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【2018年に発売予想の新薬まとめ1】ブロックバスターのベドリズマブ 単回・経口の インフル薬…大型化候補が続々登場

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今年は、海外市場でブロックバスターに成長した武田薬品工業の潰瘍性大腸炎治療薬ベドリズマブや、単回の経口投与で治療が完結する塩野義製薬のインフルエンザ治療薬など、各社が大型化を期待する製品が国内で相次いで発売される見通しです。

2018年に発売が予想される主な新薬を、領域別に2回に分けて紹介します。

【2018年に発売予想の新薬まとめ2】はこちら

INDEX

  • 【がん】遺伝性がんに初の治療薬 抗PD-L1抗体は2製品
  • 【消化器】ベドリズマブ いよいよ日本でも発売へ
  • 【感染症】単回・経口のインフル薬 世界に先駆け承認へ
  • 【生活習慣病】目立つ糖尿病の配合剤 発売先送りの「パルモディア」は…

【がん】遺伝性がんに初の治療薬 抗PD-L1抗体は2製品


がん領域では今年も、注目の新薬が相次いで登場する見通しです。

アストラゼネカの「リムパーザ」(一般名・オラパリブ)は、遺伝性卵巣がん・乳がん(HBOC)を対象とした国内初の治療薬。卵巣がんの適応では1月承認・4月薬価収載が見込まれ、乳がんでも今年後半の発売が予想されます。

リムパーザはPARP阻害薬と呼ばれる薬剤で、損傷したDNAを修復するポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼという酵素を阻害。これによってがん細胞はDNAを修復することができなくなり、死滅します。

「オプジーボ」「ヤーボイ」「キイトルーダ」「バベンチオ」の4製品がすでに販売されている免疫チェックポイント阻害薬では、1月に中外製薬の抗PD-L1抗体「テセントリク」(アテゾリズマブ)が非小細胞肺がんの適応で承認される見通しです。肺がんを対象とした免疫チェックポイント阻害薬としては、オプジーボとキイトルーダに続いて3剤目。アストラゼネカのデュルバルマブも申請中で、年内の承認が予想されます。

免疫チェックポイント阻害薬では、抗PD-1抗体オプジーボと抗CTLA4抗体ヤーボイが悪性黒色腫を対象に併用療法の適応拡大を申請中。承認されれば、国内初の免疫チェックポイントの併用療法となります。

ファイザーの「ベスポンサ」(イノツズマブ オゾガマイシン)は白血病を対象とした抗体薬物複合体(ADC)で、1月に承認される見通しです。中外製薬の糖鎖改変型タイプII抗CD20抗体オビヌツズマブは、日本新薬との共同開発品。抗体の糖鎖を改変して効果を高めた薬剤で、抗CD20抗体「リツキサン」(リツキシマブ)の後継品にあたります。

日本イーライリリーのアベマシクリブは、昨年11月に発売されたファイザーの「イブランス」に続くCDK4/6阻害薬。セルジーンの「イストダックス」(ロミデプシン)は昨年7月の承認後、2度にわたって薬価収載が見送られています。当局と薬価が合意していないのが理由で、発売に向けた交渉が続きます。

【消化器】ベドリズマブ いよいよ日本でも発売へ

消化器領域では、武田薬品工業の潰瘍性大腸炎治療薬ベドリズマブが発売となる見通し。欧米では「エンティビオ」の製品で販売されており、16年度の世界売上高は1432億円とブロックバスターに成長しました。

EAファーマは便秘症に対する2つの新薬を市場投入する予定。いずれも持田製薬と共同開発したもので、このうち「グーフィス」(エロビキシバット)は1月の承認が見込まれています。2剤とも両社で共同販売する予定です。三和化学研究所も便秘症治療薬を申請中です。

【感染症】単回・経口のインフル薬 世界に先駆け承認へ

感染症領域で注目なのは、塩野義製薬が昨年10月に世界に先駆けて日本で申請したインフルエンザ治療薬「S-033188」。経口による1回の服用で治療が完結する初めての薬剤で、臨床第3相試験の結果によると、「タミフル」に比べて抗ウイルス効果が高く、投与翌日には半数以上の患者でウイスル力価が陰性化しました。国の「先駆け審査指定制度」の対象となっており、今春に承認される見通しです。

S-033188は塩野義が大型化を期待する製品で、海外での開発・販売ではスイス・ロシュと提携しました。英調査会社エバリュエートファーマは同剤の2022年の世界売上高を5億9700万ドル(直近のレートで約675億円)と予測。塩野義は将来的にブロックバスターに成長すると期待しています。

サノフィのスピラマイシンは国内未承認薬として厚生労働省が開発を要請した品目です。妊婦が初めてトキソプラズマ症に感染した場合、胎児にも感染が及ぶ可能性があり、死産や流産だけでなく、胎児に水頭症や神経・運動機能障害、視力障害などの症状をもたらすことがあります。海外では30年以上使われているにもかかわらず、国内にはトキソプラズマ症を適応とした薬剤はありません。

【生活習慣病】目立つ糖尿病の配合剤 発売先送りの「パルモディア」は…

生活習慣病領域では、糖尿病治療薬の配合剤が目立ちます。

DPP-4阻害薬とSGLT-2阻害薬の配合剤は昨年、田辺三菱製薬が「カナリア」を発売しましたが、今年はさらにシタグリプチン/イプラグリフロジン(MSD)と、リナグリプチン/エンパグリフロジン(日本ベーリンガーインゲルハイム)が発売となる見通し。三和化学研究所は、DPP-4阻害薬アナグリプチンとメトホルミンの配合剤を申請しています。

糖尿病では、ノボノルディスクファーマが新たなGLP-1受容体作動薬「オゼンピック」(セマグルチド)を昨年2月に申請。しかし、昨年12月の厚労省薬事食品衛生審議会・医薬品第一部会では、重度の腎障害患者に対する注意喚起が適切かどうかを理由に承認の判断が保留となりました。

興和の高脂血症治療薬「パルモディア」(ペマフィブラート)は、昨年7月に承認を取得したものの、薬価が決まらずに発売が先送りとなっています。