新型コロナとの闘い 大きな節目に…英国でワクチン接種開始

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[ロンドン ロイター]12月8日、英国で米ファイザーと独ビオンテックが開発した新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。最初に接種を受けたのは90歳の女性。彼女は、最終治験を経た新型コロナワクチンの接種を受けた世界初の人となった。

接種は、新型コロナウイルスに対して最も脆弱な人たちから優先的に行われる。ファイザーとビオンテックのワクチンはマイナス70度で保管しなければならないという物流上の大きな課題を抱えており、英国の取り組みは世界のテストケースとなる。

1人目となったマーガレット・キーナンさん(90)は、イングランド中部コベントリーの病院で接種を受けた。来週91歳の誕生日を迎える彼女は「今年はほとんどの時間を1人で過ごしてきました。来年はようやく家族や友人と過ごすことができるようになるという意味で、ワクチンは少し早い誕生日プレゼントです」と喜んだ。

欧米ではこれまで、3つのワクチンが大規模臨床試験の成功を発表している。そのうちの1つが一般への接種に至ったことは、150万人以上が死亡したパンデミックとの闘いにおいて大きな転機となる可能性がある。

欧州最悪となる6万1000人以上の死者を出した英国は、欧米諸国で初めてワクチンの大規模接種を始めた国となった。同時に、ファイザー/ビオンテックのワクチンを世界で初めて展開した国でもある。

「まだウイルスを倒してはない」


人々は2回接種の1回目で安心しているが、3週間後には2回目の接種を受ける必要がある。ワクチンがウイルスの伝播を減らすという証拠はない。ボリス・ジョンソン首相は「ワクチンは、徐々に大きな変化をもたらすだろう。ただ、「徐々に」という点を強調したい。我々はまだ、このウイルスを倒してはいない」と語った。

マット・ハンコック保健相は、年内に数百万人が接種を受けることが期待されると述べ、接種開始の日を「Vデー」と表現。一方で、少なくとも最も脆弱な人たちにワクチンが行き渡る来年春までは、ソーシャルディスタンスの確保などの感染予防策を徹底すべきだと警告した。

英国政府は、ファイザー/ビオンテック製のワクチンを2000万人分発注している。両社によると、最終段階の臨床試験で95%の予防効果が示された。ロシアと中国では、最終治験で安全性と有効性が確認される前から、国産ワクチン候補の接種が始まっている。

英国ではまず、介護施設の入居者と職員、80歳以上の高齢者、一部の医療従事者を優先し、最初の1週間で約80万回の接種が可能になると予想されている。ハンコック保健相は、来週にはさらに別のバッチを受け取る「高度な自信」を持っていると述べた。

物流に困難


英国は比較的小さな国で、インフラも整っている。しかし、ファイザーとビオンテックのワクチンは、普通の冷蔵庫では5日間しか保管できない。この物流上の課題により、介護施設にワクチンを届けるのはまだ難しい状況だ。

新型コロナウイルスによる大きな被害を受けている米国やインドでも、数日から数週間のうちに緊急使用許可が出ると期待されているが、輸送や流通は英国以上に困難なものとなる可能性がある。

パンデミックに比較的うまく対応している韓国は、潜在的な副作用の情報を得るため他国の状況を注視するとし、ワクチンの展開を急がない方針だ。同国保健省は、接種開始は来年前半になるとの見通しを示している。

英アストラゼネカと同オックスフォード大が開発したワクチンは、通常の冷蔵庫の温度で輸送できる上、安価なため、多くの途上国にとって希望の1つとなっている。両者のワクチンは、最終治験の中間解析で平均70%の予防効果を示した。英国はこのワクチンについても、数週間以内に規制当局の承認を得たい考えだ。

ブレグジットで「供給の複雑さ増す」


英国は、ファイザー/ビオンテックのワクチンの緊急使用を1週間前に承認し、年末に決別する欧州連合(EU)や米国に先駆けて展開している。

ブレグジットの移行期間は12月31日に終了するため、軍用機が介入のために待機している港では混乱が起こる可能性がある。

ファイザーとビオンテックのワクチンはベルギーから英国に輸入され、アストラゼネカとオックスフォード大のワクチンの初期供給はドイツから出荷されている。

英国バイオインダストリー協会のスティーブ・ベイツ最高経営責任者は、ブレグジットの影響について「もちろん複雑さは増す」としながらも、「代替ルートと緩和策について確固たる計画がある」と語った。

英国は、ファイザー/ビオンテックのワクチンを計4000万回分注文しており、これを含めて7種類計3億5700万回分のワクチンを確保している。

(Alistair Smout、翻訳=AnswersNews)

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