「共二兼好(ともにけんこう)」です。仕事がら海外の論文を常にみております。健康に長生きをすることをテーマに、そのような論文から徒然にブログに纏めています。今日は、読書と寿命の関係に関して。過去の論文で、エール大が本を読む人と読まない人で12年に渡って追跡した報告がありました。約3600人の試験で、読書をする人がしない人と比較してなんと生存期間で23ヵ月の優位性をもっていました。
A chapter a day: Association of book reading with longevity.
健康寿命と平均寿命にある10年の差
みなさんは10月13日のNHKの「AIに聞いてみた どうすんのよ!? ニッポン 第3回 健康寿命」を見られましたか?これもかなりショックな内容でしたね。
結論から言えば、健康で長生きするためには、
- 運動や食事よりも、読書や雑誌などを読み(ネットでも可でしょう)、アクティブに活動する。
- 子供と暮らさず、一人暮らしをして、引きこもらずにアクティブに活動する。
- 治安の良いところに住む、または、地域の治安を良くする。
ということが大事なようです。通常運動を推奨している医師も多いと思いますが、どうして読書がよいのか?友達付き合いがとても大事と言われているのに、どうして子供と一緒に暮らすよりも一人暮らしの方が健康寿命が長いのか?とても興味深く番組を見ました。
平均寿命と健康寿命には約10年の差が生じています。寿命の長い長野県や滋賀県でも健康寿命は日本の平均以下でした。つまり疾患を抱えた年数が長いということです。一方、山梨、愛知、岐阜、富山、三重、静岡、石川は健康寿命が長い。言い換えると「ピンピンコロリ」の人生を送っているといえるわけです。
これはお年寄り41万人に対して行った、質問数600以上10年以上かけて集めたデータの解析結果「都道府県どこが健康で長生き?」でした。このサイトを見ると、1つ1つの項目が表示されており、赤色が健康寿命に寄与していると思われるもの、青色が健康寿命に寄与していないという項目でした。それら1つ1つの項目を結びつく者同士を結んでいくと、サイトに示したようなチャートが得られたというわけです。
41万人のデータから得られた健康寿命に影響を与える行動とは?
例として示すと、健康な人は
- 自転車に乗る カラオケが好き 歯磨きで歯間ブラシを使う
- よく笑う。
などがあったのですが、
- 「本や雑誌を読む」が一番中心でした。
というのも健康につながるもの119項目につながっていたのに対し、不健康につながるものが0だったのです。
解析してみると、読書をする人は「グループ活動」に参加しがちだとわかりました。
次に不健康な人は、次のような点が多く、さらに不健康な項目とつながっていました。
- 近所の人は信用できない。面倒なことが増えた。無力感。
そこでNHKは、山梨県に注目しました。調べてみると、山梨は人口に対する図書館の数が全国1位、しかし運動は最下位?つまり、本は「心が動くと体が動く」のきっかけになっているのかもしれないという示唆が得られたようです。
読書に関する論文;エール大学の調査では、長生きの比較で23か月の優位性が
過去の論文を探してみると、エール大が本を読む人と読まない人で12年に渡って追跡した報告がありました。約3600人の試験で、読書をする人がしない人と比較して生存期間で23ヵ月の優位性をもっていました。また、認知症を減らすには、初等教育を充実させることが大事という論文が去年ありました。
Education and Dementia: A Meta-Analytic Study
一人暮らしの人は、友人と話をするのを楽しみにしているが、子供と暮らしていると外出しなくなるようです。一人暮らしも次の2つのタイプがあるようです。つまり、引きこもるタイプか、自分の好きなように外出して活動するタイプです。どうも、同居のお年寄りの方が一人暮らしよりもストレスを感じやすく、悩みが多いようです。
防犯パトロールが功奏。治安の良さも健康寿命に貢献
次に過去10年間のアンケートの結果を逆にたどってみた。直前にどう回答したかを見て、その3年前は、さらに3年前はどう考えていたかで考え方などの変化をみた。すると、地域⇒こころ⇒体と変化していた。つまり亡くなった人の10年前は地域の治安に対する心配が大きいことがわかった。
そこでここ10年で健康寿命が劇的に伸びた埼玉県を調べてみたところ、防犯パトロールが実施されており、防犯ボランティア活動が全国1位となっていた。そのせいか、2004年から防犯ボランティアのおかげで犯罪が3分の1になったそうで、さらに、そのおかげでゴミの不法投棄がなくなってきたそうです。こういう治安がよくなることによって、安心感、ストレスの軽減などにより健康寿命が伸びたのでしょうね。また、過去に治安が心臓リスクと関係しているという論文もあります。
治安の悪さと貧富の差が大きい場所との相関も指摘されているようです。貧富の格差が大きい国の方が寿命が短いという結果もあるようで、地域の貧富の格差は少ない方が治安がよいのかもしれませんね。
つまり健康で長生きするためには、定年後は、読書し一人暮らししてもアクティブに活動し、地域の治安を保つことが大事ということでしょうね。
(参考資料)
都道府県別 健康寿命ランキング
健康寿命及び地域格差の要因分析
共二兼好(ともにけんこう)です。製薬関連の仕事についておりますので、私は健康であることを重視しています。健康であることは、仕事で成果をあげるために大切。いくら高いモチベーションやビジネススキルがあったとしても、健康でなければ成果がでないからです。私のブログでは、最新の論文の発表情報も紹介しつつ、私のペンネームのようにみなさんと一緒に健康であるために出来ることを「徒然に」綴ってまいります。