成功するフォーキャスティングのコアとなる4つの「有効成分」とは?

J+D コンサルティング社

フォーキャスティングを活用することで多くの投資判断や進路の決定が簡単になるようでなければならない。正しいフォーキャスティングで得られる情報を活用し、大きく変化するであろう市場パラメーターの変化を踏まえ、市場がどのように影響を受けるのかを自らの意見と理論で予測する事を可能にする。つまり、フォーキャスティングは、使う側の変化への適応力を上げ、自社製品の可能性を高め、投資判断と判断への理論に責任を持ち、全体の経験値を高めることが出来る。

フォーキャスティングモデルを設計するには時間と労力がかかるが、それを正しく理解し、コストを削減し、精度を高め、社内サポーターを増やし、意思決定を向上させるツールとして有効でなければならない。

その結果としてのフォーキャスティングのデータは、論理により自信を持って、より簡単でより包括的な議論を行うために活用されなければならない。

成功したフォーキャスティングのモデルは、新たなアイデアを生むための論理的構造を提供し、関係者同士での議論の活性化と意思決定を同時に容易にし、組織において無意味な議論を減らし、判断の為の時間を最適化しながらアウトプットの信頼性を高める。そのためのフォーキャスティングモデルは堅牢で正確、かつ使いやすいモデルでなければならない。

ではそのような成功するためのフォーキャスティングモデルを設計、作成、運営するためには何が必要なのか?

J+Dコンサルティングでは、このようなニーズに応えるべく10数年にわたりフォーキャスティングサービスを提供している。何回かに分けてフォーキャスティングに関して弊社の経験を日本の皆様と共有したい。1回目の今日は、フォーキャスティングモデル設計のための「4つの成功するための有効成分」をお伝えする。

  • トランスパレンシー:仮定への関係者による「挑戦」を容易にする
  • カスタマイズ:他のシステム/プロセスとシームレスに統合される必要
  • フレキシビリティ:市場とライフサイクルの変化への対応
  • シンプリシティ:複雑なモデルへの抵抗と憤りを防ぐ大切な要素

トランスパレンシー:仮定への関係者による「挑戦」を容易にする

フォーキャスティングモデルを作成する際には、関与する人数が多いため、多くのクライアントは、予測値やその作成過程の「見える化」を達成するのが難しい問題に直面している。成功するフォーキャスティングのためには、プロセス全体を通じて、見える化をすすめ、フォーキャスティング自体のトランスパレンシー(透明性)を高めることがまず大切だ。

特定のグループがフォーキャスティングの透明性を高め、「見える化」に向けて努力する一方で、他のメンバーやグループからの抵抗に直面する可能性がある。モデルの透明性が低いことで、誤解を招く可能性が高まる。また、不正確な前提条件によって予測値の精度が低くなり、結果として、設定された目標とそれによる投資プランが非現実的なものになる。

では、どうやって「トランスパレンシー」問題を克服するのか?

全体を通じて「見える化」をすすめる必要がある中で、フォーキャスティング自体のトランスパレンシーを高めるための主要なアプローチの1つは、予測のモデルをより詳細に細分化し、関係するグループが議論をするためのデータを提供すことである。これにより各グループがモデルに対し理論的な根拠を求め、理解し、与えるロジックを共有出来るようになる。

このような予測データの細分化の工夫で「トランスパレンシー」を高めることが出来る。

例えば、喘息のフォーキャスティングをする場合に、特定のバイオマーカーを持つ重度の喘息など特定の患者グループのために製品を処方する仮定が必要である場合には、このような詳細情報も関係者にとっては重要なセグメントであり、フォーキャスティングでは詳細に考慮、議論するべきデータである。つまり、喘息の患者の人口全体だけをフォーキャスティングに用いるのではなく、バイオマーカーを持つ特定の患者のサイズの患者数まで決定し、フォーキャスティングモデルに加えることで、フォーキャスティングの精度と関係者の参加意義を高め「トランスパレンシー」が進む。

フォーキャスティングモデルの活用を成功させるという事は、モデルの中で設定される仮定への「評価」と。仮定への関係者による「挑戦」を容易にすることでもある。このような設計と運用のプロセスを経て、フォーキャスティングモデルの見える化を果たし、不十分なデータと仮定に基づいたが貧弱なフォーキャスティングを活用した間違った意思決定のリスクを排除出来る。

カスタマイズ:他のシステム/プロセスとシームレスに統合される必要

フォーキャスティングのコストを抑えるために、製薬会社は、既成のフォーキャスティングソリューション、フォーキャスティングデータをそのまま活用することがある。このような既成のフォーキャスティングからの予測は特定の状況に適している可能性があるが、フォーキャスティングデータを活用する目的によっては不適切なケースがある。

