マイクロバイオームを治療薬としての承認が目前に。クロストリジウム・ディフィシル感染症むけの医薬品は、新時代への幕開けにつながるのか?

ディシジョン・リソーシズ・グループ

ここ数年、「マイクロバイオーム」という単語が学者や医療従事者、ライフサイエンス企業の間でのキーワードになっている。多様な疾患治療の「鍵」となるのではないか期待されている。

ヒト・動物における「マイクロバイオーム」の重要性は長い間認識されていたが、疾患との関連性について積極的に研究されるようになったのはつい最近のことだ。

マイクロバイオームと肥満や免疫疾患等の臨床症状の関連性を裏付けるエビデンスが確立されるにつれて、本領域への注目度も上がってきた。

無数の企業がマイクロバイオームを治療手段として検討していることが分かる。そして、マイクロバイオームを治療に用いるという考えは実は従来から存在していました。

クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)に対する糞便移植は数十年前から実施されており、中国においては4世紀に下痢の治療として糞便移植が行われていた。

CDIにおける深い病態生理学の理解、ならびマイクロバイオームとの関連性が相まって、本疾患はマイクロバイオームベース治療の明確なターゲットとなっている。

現在、糞便微生物叢移植(FMT)は複数回再発しているCDI患者や、標準的な抗生物質が効かなかった患者を対象に臨床試験が実施されている。

ディシジョン・リソース・グループ社の調査によると、インタビューしたKOLの中には、実際優れた再発抑制効果を発揮してはいるが、安全性に対する懸念も抱いているとの意見もあった。また、患者側からは、自分の体内に他人から採取した糞便を移植することに抵抗がある人もいる。

いくつかの製薬企業は第二世代FMTと呼ばれる製剤を開発しており、現在、2製剤、Rebiotix社のRBX2660とSeres Therapeutics社のSER-109がフェーズIIIの段階にあり、本レポートでは詳細な分析を加えている。

出典:クロストリジウム・ディフィシル感染症に対するマイクロバイオームベース治療薬の上市は、新時代への幕開けにつながるのか?

出典(英語全文):Commercial Microbiome-Based Therapies for Clostridium difficile

参照レポート:
Disease Landscape & Forecast – Clostridium Difficile Infection
Epidemiology (Mature Markets) – Clostridium Difficile Infection

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