し、第IX因子製剤の使用量を大幅に減少することが出来たことを発表している。

一方、バイオマリン社は、同社開発中の血友病Aの遺伝子治療valoctocogene roxaparvovecの第I/II相臨床試験の2年間のデータを発表した。

この治験の結果、同社は、BMN270として知られていた遺伝子治療valoctocogene roxaparvovecが、「第VIII因子輸液を必要とする患者の出血の継続的かつ実質的な低減」の治療効果に関連していることが示されたと発表した。具体的には、6e13 vg/kgコホートの重症血友病A患者の、出血率が97%低下し、2年目にはすべての出血がなくなった。

また、治療を受けた患者の71%が1年目、86%が2年目には第VIII因子注入を必要とする出血事象を経験していないと加えた。ベースラインでは14%であった。

今月初め、バイオマリン社、初期段階の治験ではあるがAAV5抗体が投与済みの重症血友病A患者1名に対してvaloctocogene roxaparvovecの投与の試験も行ったことを発表した。AAV5抗体の治療法は、FDAにより血友病Aの治療を対象にブレークスルーセラピーの指定を受けている。

昨年12月、ファイザーとスパーク社の発表では、血友病Aの治療を対象とした早期の治験データにおいて、遺伝子治療SPK-8011は、valoctocogene roxaparvovecと比較して治療効果の有意性は示されていないと発表している。

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