成功するフォーキャスティングの2番目のポイントは、様々なニーズに合わせて調整することが出来ることです。短期的にはコストを抑え、安く予測値を得られるかもしれませんが、ビジネスにおける重要な判断をするための売上予測として既成のフォーキャスティングを使っての意思決定はリスクが高い場合もある。

効果的なフォーキャスティングモデルは、ブランド、製品、会社に合わせて作成され、カスタマイズされているべきだ。開発品、ブランドは特定の患者グループが対象であり、モデルはこれを反映する必要がある。フォーキャスティングは、治療領域ごとで特長や環境が大きく異なり、市場ごとでのブランドへの影響が異なり、フォーキャスティングも異なる。

テーラーメイドである必要性の最後の理由として、フォーキャスティングはビジネス上のシステム/プロセスとの影響が大きい作業であり、これらを考慮して作成する必要がある。

たとえば、御社の損益計算表への影響である。どのデータが損益計算表にどの部分に入るのかを理解し、それに応じてモデルを調整する必要がある。成功するフォーキャスティングは、フォーキャスティングが、御社の目的に合わせてテーラーメイドでかつ独自で作成、あらゆるニーズにカスタマイズされ、そして、アウトプットが適切な形式で生成、他のシステム/プロセスとシームレスに統合される必要がある。

フレキシビリティ:市場とライフサイクルの変化への対応

成功するフォーキャスティングモデルの3つめの要素としてフレキシビリティ(柔軟性)をあげる。市場は、常に進化し、自社の製品のライフサイクルが成熟するにつれ、現状のフォーキャスティングモデルに対するニーズと目的が変化することは避けられない。フォーキャスティングモデルの適宜更新すること、新しいモデルへの置き換えは、コストがかかり時間がかかるプロセスであり、設計とコストに際しては、これから活用しようとしているフォーキャスティングモデルがどのくらいの寿命で、希望する期間、使えるものなのかにも重点を置く必要がある。

この柔軟性の部分は、フォーキャスティング専門のコンサルティング会社を活用する理由の一つとして挙げられる顕著な要素でもある。これらのコンサルティング企業が提供するフォーキャスティングモデルは、クライアントのニーズと希望する寿命(利用期間)に合わせて、モデルが必要とする機能、必要ではない機能、重要な機能などを決定し組み入れる。常に変化する市場とクライアントの製品のライフサイクルにも対応するための柔軟性のあるフォーキャスティングモデルで、クライアントの意思決定をサポートする。

市場がどのようなものであるのかを直視し、製品のライフサイクルを踏まえた今後を見据え、次に市場で起きる事に対して対処するために準備を確実にすることがフォーキャスティングに於いては非常に重要である。

実は、今は活用しないが今後活用する可能性があるであろう機能を、最後のカテゴリーまで入れることも必要である。柔軟なモデルはこれらの機能のON/OFFも容易に追加できることが重要だ。この点が対応できていない場合、かえって機能を付けすぎることで使いにくくバラバラなモデルになってしまう

シンプリシティ:複雑なモデルへの抵抗と憤りを防ぐ大切な要素

透明性が高く、カスタマイズされた柔軟なフォーキャスティングモデルを活用することの利点は非常に高い。そのようなフォーキャスティングモデルを成功させるために残っている大切な過程が、そのフォーキャスティングモデルを組織の中で「ローンチ」することである。組織の中で込み入ったモデルにコミットできるグループもあるが、そうでないグループもある。つまり、モデルを活用するすべての関係者のニーズと要望に応える、しっかりしたプレセスでモデルの活用への「合意」をもらうことが大事なポイントである。

あまりにも複雑で要求の高いフォーキャスティングモデルは、関係者から強い抵抗や憤りに直面する可能性がある。フォーキャスティングモデル活用と開始プロセスへの応援者を組織内で増やしたい場合には、今日紹介する4つの要素として「シンプリシティ」が重要である。

「シンプリシティ」を追求することは、先に述べた3つの要素と矛盾するのではないか?と思う読者もいるのではないかと思う。確かに、「シンプリシティ」と「コンプレックス」は相反する概念である。しかし、成功するフォーキャスティングを実行するためには、これら4つのバランスが重要であり、この矛盾にチャレンジをしなければならない。

この4つの成功要素「シンプリシティ」に関しては、次の機会を頂き、更に詳細に、この重要な課題に関して考察を加えたいと思う。

出典;J+D Consulting社: Four Core Ingredients Of Successful Forecast Model Design


David James
J+D Consulting社 CEO
djames@janddconsulting.net
+44-(0)161 486 5005
J+D Consulting

この記事は、J+D Consulting社のコンサルタントが執筆した英文記事を、Insights4 Pharmaが日本語に翻訳・編集したものです。

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