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【プロジェクトOrbis】レンビマ+キイトルーダの併用療法、3カ国同時承認を実現した米FDAの枠組みとは┃AnswersNews

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今年9月、米FDAが主導する「プロジェクトOrbis」のもと、抗がん剤「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法が米国、カナダ、オーストラリアで同時に承認されました。3カ国での同時申請・同時承認を実現したプロジェクトOrbisとは、どんな枠組みなのでしょうか。

米加豪 3カ国で同時申請・同時承認

9月18日、エーザイのマルチキナーゼ阻害薬「レンビマ」(一般名・レンバチニブ)と米メルクの免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」(ペムブロリズマブ)の併用療法が、米国、カナダ、オーストラリアの3カ国で同時に承認を取得しました。

適応は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)やミスマッチ修復機構欠損(dMMR)のない進行性子宮内膜がん。全身療法後に増悪し、根治的手術や放射線療法による治療ができない患者が対象となります。レンビマの開発・販促でグローバル提携を結ぶ両社が、キイトルーダとの併用療法の承認を取得したのは今回が初めてです。

3カ国の規制当局が申請を共同で審査

3カ国による同時承認は、米FDA(食品医薬品局)が主導する「プロジェクトOrbis」によって実現しました。プロジェクトOrbisとは、複数の国の規制当局が承認申請を共同で審査することで、抗がん剤の同時申請・同時承認を可能とする新たな枠組みです。

エーザイとメルクは今年6月、子宮内膜がんに対するレンビマとキイトルーダの併用療法の申請を3カ国で同時に申請。共同審査を経て、米国では迅速承認(臨床試験データが出揃う前から審査を始めるリアルタイムオンコロジーレビュー〈RTOR〉パイロットプログラムを適用)、カナダでは条件付き承認、オーストラリアでは暫定承認を取得しました。

レンビマ・キイトルーダ併用療法の承認までの流れを表したフロー図

「均一性の確立が最適な試験の設計につながる」

プロジェクトOrbisによる承認は、今回のレンビマとキイトルーダの併用療法が初めて。エーザイは「製薬企業にとっては、複数の国で同時申請・同時承認が可能となり、新薬をいち早く患者に届けられるのがメリット」としています。米国以外の国のがん患者にも新薬への早期アクセスの道が開かれるという点で、この枠組みの持つ意義は大きいと言えます。

Orbisは「円」や「地球」を意味するラテン語。がん領域ではピボタル試験を国際共同治験として行うケースが多くなっていますが、一方で各国の標準治療の違いが試験や申請の遅れに影響しているとされます。FDAは「今回の共同審査の目的は各国の規制の相違を明らかにすることだった」とコメント。標準治療の均一性を確立することが試験の最適な設計につながり、新薬の開発や申請、審査を加速させるとにらんでいます。

参加国は広がる可能性

プロジェクトOrbisの参加国は今後、米国、カナダ、オーストラリア以外にも広がる可能性があります。FDAの血液・腫瘍製品部(Office of Hematology and Oncology Products =OHOP)はかねてから、審査中の製品について規制当局間での情報交換を実施。現在は、日本、欧州連合(EU)、カナダ、豪州、スイス、中国の当局と定期的に電話会議を行っています。

プロジェクトOrbisは、現時点では適応拡大に限られますが、FDAはNDA(新薬承認申請)やBLA(生物学的製剤承認申請)の審査でも他国の規制当局と協力する可能性について検討するとしています。

アジアでの規制調和に動く日本

医薬品開発のグローバル化が進む中、国際協力の重要性は各国規制当局間の共通認識となってきています。WHO(世界保健機関)は近年、各国の規制当局が互いに信頼性を高め合うことで、審査結果の共有や審査の分担を推進する「Reliance」を提唱。2018年8月には、信頼性のある参照国で承認された医薬品を他国で登録する際のグッドプラクティス案を公表しています。

日本では今年6月、政府の健康・医療戦略推進本部が「アジア医薬品・医療機器規制調和グランドデザイン」を決定。▽薬事規制の国際標準の取り込み▽規制当局の能力向上(人材育成)▽安全性情報の共有化――などを通じてアジア地域の規制調和に取り組むとされました。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は16年に「アジア医薬品・医療機器トレーニングセンター」を開設し、アジア各国の規制当局の担当者を対象に研修を提供。2国間でシンポジウムを開くなどして、薬事規制への理解を深める活動を展開しています。
(AnswesNews 亀田真由)

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