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理化学研究所、生体防御に不可欠なNKT細胞の新しい分化経路を発見

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1月31日、理化学研究所統合生命医科学研究センター免疫制御戦略研究グループが「生体防御に不可欠なナチュラルキラーT 細胞(NKT細胞)」の新しい分化経路を発見したと発表いたしました。本研究グループは、ダシツォードル・ニャムバヤル研究員、谷口克グループディレクターらの研究チームです。理化学研究所は、この発見が今後、さまざまな免疫細胞の機能獲得の機序の解明や、効果の高いNKT細胞を標的にしたがん免疫治療の開発につながると期待できると見解を述べております。

NKT細胞はT細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)に続く第4のリンパ球と呼ばれており、他の免疫細胞を活性化することにより、長期にわたり抗腫瘍効果を発揮する「長期免疫記憶」を誘導する中心的な働きをします。免疫制御、がん免疫、病原体感染防御など、 “種の生存”に不可欠な生体防御の機能を担っています。そのため、がんや病原体感染に対する免疫治療における標的細胞の一つとして注目されています。

一方で、NKT細胞がT細胞と同じ細胞系列なのか、どのように生体防御機能を獲得するのかなど、不明な点が多く残されています。今回、研究チームはNKT細胞の分化経路がT細胞の分化経路とどのように異なるのか、マウスを用いて詳細に調べ、その結果、T細胞とは分化の最終段階で分岐して成熟するNKT細胞とは別に、T細胞が分化・成熟する前の未分化段階において、早期に成熟し、主に肝臓に分布するNKT細胞があることを発見しました。また、このNKT細胞の特徴を解析したところ、がんの排除や病原体感染防御に必須のサイトカインや抗原を殺傷する細胞傷害活性に重要なタンパク質が多く発現しており、「生体防御に不可欠なNKT細胞」であることを確認しました。

このプレスリリースの内容は理化学研究所が作成した「60秒でわかるプレスリリース」でもさらに分かりやすく解説しております。

出典:理化学研究所プレスリリース