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IPF市場、二つの大型治療薬と開発後期の8つの開発品が今後10年の牽引役に

250px UIP (Usual Interstitial Pneumonia)

特発性肺線維症(以下IPF)は、特発性間質性肺炎の1つで、肺の高度な線維化を主体とし、拘束性換気障害をきたす肺疾患です。他の特発性間質性肺炎(IIP)に比べて、ステロイドや免疫抑制薬に対する反応性が悪く予後不良の肺疾患です。

「特発性肺線維症とは、肺胞(肺を構成しているやわらかい小さな袋)に”傷”ができ、その修復のためにコラーゲンなどが増加して肺胞の壁(間質)が厚くなる病気です。そのため、咳が出たり、酸素がうまく取り込めなくなり息苦しくなります。特発性肺線維症は次第に進行し、肺が固くなり膨らみにくくなるため、呼吸が維持できなくなる場合もあります。初めの頃は安定していても、ある時期から進行しはじめることもあります。

一般に肺線維症の約半数は、発症原因がわかりません。このような肺線維症を「特発性肺線維症」(特発性とは原因不明という意味です)と呼びます。しかし、喫煙が、特発性肺線維症を発症する危険因子とされています。
50歳以上で発症することが多く、男性に多い傾向にあります」
出典:特発性肺線維症 塩野義製薬

以上のように、アンメットニーズが高い疾病です。 IPFの治療薬はほぼ2つに限られております。
Esbriet (ロシュ、日本では塩野義製薬)とOfev(ベーリンガーインゲルハイム社)で、日米欧で処方されております。
Esbrietの2015年には主要7カ国で約5億7200万ドルでトップブランドあった。(GlobalData調べ)

さて、グローバルデータの最新レポート【機会分析】特発性肺線維症では、IPF市場の2025年までの市場分析、予測を加えております。

同レポートでは、現状の治療薬、開発品への分析を加え、患者ベースでの各薬剤、各地域での売上予測を実施しております。IPEの開発品市場にはいくつかのステージが高い医薬品が並んでおりますが、本レポートではこれらの開発品に対しての詳細な分析と医師への調査を実施しました。

以下が本レポートで注目する開発ステージが上がっている開発品であり、これらのレポートでは詳細に分析を加えています。なお、これらの開発品は開発後期にあたり、順調に開発が進んだ場合2025年前には市場に投入されます。
既存の2剤に対し、これらの新たな治療オプションが加わる事に期待がもたれます。
これらの新規化合物を含めたアライアンス、併用療法、そして更にニッチな患者層をターゲットとした治験、開発動向など、現在開発中の医薬品の今後の治験状況には注目です。

  • Lebrikizumab ロシュIL-13 inhibitor
  • SAR-156597 サノフィ IL-4/IL-13 inhibitor
  • BMS-986020 BMS  LPA receptor antagonist
  • BG-00011 バイオジェン αVβ6 integrin mAb
  • FG-3019 FibroGen’s CTGF inhibitor
  • PRM-151 Promedior’s PTX2 protein
  • AF-219 Afferent’s P2X3 receptor antagonist
  • Tipelukast MediciNova’s 5-LO/LT pathway inhibitor

ソース:GlobalData eTrack (2016/5/3時点)

【出典レポート】GlobalData【機会分析】特発性肺線維症 : 2025年までの市場予測と機会分析
【原題タイトル】OpportunityAnalyzer: Idiopathic Pulmonary Fibrosis – Opportunity Analysis and Forecast to 2025
本レポートは、GlobalData社の提供するサブスクリプションパック[Pharma eTrack]にも収載されております。

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