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日本におけるPatient-Centricity活動の展望について|COSMO社チェンジメーカーインタビュー

Eyeforpharma Presentation

患者中心医療実現の最前線で活躍するチェンジ・メーカーとして永年製薬会社(アステラス製薬)に勤務し、現在(株)畑中ファーマ・コンサルティング代表である畑中和義氏にCOSMOがインタビューを実施した。同氏は2014年より「全てのサービスは患者のために」をミッションとするNPO法人JPPaCの理事長である。NPO活動を通じて、難病・がんサバイバーなどの方々などから、「患者」とは、「患者中心の医療」とは、を学んでいる。

Kazuyoshi Hatanaka

畑中和義氏 略歴

1968年から2006年まで、製薬会社(山之内製薬・アステラス製薬)勤務。(株)畑中ファーマ・コンサルティング代表、香川大学大学院地域マネジメント研究科教授、東邦薬品監査役等を歴任。2014年より「全てのサービスは患者のために」をミッションとするNPO法人JPPaC理事長。NPO活動を通じて、難病・がんサバイバーなどの方々などから、「患者」とは、「患者中心の医療」とは、を学んでいる。

所属:NPO法人 患者中心の医療を共に考え共に実践する協議会(JPPaC)理事長

  • 日本経済大学大学院ファーマシーマネジメント研究所特任教授

Q: NPO JPPaCは、日本で開催されるeyeforpharmaに参加している患者アドボカシー団体と伺います。JPPaCでの取り組みについて、そして、日本の患者アドボカシー団体として、 「なぜいま」 patient-centricityの重要性を再認識し、実践に移す必要性があるとお考えですか?

「患者中心の医療」を再認識し、実践することは、患者さんに会い「語り」を聴くことからはじまります。

われわれのNPO JPPaCは、製薬会社関係の有志による「IKUYAKUゼミ」を母体として設立しました。メイヨ―クリニックの「全てのサービスは患者のために」を掲げて、「クスリ」を真に患者さんの役に立つよう育てたいと思ってスタートしました。ところがスタート早々、私たちは、患者さんのことを何も知らないと気づかされました。患者とは、マーケティングの対象としての患者だったわけです。一人の人間として見てこなかったのです。この反省から「患者中心の医療」を学ぼうとNPOを設立しました。

ところが、「患者中心の医療」についても、分かっていたつもりが、全く分かっていなかったことに気づかされました。壁に掛けたスローガンだったわけです。

全ての気づきは、難病、がん、障がいを持つ方々との出会いと「語り」からでした。そして、今、「患者中心の医療」とは、患者・患者家族、患者会、医療者・介護者、アドボカシー、コミュニティが、「その患者が一番大切にしているもの」を共に考え、取り組み、その人らしい人生を実現すること、ということにたどり着きました。

治療法の確立していない患者さんにとって「クスリは希望」です。クスリは、その人らしい人生を実現するためにあります。製薬会社の役割は、患者さんにその「希望」届けることです。「希望」を裏切らないために、製薬会社の人は「全てのサービスは患者のために」なっているかを常に問いかけなければなりません。

「患者中心の医療」を実践する第一歩は、患者さんに会い、「語り」を聴くことだと確信します。

Q:日本ならではのアドボカシー活動(あるいは患者団体)の可能性は何だとお考えでしょうか。また、課題は何だとお考えでしょうか。海外から学べることも含めてお教え下さい。

今年から、NPO JPPaCは「PPP-PJ(患者会と製薬企業パートナーシップ プロジェクト)」を発足させました。

PJのミッションは、「患者団体と製薬企業の間で、患者団体の権利、主体性が維持され、製薬企業と対等で透明性のあるパートナーシップを構築するための提案を行う」です。

製薬企業と患者団体の接点は、臨床研究への患者参画(PPIやPRO)、医療技術評価(HTA)などでますます多くなります。JPPaCのアドボカシーとしての役割の一つは、患者団体と製薬企業を「つなぐ」ことだと考えています。製薬会社にとって、誰が「患者の声」を代表するのか不透明です。また患者団体も製薬企業とコンタクトしたい場合どこにするのか分かりません。両者を「つなぐ」場をどのように作るかがこれからの課題です。ヨーロッパやアメリカでは、EyeforPharmaが主催するPatient Summitというカンファランスで、製薬企業と患者さんが意見を交わしていると聞いています。日本で開催されたEyeforPharmaのサミットでも「患者の声を製薬企業に届ける」セッションが設けられました。またヨーロッパでは、Dragon’s Denという患者さんと医療機関の研究者、製薬企業の研究者が一堂に会し話し合う試みがあると聞いています。日本でも、患者さんと製薬企業や研究機関の研究者が対等に意見交換できる場を作る必要があります。

日本の患者団体をどのように支援するかも大きな課題と考えています。

日本の患者団体の特徴は、疾患別であることや患者さん当事者によるアドボカシー団体であることです。ピアサポートや患者さん同士の情報共有など素晴らしい活動を続けられています。しかし一方では、患者さん自身が運営される負荷や資金繰りといった課題があります。また患者会は疾患や患者数などにより多種多様です。その中でも稀少疾患の患者会の方々は、人手の面でも資金の面でも多くの困難を抱えて活動されています。製薬会社を含めて、社会がそういった患者団体をどのように支援するかが今問われていると考えています。

ヨーロッパの患者団体EPF European Patient’s Forumは疾患横断型の患者会の連合体です。EPFは、製薬会社とコラボレーションするために必要なガイドラインや、資金獲得・透明性ガイドラインを公開しています。日本でもこのような患者会のためのガイドラインが必要と考えています。これも日本の患者団体を支援する一つでしょう。

Q: NPO JPPaCの今後の展望をぜひお教えください

私たちの活動は、「患者中心の医療」を学び、第三者的な立ち位置で、患者と医療者・製薬会社を「つなぐ」ことにあります。そのために上の質問でも述べましたが、

  • クスリと患者が関係するあらゆるステージ(新薬開発から情報提供まで)で患者会と製薬企業の間にある壁を見つけ出し、取り除く術を考える。
  • そのための一つの手段として、患者団体、製薬企業、医療関係者の「対話の場」を開き、相互理解・相互信頼を深める。

JPPaCは、患者団体、製薬会社、行政でもない第3者的な非営利団体です。製薬企業や医療関係者との利益相反を排除して活動することが必要です。この前提で、JPPaCの趣旨に賛同する患者さん、患者アドボカシー、製薬企業人、医療関係者の協力、参加を求めています。

出典:日本におけるPatient-Centricity活動の展望について┃Cosmo

発行元:COSMO
発行日:2019年11月8日

この記事は、COSMO社が発行した以下のオリジナル記事を承諾を得て掲載しております。

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