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片頭痛 新薬によって市場は80億ドル拡大する可能性|DRG海外レポート

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出典: 片頭痛 新薬によって市場は80億ドル拡大する可能性|DRG海外レポート

発行元:AnswersNews
発行日:2018年12月11日

米国に本社を置くコンサルティング企業Decision Resources Groupのアナリストが、海外の新薬開発や医薬品市場の動向を解説する「DRG海外レポート」。今回は片頭痛治療薬を取り上げます。相次ぐ新薬の発売で、市場は向こう10年以内に80億ドル拡大すると予想されます。

(この記事は、Decision Resources Groupのアナリストが執筆した英文記事[New Drugs Could Add $8 Billion to the Migraine Market]を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです。本記事の内容および解釈については英語の原文が優先します。正確な内容については原文を参照してください。原文はこちら

予防薬として抗CGRP抗体が登場

片頭痛薬市場は今、変化の真っ只中にある。高い関心が寄せられている予防薬の分野では今年、3種類の抗CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)抗体―「Aimovig」「Ajovy」「Emgality」―が米国で発売された。欧州でも間もなく発売となる見通しだ。

さらに2020年までには、4種類目となる生物学的製剤(eptinezumab)がAlderから発売される予定で、2022年にはアラガンから経口薬(atogepant)が発売されるとみられている。

Decision Resources Groupの調査によって明らかになった2018年の片頭痛分野の動向

・Aimovigの発売後1年にわたって米国の市場動向を追跡する調査の1回目の報告によると、Aimovigは発売1カ月間で順調に採用が進んでおり、既存薬よりも多く使用される可能性が示唆された。一方で、その新規性と保険適用範囲をめぐっては課題があり、これが市場浸透の重要な障壁になる可能性がある。

・欧州では、主要5カ国(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス)が新規薬剤の受け入れ準備を整えていることが明らかになった。

・最新の患者ベースの市場モデルによると、CGRPをターゲットとする予防薬は先進7カ国での売上高が2027年に50億ドルを超える見通しだ。年平均成長率は10%を超え、ジェネリック中心の現在の市場の4倍に拡大すると予想される。

・予防だけでなく、急性期治療の分野にも新製品が参入する見通しで、片頭痛薬市場はさらに30億ドル拡大するとみられる。イーライリリーのlasmiditanやアラガンのubrogepant、Biohavenのrimegepantなどが、新規化合物として開発されている。

激しい市場競争

片頭痛薬は極めて狭い範囲で競争が展開されることになるので、商業的な成功は差別化とアクセスに左右されるだろう。抗CGRP抗体にとって、欧米では向こう1年から1年半が特に重要だ。この間に、医師は新薬に対する不安を解消して習熟度を高めていく。プロダクトメッセージングも発展し、患者の嗜好がはっきりするとともに、保険適用の範囲も決まってくると考えられる。

片頭痛患者の大半は最新の予防薬の処方を求めることになるだろう。費用を心配する保険者は、コストへの影響をコントロールしようとする可能性がある。

こうした状況の中、メーカーにとっては、片頭痛予防薬市場の原動力を理解することが、市場でのポジショニングを最適化し、長期的な収益とシェアを評価する上で重要になる。片頭痛の急性期治療薬の市場はトリプタンの後発品がいくつも販売され飽和状態にあるが、ここに参入する新製品にも同じことが言えるだろう。

【AnswersNews編集長の目】

今年、海外で相次いで発売された片頭痛予防を適応とする抗体医薬。日本でも開発が進められています。

米アムジェンの「Aimovig」(一般名・エレヌマブ)は、GCRP受容体を標的とした抗体医薬で、日本ではアムジェンとアステラス製薬の合弁会社アステラス・アムジェン・バイオファーマが臨床第3相(P3)試験を実施中。イスラエル・テバの抗GCRP抗体「Ajovy」(フレマネズマブ)は、日本での開発・販売権を持つ大塚製薬がP2/3試験を行っています。「Emgality」(galcanezumab)は日本イーライリリーによるP3試験が進行中です。

日本の成人の8.4%が片頭痛を抱えているとされ、国内の患者数は約840万人に上るとされています。国内でも近い将来、相次いで新薬が登場する見通しで、スマトリプタンが中心的に使われている市場も大きく変化しそうです。

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