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【アトピー性皮膚炎市場】サノフィのデュピルマブの新たな競合品になりうるか?ファイザー社のアトピー性皮膚炎での今後の開発戦略

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アナリストを上回るデュピルマブの売上

サノフィのQ3の決算報告で、アトピー性皮膚炎治療薬デュピルマブの売上はアナリストの予想を上回った。デュピルマブは、アトピー性皮膚炎の3割を占める症状の重い患者に効果が期待され、 米国では患者の約4割で大幅に症状が改善する試験結果が出ている。デュピルマブは抗体医薬品でIL―4とIL―13を阻害し皮膚症状を改善する。デュピルマブは、2017年に発売となった新薬の中でも最も高い売上が期待されている新薬でもある。

アトピー性皮膚炎の治療に対するJAK阻害剤への期待

アトピー性皮膚炎に関する開発市場も活発である。注目をしたいのがJAK阻害剤だ。アトピー性皮膚炎を対象としたJAK阻害剤としては、ファイザー社が、すでにリウマチで承認されている ゼルヤンツでの開発を発表している。アッヴィ社のupadacitinib、イーライリリー社のbaricitinibもリウマチでの開発と並行してアトピー性皮膚炎を対象とした臨床試験が 進んでいる。
JAK阻害剤が高く評価されている点として安全性のプロファイルである。 同社のゼルヤンツを含むJAK阻害剤が複数のJAKを阻害するのに対して
PF-04965842は JAK1のみを阻害する。上記3剤はいずれもPF-04965842ほどの特定のJAKを阻害するプロファイルは持ち得ていない。

ファイザー社のJAK1阻害剤PF-04965842

ファイザー社が、2017年のQ3決算報告に於いては、同社としてアトピー性皮膚炎を対象とした二つ目の JAK阻害剤でJAK1のみを阻害するPF-04965842の第2相での臨床結果に関して強気の発言をしている。

ファイザー社のQ3決算での発表と、これまでの限られたデータに基づいての評価であるが、 PF-04965842は、競争力のある有効性プロファイルを有する 。同社の2017年第3四半期決算において、第2相試験の患者の約45%が、明らかに、またはほぼクリアな皮膚の改善 を達成したと発表。 他のJAK阻害剤と同様に、 PF-04965842は治療4〜6週間で治療効果を出していると思わる。 ファイザー社は、患者の中には治療の開始後わずか2日で効果が出ており、65%が、2週間以内にかゆみが解消されているとも報告している 。同社は、これらの早く効く、高い効果はPF-04965842を優位に差別化できるとしている。

ファイザー社のアトピー性皮膚炎市場に対する今後の戦略は?

ファイザー社のアトピー性皮膚炎への 重要性は、昨年の52億ドルのアナカールの買収によっても示されている。この買収で、軽度から中等度のアトピー性皮膚炎に対する局所療法であるユークリサを得ており、ファイザー社は、アナカールがピーク時の売上高が20億ドルに達する大型製品として期待している。 同社は 、ユークリサ、ゼルヤンツの市場での販売戦略で、PF-04965842の販売効果を高めるポジショニング戦略にも 期待している。

アトピー性皮膚炎の治療薬市場に関しては、中等度から重度の患者を対象として承認された非か投与のデュピルマブが非常に注目を集めている。今後は、リウマチ治療薬としてすでに承認され安全性や効果が示されているJAK阻害剤のアトピー性皮膚炎の治療対象としての開発品の動向にも注目だ 。

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