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酒は百薬の長ならず!?論文でも意見が実は分かれる健康、長生きと「お酒!」|共二兼好

Sake 99516 1920

共二兼好(ともにけんこう)です。製薬関連の仕事についておりますので、私は健康であることを重視しています。健康であることは、仕事で成果をあげるために大切。いくら高いモチベーションやビジネススキルがあったとしても、健康でなければ成果がでないからです。私のブログでは、最新の論文の発表情報も紹介しつつ、私のペンネームのようにみなさんと一緒に健康であるために出来ることを「徒然に」綴ってまいります。

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驚きの論文「酒は百薬の長」ならず!?

9月にまた驚きの論文が出ましたね。「酒は百薬の長」と言って、みなさんお酒を少量飲めば長生きできると信じてずっと飲んでこられたと思いますが、その常識?がひっくり返されました。

米国ワシントン大学のMax G. Griswold博士らは、195カ国・地域から得られた系統的なレビューとメタ解析から、「世界におけるアルコール関連死は280万人で、少量でも死亡率は上昇し、がん死リスクはアルコール摂取量が多いほど増加する」とLancetに報告しました。
飲酒する60万人を対象に調べたところ、1週間に5杯から10杯のアルコール飲料を飲むと、寿命を最大6カ月短くなる可能性があるとも報告しています。

1996年のオーストラリアの論文で、1日平均アルコール19gでの飲酒者の死亡リスクは男女ともに非飲酒者より低くなっていることが報告され、「少量の飲酒は寿命を延ばす」ということが一般的になったと認識しています。さらに論文では、癌、循環器、消化器系の病気との関連も調べていました。

すなわち、男性では、1日あたり1.0-1.9 drinks では全死亡リスクは0.84まで減少し、3.0-3.9 drinksで元に戻り、6 drinks 以上で1.37まで高まる。女性の場合は、0-0.9 drinks で0.88まで低下し、2.0-2.9で1.13まで戻り、6 drinks では1.58と高くなった。また飲酒によって、咽頭癌、肝臓癌、乳癌、肝硬変などが増加していたというものでした。

まだある死亡リスク低下の論文

国内でも、大規模コホート研究により、適量飲酒が死亡リスクを低下させているという結果が出ています。これは国内の40~79歳の男女約11万人を9~1年追跡した結果で、総死亡では男女ともに1日平均23g未満(日本酒1合未満)で最もリスクが低くなっていました。

詳細にみると、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患、脳梗塞、2型糖尿病などは、少量飲酒によって罹患率が下がる傾向がありました。逆に、高血圧、脂質異常症、脳出血、乳がんなどは少量飲酒でもリスクは高まりました。肝硬変は少量ではあまり変化はないが、大量になると急激に増加しました。

別のオランダでの研究では、日に12-24gの飲酒は2型糖尿病のリスクを3割下げると報告していました。

今回のLancetの報告でも、虚血性心疾患リスクのみが1日0.8ドリンク程度の少量の場合にリスクが最小となった。しかし、全健康損失リスクが最小となるアルコール摂取量は、推算すると1日0ドリンクであり、飲めば寿命が短くなるという結果でした。
つまり、以前はトータルとして、死亡率に貢献する心筋梗塞などで死亡率が下がるので、統計方法によっては、全体として下がるという結論になっていたのでしょう。「少量飲めば死亡率が下がる」ということを支持する論文が多く出されていて、また、飲む時間として、食前が良いという報告もあります。少量のアルコールには、消化液の分泌を促進したり、胃や腸の運動を活発にしたりする作用があるためだそうです。

今回の報告の中で、もう1つ注目されるのは、15~49歳の人口におけるアルコール関連死亡率が国に依存するということで、200倍以上の差が見られた。最も低い上位10カ国(男女、10万人対0.3~1.7)は、アルコールを飲まないイスラム教のクウェート、イランなどと、モルディブ、シンガポール。反対に、最も高い上位10カ国(同62.2~145.3)国は、ラトビア、ロシア、モンゴルなどバルト・東欧・中央アジア・アフリカ諸国だった。

私、共二兼好なりの結論

1ドリンクは、赤ワイン(アルコール度数13%)1杯・100mL、ビール(同3.5%)375mL缶、ウイスキーやその他のスピリッツ(同40%)30mL程度。
個人的には、、「1日2杯程度の飲酒でストレス発散」という見方でみると、「その程度なら、ほとんど健康に影響しない」レベルと言えるかもしれませんね。