オラパリブ、乳癌対象でポジティブデータ。今後の行方は?卵巣がん以外でPARP阻害剤で有効性を示したのは初

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アストラゼネカは2月中旬、乳がんを対象としたOLYMPIAD試験において、オラパリブ(Lynparza)が主要評価項目を達成したと発表しました。これは、第III相試験において、卵巣がん以外でPARP阻害剤の有効性を示した初のデータです。

生殖細胞系BRCA遺伝子変異を有するトリプルネガティブ乳がん患者に対するLynparzaの有効性が確認されたOLYMPIAD試験の全データは、ASCO年次総会で最新データとして6月4日に発表される予定で、全世界のキーオピニオンリーダーにとってもこの最新情報の発表は試験結果を是非とも確認したいとしている。

OLYMPIAD試験のデータはまだ公表されていないものの、近刊予定のTherapy Trendsに掲載する乳がんレポートのためFirstWordが先頃取材した専門家らはいずれも、BRCA1/2遺伝子変異陽性トリプルネガティブ乳がんを適応とするLynparzaの承認取得を確実視しています。
専門家らは、本剤の利用が可能になれば、上記乳がん患者の治療が大幅に前進すると期待を寄せています。

OLYMPIAD試験で無増悪生存期間の統計学的に有意な延長が示されたことに加えて、LynparzaTMは化学療法に比べ毒性が低いことから、本剤適応患者にとってPARP阻害剤は選択しやすい治療になるだろうとKOLは主張しています。

その一方で、トリプルネガティブ乳がんを適応とするLynparzaの承認によりBRCA遺伝子変異患者に対する「治療に変化がもたらされる」としながらも、本適応のPARP阻害剤クラスは、少数のBRCA1/2遺伝子変異陽性トリプルネガティブ乳がん患者グループ以外では、少なくとも単剤療法としての機会はほとんどないだろうと専門家らはみている。

とはいえ、非臨床試験の結果を踏まえ、KOLらはPARP阻害剤とPD-(L)1阻害剤との併用を検討した試験データの続報を是非とも確認したい意向を示しています。

2つの作用機序を結び付けることによってシナジー効果が生まれ、これまでのところ単剤療法でのデータが期待外れの結果に終わっているがん腫である乳がんへのPD-(L)1阻害剤クラスの使用可能性に道が開けるかもしれないとみているためです。

このような併用により、乳がん治療薬としてのPARP阻害剤の使用がBRCA遺伝子変異患者以外にも拡大するほど魅力的なデータであるか否かはまだ明らかではありません。KOLの中には、進行中の試験でそのような併用により良好なデータが得られれば、比較的少数派のトリプルネガティブ乳がん患者全体に大きな恩恵をもたらす可能性があると考える専門家もいる。

PD-(L)1阻害剤クラスに関しては、乳がん治療薬市場へのアクセスには併用療法が最良の機会になるとKOLは述べています。このような免疫療法薬を化学療法と併用することによって、トリネガティブ患者に対するファーストライン投与に弾みがつくだろうと指摘をしています。

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